
ジュエリー作家の船木さんの個展。
会場中央にあった「SPIRAL」という大きな作品がひときわ目を引いた。
「自分の活動の原点を見直してみよう」
という出品の狙いを話していた船木さん。
これは、学生時代に作ったものなのだそうだ。
初めて聞いたように思うのだが、彼女は道教大で彫刻を学んでいた(それにしても、丸山ゼミの出身作家の多いこと!)。
そこでイタドリを形どって鋳造したのがこの船のような作品だった。
「植物が金属に変わる。質感に大きなギャップがある。その不思議さから、わたしの作品は始まっているのです」
船木さんの作品は植物を題材にしたものが多く、今度の個展では、「枝」「実」「蔓」という文字のもとに、数点ずつがまとめられていた。
イチョウの葉の形をしたペンダント、ハンノ木の実のリング。
それは、単に形状が由来する、というだけではなく、植物の持つ命のエネルギーがぐっと凝縮されているように見える。

「SPIRAL」の展示台の足元から白い砂が床面にまかれ、そのつきあたりに、「つきにむかうよる」というペンダントが空中につるされて、「記憶の花」という作品と共鳴しあうように展示されていた。
植物の持つ命のエネルギーは、「SPIRAL」から近作まで、船木さんの作品を貫くものなのかもしれないと思った。
2010年9月8日(水)~19日(日)10:00am~6:00pm(最終日~4:00pm)、火曜休み
GALLERY創(札幌市区南9西6)
関聨ファイル
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