このところ自宅でBGMに、青春ミュージカル映画『RENT』のサントラ盤を聴いています。
『RENT』は、映画『ホーム・アローン』(←この映画、好きなんです。実際にはありえない設定だと思うけれど、普段みそっかす扱いされている男の子が、おマヌケな泥棒たちを身近にある物を使って手玉に取ってしまうストーリーが痛快!)やハリポタの演出で知られるクリス・コロンバス監督作品で、トニー賞受賞の傑作舞台ミュージカルの映画化作品です。映画化にあたっては、主要男性キャストは、オリジナル舞台版のキャストが参加。既に30代半ばと思われる彼らが、20代の若者を熱演しています。正直なところ、もっと早く映画化されていたらなあ…と残念。
公開当時は、「既にエイズ対策が新たな段階を迎えている時期(つまり米国においてエイズは”=死”で語られる病ではなくなっている)に、なぜ今更映画化か?」などと言われ、あまり映画評論家らによる評価が芳しくなかった本作ですが、私の知る限り、日本の観客の評価はなかなかのもので、プログラムは一時売り切れるほどでした。サントラ盤も結構売れたんじゃないかな?私も、エイズ禍に翻弄され悩み苦しみながらも、夢に向かって生きようとする若者達の青春群像劇に感動しました。レビューにも書いているように、彼らがエイズになった経緯には納得が行かない部分がありますが、ミュージカルとしての楽曲の素晴らしさ、特にハーモニーが秀逸で、何度聴いても飽きない多彩な名曲揃いである点と、登場人物の造型に優れている点で、一見の価値がある作品だと思っています。
このミュージカルの作者は、舞台初日の前日に、自身もエイズでこの世を去っています。『RENT』で描かれている物語は、作者自身の物語でもあったのですね。作品の背景にあるこうしたドラマにも、心を動かされずにはいられません。
◆映画『RENT』データ(allcinema onlineより)