前回の続きの様になるかもだが、改めて三自衛隊には 男女の別なく隊員各位が各々の任務に打ち込めなくなる様な不祥事の芽を 早い段階で除去する努力を改めて求めたい。特に若手女性隊員が不安なく任務と向き合和える様、民間企業や団体などで広まってきたとされる 女性どうしで相談し合える心身のカウンセリングなどが行える部署の拡充なども課題だろう。問題の放置は絶対にいけない。早晩 ただでさえ不足気味の新規隊員充足に、重大な支障を招きかねない懸念もあるからだ。
今回の本題は、新しい時代の防衛技術に不可欠な、先端技術を民生分野と共用化を図る事。既に動きはあるが、まだまだ緒に就いたばかりというのが正直な所ではないか。終戦後間もない頃、そして昭和後半の高度成長の頃と違って 我国の安保に係る周辺情勢は格段に厳しくなっているのは多くが認める所。新しい防衛技術も、その情勢に見合ったものにしなければならないのは勿論だ。以下、日付を跨ぐかもだが 10/19付の読売新聞ネット記事を引用して みて参りたい。
「防衛装備庁に新研究機関、先端の民生技術を活用へ・・・AI や無人機など重点支援」
政府は 先端の民生技術を防衛分野で活用するため、2024(令和 6)年度にも 防衛装備庁に研究機関を設置する方針を決めた。AI(人工知能) や無人機など、今後の戦い方を左右する技術研究を発掘し、財政支援する。軍事(防衛) と民生双方で活用できる 先端技術の「デュアル・ユース(両用)」の研究を装備品開発につなげる狙いだ。
複数の政府関係者が明らかにした。デュアル・ユースの積極活用は世界の潮流だが、日本では学術界に安全保障分野への忌避感が根強く、米・中両国などと比べ、官民の研究協力は進んでいない。出遅れを挽回するため、国主導で後押しする専門機関が必要と判断した。
モデルとするのは、米国防総省傘下の国防高等研究計画局(DARPA) や同省の国防イノベーション・ユニット(DIU) だ。DARPAは、民間で投資を集めづらい リスクの高い研究への支援を手がけ、インターネットや全地球測位システム(GPS) などを誕生させた。DIUは 同省と企業の橋渡し役を担い、サイバーや無人機などに用いる民生技術の発掘に寄与してきた。
新研究機関は 大手から新興まで広範な企業や研究機関、大学などを対象に 中長期的な研究費の支援を行う方向だ。公募のほか、研究機関側から支援を打診することも想定する。将来的には、年 1兆円規模の支援を目指す。
(防衛)装備庁には 民間研究に助成する「安全保障技術研究推進制度」があるが、予算は年 100億円程度だ。期間も 2~3年に限定されることが多く、目立った成果は上がっていない。新研究機関では、さらに長期にわたる支援を想定している。
重点的に支援対象とするのが AIや無人機関連に加え、量子技術、電磁波などだ。いずれも将来の戦い方を変える「ゲームチェンジャー」になり得る分野で、米・中が激しく優位性を争っている。日本も技術開発に注力し、日米同盟の抑止力強化につなげたい意向だ。
具体的な支援では、(防衛)装備庁の技官が新研究機関で 研究計画の進捗(しんちょく) や予算、品質管理などに責任を持つ プロジェクト・マネジャー(PM) のような形で関わり、必要な助言を行う。PM役の一部は 民間登用も検討する。技官らは「目利き役」として早期の実用化を見込める研究探して 同庁に支援を要請したり、量産に向けて 大手防衛産業企業との間を橋渡ししたりする役割も担う。(引用ここまで)
戦後長きに亘って 退化してきた様な趣もある我国の防衛技術を立て直し、世界レベルにまで近づけるのは容易でないと心得る。この様になったのは、戦後間もなくから左派野党の思潮面での影響を受け易かった日本学術会議が 防衛安保分野の技術開発から遠ざかる活動方針に固執してきたに加え、特に 1970年代後半の昭和後期の三木政権が、以前から旧共産圏向けには規制のあった我国の防衛装備品提供を 全世界に広げた愚挙も影響しているかも知れない。こうした方針は 結局は我国の防衛安保技術の研鑽や向上を挫き、北鮮による複数の日本人拉致事件や 旧ソ連邦軍用機の領空侵犯を伴なう北海道・函館飛来などを許す事となったのではなかったか。
流石の日本学術会議も、最近に至って 防衛安保技術分野の研究も一部容認する様になったやに聞くが、それでも他の諸国にはまだ遅れを取るレベルだろう。そうした所を見渡しても、防衛装備庁内の新研究機関設置は妥当といえるものだろう。願わくば これまでありがちだった省庁や部門間の縦割り弊害を排し、関与する民間企業や団体とも意思疎通を密にして、我国の行政組織が特に苦手とする「横の連携を尊重し、行き過ぎた縦割りからの脱却を図る」ことも、民生との技術両用化を進める上での留意点だろう。こうした研究への過分な忌避感は、もういい加減に払拭されるべき。岸田政権は この方面への対応も蛮勇を振るうべきだが、果たして強く立ち向かえるか まずは見守りたく思う。今回画像はこの初夏、三重県下の JR関西線で目撃の JR西日本在来線用試験列車の様子を。