先日、中華人民共和国の通貨「人民元」の対米ドル為替レート切り上げが発表されました。従来長らく固定されていたものが、日米を初め諸先進国よりの為替改革の求めを受け、同国財務当局が変更に踏み切った形で、当面人民元は米ドルに対する価値が約2%上昇する事となります。
同国当局は「為替変動の大きな変化は避ける」との意向を強く持っていると言われ、以後は当面約0.3%の範囲内で為替幅が変動して行く事となりそうです。現在の日本円の為替レートで換算すると、1元=\13台前半より\13台後半へ、約30銭の上昇となるでしょうか。
さて今の中国は「世界の工場」と言われる程世界各先進国の生産拠点が進出しているのはもうご存知かと思います。従来は同国の労務コストが極めて安価だった為、工場などの拠点を大規模に展開し、製品を安く作る手法は多くの日本企業も手がけて参りました。ただ為替が切りあがる事は同国での生産コストの上昇を意味します。将来に亘っては更なる再切り上げが予想され、それが現実となれば同国に進出していた企業は生産拠点の展開見直し、アジア他国への分散検討をも迫られる事になるでしょう。
今回の為替変更の背景には、同国のエネルギー調達コストの増大も関係していると言われます。つまり為替が安ければ輸出には有利ですが、輸入コストは高くつきます。
ご存知の様に、主に生活水準の向上に伴う自家用車普及に伴って同国の石油需要は急速に増大、国内の油田よりの石油生産だけでは間に合わず、事実上の石油輸入国となっています。それが世界の原油相場を押し上げ、我国の石油製品の価格上昇にも影を落としている訳です。
中国通貨切り上げは、我国の対中輸出にも追い風にはなりますが、例えば鉄鋼の品薄にも見られる様に、我国内の素材不足にも繋がりかねないだけに単純には喜べず、今後そうした面を含めて動向を注意深く見守る必要がありそうです。*(地球)*
同国当局は「為替変動の大きな変化は避ける」との意向を強く持っていると言われ、以後は当面約0.3%の範囲内で為替幅が変動して行く事となりそうです。現在の日本円の為替レートで換算すると、1元=\13台前半より\13台後半へ、約30銭の上昇となるでしょうか。
さて今の中国は「世界の工場」と言われる程世界各先進国の生産拠点が進出しているのはもうご存知かと思います。従来は同国の労務コストが極めて安価だった為、工場などの拠点を大規模に展開し、製品を安く作る手法は多くの日本企業も手がけて参りました。ただ為替が切りあがる事は同国での生産コストの上昇を意味します。将来に亘っては更なる再切り上げが予想され、それが現実となれば同国に進出していた企業は生産拠点の展開見直し、アジア他国への分散検討をも迫られる事になるでしょう。
今回の為替変更の背景には、同国のエネルギー調達コストの増大も関係していると言われます。つまり為替が安ければ輸出には有利ですが、輸入コストは高くつきます。
ご存知の様に、主に生活水準の向上に伴う自家用車普及に伴って同国の石油需要は急速に増大、国内の油田よりの石油生産だけでは間に合わず、事実上の石油輸入国となっています。それが世界の原油相場を押し上げ、我国の石油製品の価格上昇にも影を落としている訳です。
中国通貨切り上げは、我国の対中輸出にも追い風にはなりますが、例えば鉄鋼の品薄にも見られる様に、我国内の素材不足にも繋がりかねないだけに単純には喜べず、今後そうした面を含めて動向を注意深く見守る必要がありそうです。*(地球)*