
「ギャラリーたぴお」では、さまざまなグループ展がひらかれるが、これほど直球というかそのものズバリの展覧会タイトルはめずらしい。
出品しているのは、伊東みゆき、甲斐野弘幸、加賀谷智子、笹岡素子、時川旬子、名畑美由紀、能登智子、原田勢津子の8氏。甲斐野さん以外は女性ばかりである。
すべて絵画。 各種グループ展に積極的に出品・参加している人が多く、ギャラリーまわりを熱心にしている人にはおなじみの顔ぶれといえそうだ。

甲斐野弘幸「跫(アシヲト)09-ハ」(F80)
暗い色の矩形の連なりを見ていると、ドラムソロの演奏を聴いているような気になる。迫力があるなあと思う。
ところどころ、斜めの線が入っているのも、画面に変化を与えている。
ただ、「ヲト」というかなづかいには疑問を感じる。
甲斐野さんはほかに「跫(アシヲト)09-ロ」(F80)「跫(アシヲト)08-7」(F30)も出品。

能登さんは2点。
題はついていない。
いずれも、やや暗い色合いと激しいタッチが相まって、シャープな作品になっていると思う。

出品者の中では伊東さんはあまり発表をしていない方だろう。作品を見るのは2003年の新道展以来だと記憶する。
今回、壁に掛かっているのが「CRIMSON」、壁から床に連なっているのは「LORD」。
「CRIMSON」は、題に反して、さまざまな色の絵の具が分厚くかさなり、表面にはひび割れも見える。
重々しい画肌が、かつてのアンフォルメルを想起させる。
「LORD」は、いったい何からできているのだろう、絵画というにはずいぶん分厚い。
ワイヤがうねっているが、すべてが黒く塗られている。
2点あわせて、重々しさが魅力的な作品だと思った。
あとの6人は2-4点ずつ出品しており、いずれも題は附されていない。
2009年5月18日(月)-23日(土)11:00-19:00
ギャラリーたぴお(中央区北2西2 道特会館 地図A)
※甲斐野さん、笹岡さん、名畑さんが出品
■第三十五回北海道抽象派作家協会展(2008年4月)
※甲斐野さんが出品
■第36回北海道抽象派作家協会展(2009年4月)
■第3回水彩連盟北海道札幌支部展(2008年11月)=画像なし
■新道展企画 第52回展受賞者展(2007年)
■第2回水彩連盟北海道札幌支部展(2006年)=画像なし
※笹岡さんが出品
■第36回北海道抽象派作家協会展
■第三十一回北海道抽象派作家協会展
※原田さんが出品
■道新油絵教室 第31回アルディ会展(2003年、画像なし)