今朝の新聞で、木曽町で「昭和ノスタルジー」とかいうイベントで、木曽踊り(いわゆる木曽節)と須原ばねそが踊られるという記事を発見。今日は午後休めたので、コレは行こう!と、いつもながらの無計画さで、仕事をさっさと片付け(ホントか!?)、木曽路へ向かう。
午後3:30くらいに松本を出る。平日の日中の松本市街地を珍しく運転する。特に国道19号線は混雑する。同僚に聞いた抜け道=渚から奈良井川沿いの道を南下してみた。そして塩尻まで向かう。
塩尻までくると、国道へ出てもスイスイ。途中、
贄川の大トチを見て、更に木曽路を下る。
ご機嫌で運転していると、木曽町に入ったあたりから混雑しはじめ、渋滞になった。んん?何だろう?木曽福島はもう少し…というところで、大渋滞。あとで分かったのだが、事故で大型車が道路をふさいだらしい。木曽は迂回路があまりないので、困ったな…と思っていたら、途中前の車がある交差点を右折していくので、自分も動物的カンで、行ってみた。結果的に木曽川をわたり、木曽福島市街地にむかうことができた!
さて、それでも30分くらいロスしてしまった…。温泉に入れるかな?と、木曽福島から開田へ向かう途中にある「二本木の湯」へ向かう。ココは茶褐色の独特な湯だった記憶がある。
しかし!木曜休みだ。
んん~もっと奥の開田には、やまゆり荘といういい温泉があるのは知っていたが、時間も時間なので、あきらめ、イベント会場の木曽福島、旧庁舎前に向かった。
早く着いたので、イベント会場を歩いてみた。「昭和ノスタルジー」ということで、昔の写真や駄菓子屋、射的など昭和を彷彿とさせる建物や店が並んでいた。また木曽名物コーナーなどもあった。
案内所みたいなところで、今日の踊りの日程を聞いたら「アンケートを書いてくださったら、プレゼントを差し上げます」とのこと、早速書いて、「木曽踊りうちわ」「木曽踊り手ぬぐい」「ひのきチップ」をもらった。けっこううれしいもの。
さて夕食も適当にすませると7:00p.m.。まず「上ノ段」という趣のある通りで「木曽踊り」があるのだそうだが、歩くのが嫌だったので(笑)、旧庁舎前で待っていた。7:30p.m.をまわったころ、木曽踊り保存会の方々がおりてきた。そしてはじまった。
まず
木曽節。実は以前踊りにきたことがあった。しかし、そのときは無伴奏のナマ唄だけだったが、今回は三味線伴奏と太鼓が入っていた。そして賑々しく始まった。この踊りは、それほど複雑ではないのだが、キレイな振りだ。御嶽山の山裾などをあらわすような動きだとか。優雅な感じ。
さて、その後、わたくしが見たかった「須原ばねそ」だ。これは木曽福島よりも更に南下した大桑村須原に伝わる民謡だ。「ヨイコレ」「須原甚句」「竹の切株」の3曲の総称。わたくしもメロディは知っていたが、踊りを見るのは初めてだ。
まず「ヨイコレ」。これは民謡歌手もレコーディングしたり、放送で流したりしている。わたくしが聴いたことがあるのは小杉真貴子、藤みち子、黒田和子、浜田喜一(2代目)等。
♪ハァーヨイコレ 須原ばねそは お十六ばねそ(ホイ)
足で九つ 手で七つ
ハァー手で七つ 足で九つ 手で七つ
保存会の方の唄のリズムは独特で、マネしづらいリズム感だ。そして、踊りを見ると、結構難しそう。手の動きもおもしろく、行進するように動くところもあり、なかなか大変そう!
続いて「甚句」。これは「ナオサ」というリフレインが入るもので、にぎやかな曲だ。これまた、踊りは難しそうで、足を蹴る感じが面白い。
♪百姓やめても 木こりはやめぬ
合わせメンパの ナオサ味の良さ (ナオサ味のよさ)
そして「竹の切株」。これは大好きなメロディ。とてもいい曲だと思う。
♪ハァー竹の切株 たまりし水は
澄まず濁らず 澄まず濁らず 出ず入らずコラショイ
(ハァー出ず入らず 澄まず濁らず 澄まず濁らず 出ず入らずコラショイ)
この曲は伊那の「ソレコイ」という盆踊り唄に似ている。また
安曇節にも似ている。どこが似ているかというと「澄まず濁らず 澄まず濁らず」という下の句の繰り返しや、メロディラインのリズムパターンが同じところがある。
そして踊り。見てみないと分からないものだ。ほとんど「木曽節」と同じだ。ちがうのは「木曽節」で足を揃えるところを蹴るような振りが特徴かな。すると「木曽節」の踊りも、それほど新しいものでもないなと思った。
全体、「須原ばねそ」の方が古さを感じる振りだった。蹴ったり、手を振って行進するような感じだったりするので、岐阜の拝殿踊りで見られる感じに似ているかも?と思った。
その後は、再び「木曽節」。保存会の方が踊りを講習してくれて、観光客も踊れるコーナーだ。
その間に、わたくし、「須原ばねそ」の保存会の人にお話を聞いてみた。地元では「盆踊り」で踊っているとのこと。そしてナマ唄だけではなく、テープも流すとのこと。「それ売ってるんですか?」と聞くと、今はないみたいだが、昔のレコードを録ったものだという。そして驚いたのが「唄は、二代目浜田喜一だよ」とのこと。
へ~
ビックリ。わたくしも、二代目さんのは「ヨイコレ」のCDは持っていたのだ。「3曲入ってるのですか?」と聞くと、「須原ばねそ」3曲と「ドンヅキ唄(土搗唄」の4つが入っていたという。もう手には入らないのだろうな…。
そして、再び。「須原ばねそ」のアンコールがかかり、ふたたび「ばねそ」踊り。なかなか難しい。そして最後は「木曽甚句」で終わる。
♪木曽のナー深山に 切る木はあれど
思い切る気は 更にない
これまたいいメロディだ。やはり保存会の方の踊りながらのナマ唄だった。
踊りは、足を6回出す、しかも右足を2回踏み出すところがあって、これまた難しい!
こうして「木曽節」と「須原ばねそ」「木曽甚句」を堪能し、帰途につく。
さて、渋滞はしてないな!と確認して、再び国道19号線へ。スイスイと運転。ところが!今度は木祖村でまた事故。またまた渋滞だ。
しかし…ここであせったのはガソリン。木曽福島出たあたりでエンプティランプがつきはじめた。大体、木曽路で9:00p.m.まわってると、やってるスタンドなんかない!そして渋滞。トンネル内で20分くらい動かなくて「これヤバイな…」と、あせりだした。まず、CD止めて、エアコン消して、ライトはスモールにして…と、無駄な抵抗かもしれないが、ドキドキしながら、渋滞にすっかりはまった。とにかく木曽は迂回路がないし、前後は大型ばかり。まして夜なので動物的カンも働かない。ようやく事故現場を通過。大破した車が運ばれていくところを横目に見ながら、ようやく渋滞を脱出!
しかし、時間は10:40p.m.をまわっている。まだ木祖村だ。スタンドは…塩尻市まで行かないとないかも?でも11:00p.m.過ぎまでやってるかな?などとドキドキで運転。これほど国道19号線が遠ーい!と思ったことはなかった。
塩尻市に入った。贄川~…ない!日出塩~…ない!ああ…本山~!
あった~!
ようやく1軒開いていた!あのスタンドのあかりが、これほどありがたいと感じたことはなかった(笑)。
ようやく満タンにして、夜の国道19号線を、松本へ向けてスイスイと向かった。