はなこのアンテナ@無知の知

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2009年12月19日 | 日々のよしなしごと
 今年の9月からKDDIのひかりONEサービスの利用を始めて以来、地上波のテレビ番組より、光ファイバーケーブルで配信される番組を見る機会が増えている。特に米国製テレビドラマを見ると、その重層的なプロットに引き込まれて、日本のものが貧相でつまらないものに見えてしまう。日本のサスペンスドラマなんて、大抵冒頭で犯人はわかってしまうし、ストーリーも想像がついてしまうからね(サスペンス性を重視するか、事件を巡る人間ドラマを重視するかの、ドラマとして目指している方向性の違いなのかもしれないが…)。

 「アメリカン・アイドル」と言う新人発掘オーディション番組の評判は以前から聞きつけていたが、そのダンス版の「アメリカン・ダンス・アイドル」が先週から毎夕放映されているのを殆ど欠かさず見ている。これがとても面白い。息子と殆ど同世代の若者が、全米人気ナンバー1ダンサーを目指して、約3カ月に渡って自らの専門外のジャンルのダンスにも果敢に挑戦し続ける趣向だ。

 全米各地でのオーディションで、4000人以上の応募者の中から、トップ20に選出された男女各10人がクジ引きでペアを組み、ダンスバトルを繰り広げるのだ。毎回の課題ジャンルもクジ引きで決まる。全くの経験がなくても、わずか5時間半の指導、2日間の練習でモノにしなければならない。しかもただ振り付けを覚えるだけではダメで、振り付け師が考えたストーリーの主人公になりきって演技し、かつ自分の個性も表現しなければならない。審査員が次代を担うダンサー達に求めるレベルはかなり高い。

 踊り終わってほっとする間もなくダンサー達は、手厳しくも的確な審査員の講評を受けることになる。実はこの講評の時間が、個性豊かな審査員の発言で、会場も大盛り上がりなのだ。英国人らしいウィットに富んだ表現のナイジェルと、陽気なアメリカ人らしい豊かな感情表現(この人、時々絶叫するのだ・笑)が特徴のメアリー。この2人は常任らしく、3人目の審査員は週替わりで顔ぶれが違う。高名な振り付け師だったり、演出家だったり…。そしてMCのキャット・ディーリーの巧みな進行には感服する。彼女のダンサー達との軽妙かつ心のこもったやりとりや、毎回惜しげもなく披露してくれる脚線美も魅力的だ。先発の「アメリカン・アイドル」を下敷きに、演出もよく練られ、洗練された番組だと思う。

 そして毎回、全てのペアが踊り終えた後に、視聴者からの電話による人気投票が行われ、次回の番組冒頭で下位3組が発表されるのだ。残念ながら下位3組に選ばれてしまったダンサー男女6人は、敗者復活をかけて、得意のソロで勝負する。そこで男女それぞれ1人が、3人のプロの審査員によってふるい落とされる、と言う仕組みだ。これがTOP10に絞られるまで続くらしい。現時点で、20人から14人に絞られた。ペアの相手がふるい落とされたダンサーは新たな相手と組んで、次回に臨むことになる。面白いことに、これまでプロの審査員に酷評されたペアが、視聴者の人気投票で残ったこともある。

 一口にダンスと言っても、そのジャンルが幾つもあるのに素人の私は驚いた。モダンバレエ、ジャズ、タンゴ、サルサ、ディスコ、ワルツ(社交)、ブロードウエイ、コンテンポラリー、ヒップホップ、ブレイク…さらにアフリカン・ジャズなんてものもある。やはりダンサーとジャンルの相性というのもあるので、前回では絶賛されたダンサーが、一転して酷評されることも珍しくない。

 この番組の何が魅力かと言えば、一流を目指して凌ぎを削る、若きダンサ-達の直向きさである。回が進むにつれ、彼らがライバルを蹴落とすと言うより、互いに高め合う関係を築いて行っているのが見て取れる。今回もバトルに敗れ、ステージを去って行く仲間の頑張りを讃え合う姿は実に清々しかった。また、回を追うごとに、ダンスがどんどん上手くなっているのが素人目にもわかってワクワクする。そして、さまざまなバックグラウンドを持った若者が屈託なくペアを組み、力を合わせて課題に取り組む姿が、多民族&多文化国家である米国を象徴していて印象的だ。今回はカザフスタン共和国からの移民の青年もいる。彼はまさに身ひとつでアメリカン・ドリームを体現しようとしているのだ。

 まだまだバトルは続く。私がお気に入りのペアは、審査員からも高評価を得て勝ち進んでいる。トップ10に絞られた時点で審査は審査員の手から離れ、視聴者投票で決まるらしい。技術では甲乙付けがたいトップ10ダンサーの中から選ばれるナンバー1ダンサーは、視聴者を引きつける”何か”を持ったダンサーと言うことなのだろう。番組自体は米国で昨年放映されたもので、結果は既に出ているが、彼らの優れたダンス・パフォーマンスは見逃せない。

「アメリカン・ダンス・アイドル シーズン4」公式サイト



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