
(承前)
あいちトリエンナーレは、日本を代表する都市型国際芸術祭の一つとして知られている。
筆者は2010年の第1回については全く記憶がないのだが、13年の第2回は建築評論家の五十嵐太郎さんが芸術監督に就任し、東日本大震災と福島第1原子力発電所事故以後の社会を反映した「揺れる大地」というテーマで大きな反響を呼んだ記憶が鮮明だ。
そんなこともあって、写真家・批評家で、道内ではおそらく岡部昌生さんの良き理解者としても知られているであろう港千尋さんが芸術監督を務めた前回の2016年は、茨城県北芸術祭とハシゴする格好で、名古屋と岡崎、豊橋のほぼ全会場を見て回った。非常におもしろかったのだが、筆者の怠慢により、感想がまったくアップされていない。申し訳ありません。
岡部さんと端聡さんの道内勢や、大巻伸嗣さんなどが印象に残っているが、ほかに、ジャカルタのアーティスト集団「ルアンルパ(ruangrupa)」のことがなぜか記憶に引っかかった。
筆者がその会場を訪れたのは平日の昼間だったので、レクチャーの記録などが板書されているだけで、展示それ自体としては別に「すごい!」というものではなかったのだが
「あ~、名古屋に住んでいる人は、夜な夜な通って、第三世界のアートについて学んだり、日本とインドネシアの関係に関して討論したりして、充実した時間を過ごしているんだろうなあ」
と思うと、自分が旅行者であることがなんだか非常にくやしく感じられたのだ。
この不完全燃焼の感覚は、札幌国際芸術祭2017である程度は満たすことができたのだが、しかしなにぶんフルタイムで働いていた(いまも働いている)ので
「完全に参加したぞ」
という満足感にはいたっていない。
(ちなみにルアンルパは2022年のドクメンタ=ドイツで開かれる世界最高峰の国際展=のディレクターになった由。すごいね)
札幌国際芸術祭絡みで言えば、岡崎のビルの屋上で見た「OPEN GATE」の会場。
あれはなんだろう? という疑問がふくらんでいたが、札幌で接することができて、ほんとに良かったと思う。
あと、長者町で行われていた「なるへそ新聞」の編集と発行。
アーティストらによる、手作りの新聞だ。
これなんか、筆者はいちおうプロフェッショナルですから(珍しく威張る。笑)、こういうプロジェクトに参加できたら、もうバリバリ活動しちゃうよな~~と思った。
なんだか、前回の話だけでそれなりの長さになってしまった。
今回の話は次項で書く。
ただ、前回と同じ会場を使っているので、自然と前回のことを思い出した。
シャープペンシルを使っていて監視の人に注意され、名古屋市美術館のミュージアムショップで鉛筆を買い、ショップのお姉さんに先端を削ってもらったのだが、たしかこれ、3年前もおなじことをしてもらったよなあ。
2019年秋の旅さくいん
あいちトリエンナーレは、日本を代表する都市型国際芸術祭の一つとして知られている。
筆者は2010年の第1回については全く記憶がないのだが、13年の第2回は建築評論家の五十嵐太郎さんが芸術監督に就任し、東日本大震災と福島第1原子力発電所事故以後の社会を反映した「揺れる大地」というテーマで大きな反響を呼んだ記憶が鮮明だ。
そんなこともあって、写真家・批評家で、道内ではおそらく岡部昌生さんの良き理解者としても知られているであろう港千尋さんが芸術監督を務めた前回の2016年は、茨城県北芸術祭とハシゴする格好で、名古屋と岡崎、豊橋のほぼ全会場を見て回った。非常におもしろかったのだが、筆者の怠慢により、感想がまったくアップされていない。申し訳ありません。
岡部さんと端聡さんの道内勢や、大巻伸嗣さんなどが印象に残っているが、ほかに、ジャカルタのアーティスト集団「ルアンルパ(ruangrupa)」のことがなぜか記憶に引っかかった。
筆者がその会場を訪れたのは平日の昼間だったので、レクチャーの記録などが板書されているだけで、展示それ自体としては別に「すごい!」というものではなかったのだが
「あ~、名古屋に住んでいる人は、夜な夜な通って、第三世界のアートについて学んだり、日本とインドネシアの関係に関して討論したりして、充実した時間を過ごしているんだろうなあ」
と思うと、自分が旅行者であることがなんだか非常にくやしく感じられたのだ。
この不完全燃焼の感覚は、札幌国際芸術祭2017である程度は満たすことができたのだが、しかしなにぶんフルタイムで働いていた(いまも働いている)ので
「完全に参加したぞ」
という満足感にはいたっていない。
(ちなみにルアンルパは2022年のドクメンタ=ドイツで開かれる世界最高峰の国際展=のディレクターになった由。すごいね)
札幌国際芸術祭絡みで言えば、岡崎のビルの屋上で見た「OPEN GATE」の会場。
あれはなんだろう? という疑問がふくらんでいたが、札幌で接することができて、ほんとに良かったと思う。
あと、長者町で行われていた「なるへそ新聞」の編集と発行。
アーティストらによる、手作りの新聞だ。
これなんか、筆者はいちおうプロフェッショナルですから(珍しく威張る。笑)、こういうプロジェクトに参加できたら、もうバリバリ活動しちゃうよな~~と思った。
なんだか、前回の話だけでそれなりの長さになってしまった。
今回の話は次項で書く。
ただ、前回と同じ会場を使っているので、自然と前回のことを思い出した。
シャープペンシルを使っていて監視の人に注意され、名古屋市美術館のミュージアムショップで鉛筆を買い、ショップのお姉さんに先端を削ってもらったのだが、たしかこれ、3年前もおなじことをしてもらったよなあ。
(この項続く)
2019年秋の旅さくいん