はなこのアンテナ@無知の知

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今のところ日本公開未定の韓国映画『韓半島』

2006年08月14日 | 気になったニュース


なんでも韓国で大ヒット中の映画だそうだ。
現時点で韓国国民の14人にひとりが見たらしい。

朝鮮半島を南北に縦断する鉄道の開通に、
なぜか日本がいちゃもんをつけ、両国の歴史問題も絡んで、
日本の自衛隊と韓国軍隊が日本海で対峙する事態にまで発展、
あわや日韓軍事衝突か…という筋書きの
総制作費12億円をかけた近未来アクション巨編らしい。

私は韓国のアクション映画のスピード感溢れる展開、
スケール感などが好きなんだけど、
フィクションとは言え、これはちょっとやり過ぎだなと感じた。
なんでここまで隣国を敵視するのか理解できない。
日本ではあり得ない作品(強いて言えば『亡国のイージス』
は同じ半島の某国を敵国として描き、韓国人女優が
工作員役を演じて、韓国では物議を醸しましたけど)

配給会社は、新聞一面ぶち抜きで
「朝鮮半島すべての人々がこれでスッキリ」
なんて広告まで出したらしい。
反(嫌)日?映画は、鬱憤晴らしの道具なのか?何だかなあ…
演出を手掛けたのは、韓国のスピルバーグと賞賛される
著名な監督だそうだ。
自衛隊の幹部役で、日本ではヤクザもののビデオ映画では
カリスマと呼ばれているらしいムサシ・ケン?とか言う
日本人俳優も出演。この人出演して違和感はなかったのだろうか?

昨晩のテレビでは、「小泉首相靖国神社参拝の思わぬ余波」
的扱いで報道していたけど(実際、映画の冒頭で、紋付き羽織
袴姿の小泉首相の靖国神社参拝の映像も流れるのだ)
 、
見ていて正直気分は良くなかった
(それが取り上げた日テレの狙いだったのかな?ウソ(^_^)ハハハ…
でもこうした素材を日本のテレビ局が韓国で取材し、
日本で報道できるだけ、まだ両国関係は健全なのかな?
スタジオ・ゲストの感想は、
「韓国まだこんなことやってんの?」
「韓国好きだけど、残念ながらこんな一面もあるのね」ですた)

映画を見終わった後にインタビューに答えていた家族連れの父親は
「まだ判断力のない子供に誤った認識を与えかねない」と
映画の過激な内容を危惧。
そういう見方をしてくれる人が大半だったら良いのだけど…
特にこれからの韓国を担う若者達が
映画の内容をそのまま真に受けて、
日本に対してネガティブなイメージを抱いたりしたら、
たまったもんじゃない、というか、
これで両国に利することは何一つないじゃない?と思う。

さらに番組はソウルで街頭インタビューを行い、
日本が好きか嫌いか道行く人に聞いていたけど、
好き47対嫌い53だったかな? (うろ覚え(^_^;))
番組では過半数が嫌いと答えたことに言及していたけど、
選択肢に「どちらとも言えない」があるべきだろうし、
この結果を嫌日が多いと見るか、少ないと見るかは
ビミョーなところではないですか?
(ちなみに私は嫌韓派ではありません。
好きか嫌いかと問われたら「どちらとも言えない」派です。)


考えようによっては『冬ソナ』ブームにおける一部日本人の
韓国への熱狂的な想いを除けば、
大方の日本人の韓国への思いはもっと冷静というか、
韓国人が日本を思うほどの熱さはないというか…
その意味では、韓国の”片思い”と言えるのかな?
(ひとつには両国民の近現代史認識の差から来るのでしょう。
また一口に近現代史と言っても、それぞれの視点、立場から
近現代史観は微妙に異なるものだと思う。
やった方はやられた方の痛みに鈍感な傾向がある。
イジメ問題しかり、米国の原爆投下しかり…)


ちなみにこの映画『韓半島』の日本公開の予定は
残念ながら今のところナイそうです。
いっそのこと公開したら良いのにと思うのだけど…
(今回は結局テレビ局のフィルターを通してしか
この作品に接していないわけだし、
自分自身の目で見て初めて本当の感想は言えると思う)

この作品をどう受け止めるかで、
まず日本人の度量が試されるだろうし、
それに何と言っても映画は、
それが作られた時代や作り手の姿を
図らずも映し出す鏡ですから。
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