公式サイトより。残念ながら開催は明日28日(火)まで。
先日、美術館ボランティアの会合の帰りに、他のメンバーから招待券をいただいたので、行って来ました。閉会も迫っているので(明日)、貰った当日に思い切って行って正解でした。
私は、画家パウル・クレーのことをあまり知らないので、正直言って、あまり語れません。備忘録として、展覧会を見て、私なりに何を感じたかを書き留めておきます。
公式サイトの解説によれば、パウル・クレー(1879-1940)は「線を引くこと」を出発点に、画家として歩み始めたらしい。
公式サイトの解説によれば、パウル・クレー(1879-1940)は「線を引くこと」を出発点に、画家として歩み始めたらしい。
なるほど、初期の作品は一筆描きを思わせるような単純な線描であったりする。それが、旅や芸術家との出逢いを重ねるにつれ変化して行く様が、この展覧会では展示作品の多様性によって、よく判るような構成になっている。
会場の大丸ミュージアム自体、デパート内に設置された小規模なギャラリーなので、展示作品も数量的にそれほど多くはなく、それが却って幸いして、限られた時間内に一点一点をじっくり見ることができたように思う。
《ピラミッド》(1930)
私が特に気に入ったのは写真の《ピラミッド》。クレーが51歳の時の作品だから、比較的晩年のものと言える。
《ピラミッド》(1930)
私が特に気に入ったのは写真の《ピラミッド》。クレーが51歳の時の作品だから、比較的晩年のものと言える。
直線的な線描の重なり具合と、淡い色彩のグラデーションが素敵だなと目に留まった。暖色系のピラミッドの色面に対し寒色系の背景は空を表現しているのだろうか?
かつて実際にピラミッドを見た時のことを思い出した。古代遺跡ながら、精巧な四角錐であるピラミッドの幾何学的な面白さとピラミッドと背景の空の色のコントラストをクレー流に処理するとこうなるのか、と言った驚きをもって見た。
画家の目を通して見た既知の風景は、懐かしさと新たな魅力の発見をもたらしくてくれるのだなあ。
大学の「デザイン」の授業で、まず単純な線を無作為に重ね描き、次に、その線描に色彩を乗せる、言った手順の作業を行ったことがある。これには無機質な線描が、着彩によって違ったイメージを生み出す面白さがあった。
そんなことを思い出したのは、クレーのこの作品に絵画というより、意匠性を見出したからだ。70年以上も前の作品ながらけっして古びれておらず、現代性を持った作品。
現代はデザインの時代などとも言われているが、クレーはそんな現代の先駆者だったのかな、と思ったりする。
それにしても清潔感のある作品群だなあ。それが彼の作品を嫌いだと言う人があまりいない理由のひとつなのか?一点の曇りも汚れもないドイツやスイスの窓を連想するのは私だけだろうか?
それにしても清潔感のある作品群だなあ。それが彼の作品を嫌いだと言う人があまりいない理由のひとつなのか?一点の曇りも汚れもないドイツやスイスの窓を連想するのは私だけだろうか?