はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

経済以外でも、この国の行く末を憂う

2008年10月18日 | 日々のよしなしごと
昨日、日銀に向かう電車の中で、私の側に背骨が湾曲した年配女性が立っていました。もう80歳は超えているのではないかと思える高齢者です。10時近くだったので、通勤時間帯は地獄のようなスシ詰め状態のこの電車も、それほどの混雑ではありませんでしたが、立っている人は結構いました。

しかし、その年配女性の目の前には20代と思しき若い女性が座っています。寝ていましたが、よほど起こして席を替わって貰えないかと思いました。だって、年配女性は電車が揺れる度に、丸くなった背中を益々丸くして、両手で手すりに捕まり、必死に踏ん張っているんですよ。肩で息をして、時々よろめいて、いかにも苦しそうなのです。きちんとした身なりの方で、やむにやまれぬ事情で、この時間帯に利用しているんだろうなと想像できる。私は心配になって「おばちゃん、大丈夫ですか?」と声をかけ、二の腕を支えてしまいました。するとすがるような目つきで「揺れるので、立っているの大変なんです」と、その方は言われました。そうこうしているうちに電車が駅に着き、年配女性の目の前の若い女性が、「オイオイ、寝たフリだったのかよっ」と思えるような勢いでスクッと立ち上がり、電車を降りて行ったのです。

それより先に空いた席に、年配女性は腰掛けることができたのですが、このものの10分の間に、私は、この国はどうして、このような思いやりのない国になってしまったのだろう、と情けないやら、悲しいやらで、胸が締め付けられるようでした。

海外で公共交通機関を利用すると、お年寄りや赤ちゃん連れ、幼児連れの母親には、誰もがすぐに席を譲る光景を数多く見かけました。私自身譲って貰いました。国内でも関西圏では、お年寄りに席を譲る若者の姿をよく見かけます。しかし、関東は酷い。関東は日本有数の人口密集地とは言え、年配者や子供連れ、妊婦には冷たい社会ですね。一部ベビーカー利用者のマナーの悪さも気にはなりますが、それ以上に社会的弱者への思いやりに欠けるのが気になります。やはり人口密度が過飽和な為に、心理的圧迫感が人々の心を殺伐とさせてしまうのでしょうか?

このままではマズイですよ。私たち親世代が問題意識を持って我が子をひとりの人間としてきちんと教育しないと、年を取った時には何の躊躇もなく我が子に、姥捨て山に追いやられますよ。お年寄りや子供連れや妊婦や障害者と言った人への思いやりと言うのは、学校の道徳教育以前に、家庭で親が教え諭すべき、人間としての基本的な心構えです。それが、核家族化が進んだ都会では(まだ祖父母との同居や大家族なら、普段の生活の中で学ぶことができるでしょう)、特に意識的に親が躾けないとどうしようもありません。本当に考えさせられる問題です。
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