このところ、法事等で九州に帰省していたので、ブログはすっかりご無沙汰でした。
九州から帰京したら、近隣の鶴見で女子大生が元交際相手に自宅マンションの駐車場で惨殺されたとの報道があり、驚きました。
あの辺りは閑静な住宅街であり、近くにお気に入りの県立公園もあって、特に子どもが小さかった頃は、園内の遊歩道を家族でよく散策したものでした。
昨日の事件発生直後から、各テレビ局はこの事件の報道で持ちきりでした。夕方のニュースの時間帯はどのチャンネルを見ても、この事件の発生を伝えていました。
そして深夜のニュースショーや今朝のワイドショーでも。
事件発生直後の第一報と違うのは、被害者の友人等へのインタビュー映像や生前の被害者のSNS画像で、被害者の人となりが殊更クローズアップされたこと。
それらの情報は必ずしも被害者への同情を誘うものばかりではなく、見る者に被害者に対するネガティヴな印象を与えるものもありました。
なんだかね。今回に限らず、事件報道の在り方にはしばしば疑問を感じてしまう。
どうして、ここまで被害者の個人情報が公(おおやけ)に晒されなければならないのか?
被害者やそのご遺族の傷口に、わざわざ塩を塗り込むような行為ですよね。遺族の悲嘆をさらに深くし、追い込むような行為。
仮に被害者に何らかの落ち度があったとしても、それは殺されるほどのことなのか?死に値することなのか?
そんなことないですよね。
加害者には、「人の命を何だと思っているんだ!」と言う怒りと嫌悪感しかない。
マスコミ報道も高視聴率を狙うあまり、何の考慮も思慮も配慮もなしに被害者の尊厳を傷つけるような方向に走るのは、厳に慎んでいただきたい。
また、マスコミ報道に煽られて、一般人が「匿名」を隠れ蓑に、SNSで被害者やご遺族に対して心無い書き込みをすることも同罪だと思います。
自分の良心に照らして、自分のやっていることは果たして正しいことなのか、今一度省みる必要があるのでは?…と言うのは自分の行いの全てに言えることではありますが…
被害者女性はまだ18歳と言う若さ。この4月に大学に入学したばかりではありませんか…親御さんやご親族の悲しみはいかばかりか…
人が人として在り続けるには、「他者の痛み」への「想像力」や「共感力」が必須だと考えます。自戒を込めて。
最後に被害者のご冥福をお祈りすると共に、ご遺族の方々に心よりお悔やみを申し上げます。
近年の事件報道の問題点って、報道する側が節度を保って淡々と事実を伝えると言うより、被害者の人権を無視してまで扇動的に伝えようとする姿勢にあると思うんですよね。それがネットニュースの一般化によって、より先鋭化してしまった。
その受け皿になっているのが、ヌマンタさんも指摘するところの人の不幸を面白がる卑俗な読者の存在。
これは日本の政治家が三流なのは有権者が三流、にも通ずる話で…
しかし、事件や事故が他人事だと思っているのが彼らの浅薄さで、自分の身に置き換えて想像する力もないのが何とも残念ですね。
昨日の深夜ニュースショーでは被害者のご両親の悲痛な訴えの後に
訂正 ✖️浅薄さ→○浅はかさ
ご両親の悲痛な訴えの直後に、懲りもせず被害者の知人が提供した写真を映し出す…つくづくテレビ局って学習能力がないんですね。
こうした情報と距離を置くには、興味本位な報道姿勢の番組や記事は見ない、読まないことですね。
それから最近頭をよぎるのは、「寄って集って」と言う言葉ですね。集団ヒステリー的な個人攻撃の凄まじさに慄いています。