マイ・ベストフレンド~親友と聞いて、真っ先に思い浮かぶのは、郷里にいるKちゃんの姿だ。
彼女とは中学校で1度クラスが一緒になったきりで、高校もそれぞれ違う学校へと進んだのだが、なぜかウマが合う上に家が近所だったこともあってずっと仲が良く、20代で私が上京後遠く離れても、私の人生の節目では常に私の傍にいてくれた人だ。彼女との付き合いはかれこれ40年近いが、彼女以上に長い付き合いの友人達がいる中でも、特に深い絆を感じる存在である。
今では年に一度会えるか会えないかであっても、会えば、ずっと一緒に過ごして来たような、それまでの時間や距離の隔たりを一切感じさせない感覚で話せる相手である。
変人気質の私のことだから、ここまで長く変わりない関係が続いているのは彼女の大らかさ、懐の深さに助けられている部分が大きいのかもしれない。彼女は人の為に自己犠牲を厭わない、芯から心優しい女性なのだ。
映画のヒロイン、ミリーとジェスは、米国人のジェスが転校先のロンドンの小学校の教室でミリーと出会って以来の親友同士だ。ふたりは常に互いの人生に寄り添い、数々の思い出を共有して来た。
ふたりがそれぞれキット、ジェイゴと結婚し、ミリーが2人の子を育てながら職業人としてキャリアを積む一方で、ジェスはなかなか子どもに恵まれず、夫とふたりボートハウスで暮らしながら不妊治療を続けると言う境遇の違いが出て来ても、ふたりの絆に変化はなかった。
しかし、すべてが順風満帆と見えたミリーの人生に、思いがけない病が襲いかかる。そして、ジェスは待望の妊娠。病に苦しむミリーに、ジェスは自分の妊娠のことをなかなか言い出せない。
つづく…