「猫に小判」という、ことわざがある。
「猫に鰹節」という、ことわざもある(と思う)。
小判は実生活には登場しないが、鰹節は登場するし目にする機会も多い。
いや、多かった、と言い換える必要がある。
今は削ったのはしょっちゅう見るが、削ってないカタマリのほうは滅多にお目にかかれない。
今の子供は鰹節のカタマリを見ても、それが何であるか理解できないのではないか。
人間が理解できないくらいだから、猫も理解できない。
昔の猫は「猫に鰹節」だったかもしれないが、今は「猫にキャットフード」。
朝から晩まで、年がら年中キャットフード。
大昔の猫のご飯はネズミだった。
と今の人に言うと「まさか」と一笑に付される。
かつての日本はコメと麦、粟や稗を主食にしていた。
穀物はネズミの大好物である。
大切な穀物を狙うネズミは大敵である。
その大敵は猫の大好物でもあった。
人間の大敵を、猫が退治してくれる時代があったのだ。
今の猫は毎日何をして暮らしているのか。
何もしないで暮らしている。
今の猫は「無職」である。
昔の猫は堂々と「ネズミ捕獲業」であったのに。
正月休みの一週間なんて、アッという間である。
結局何もしなかったジジなのでした。