はなこのアンテナ@無知の知

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バス事故で気になったこと、考えたこと

2016年01月21日 | 気になったニュース
 先日の軽井沢のバス事故では15人もの死者が出て、助かった乗客の殆ども重軽傷を負う大惨事となった。過去の事故を受けて、これまで何度か法改正が行われ、規制も厳しくなり、安全対策も練られて来たと思うが、再び今回のような事故が起きてしまった(未来ある若者が多数犠牲になったのは本当に痛ましい。お子さんを失った親御さんの悲嘆は察して余りある。ウチの息子も深夜バスは何度も利用して来たので、今回の事故はけっして他人事ではない。コスパ優先で新幹線より長距離深夜バスを選びたがる息子とは、よく言い争いになったものだ)

 今回の事故で改めて露わになったのは、こうした長距離バス運行会社の綱渡り経営だ。ツアー会社からの下請けで、経営的にギリギリのところで人材確保にもきゅうきゅうとしている構図が浮かび上がっている。そこでお座なりにされたのが、本来なら最も優先されるべき運行の安全性だったのだろう。 

 既にニュースでも触れられているのだろうが、バス事故が増えている原因のひとつに運転手の高齢化があると思う。運転中に体調不良に陥るケースが増えているのではないか?また今回亡くなった運転手のように、リタイヤ後の人生が長くなり、老後の生活の糧に運転手になる人もいて、高齢の運転手であっても、必ずしもベテランとは限らないようでもある。


 運転手の高齢化と言う点では、私が普段利用するバス会社も運転手は見たところ50代のベテランが多く、ここ何年も運転手の求人広告が車内に貼られたままだが、若い人の新規参入は殆ど見たことがない。寧ろ最近は、30~40代の女性運転手が増えているくらいだ。

 イマドキの若い男の子は(特に公共交通機関の発達した都会では)、そもそも昔のように自動車への憧れもないし、バスの運転手に仕事としての魅力を感じないのだろうか?とは言え、仕事は生活の糧を得る手段でもある。

 最近は若者の非正規雇用による低収入が問題になっている。それが非婚化、ひいては少子化の一因になっているとされる。バスの運転手の収入は他業種に比べてそんなに悪くないし、私が利用しているバス会社の場合、正規雇用である。それなのに、人が集まらないのはどうしてか?目の前に人参がぶら下がっているのに、なぜ食いつこうとしないのか?(大人になっても親の収入を当てにして、いつまでも夢を追いかけたり<本来、夢を追いかけるなら、それなりの努力と覚悟が必要>、「自分探し」と称して自立を先送りしたり、仕事を選り好みしている若者が多いのだろうか?それとも現代の格差社会では、バスの運転手を務められるような<教育レベルの>中間層が薄くなっているのか?)

 言うまでもなく、社会はさまざまな職業で成り立っている。それぞれの職業に、個々の能力や適性に応じて、満遍なく働き手が揃わないと、社会はうまく機能しなくなってしまう。バス業界に若い世代を誘い込むにはどうしたら良いのだろう?

 政府は一億総活躍社会を謳っているから、バスの運転手の世界にも、女性の進出が今後増えるのだろうか?すでに海外では、女性のバスの運転手の比率は高いようだし、同じ大型免許でも女性のトラック運転手は、日本でも増えているようである。

 中流以下の専業主婦は高度経済成長が生み出した副産物で、それ以前は女性も有産階級でない限り男性と同等に働くことが当たり前だったとは言え、男性より女性の方が労働力として当てになる現代社会って…大家族同居の昔と違い核家族化が進んでいる今、子供を産み育てながら働ける環境を社会全体で真剣に整備しないと、ますます少子化が進行してしまいそうだ。 
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