はなこのアンテナ@無知の知

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人類は自分を買いかぶり過ぎ…

2017年08月03日 | はなこのMEMO
 今や天気も、気象衛星だけでなくスパコンを駆使しての予報体制となっている。

 数値的には昔より的中率は上がったとされるが、気象予報士ら送り手が飛躍的に増えた情報を細かく伝えようとするあまり、受け手である視聴者には却って「当たらない」と言う印象の方が強まったように思う。

 台風情報も事細かにCGを駆使して説明してくれるのだが、結局、確定的な進路は言明できない。

 その理由は明快だ。自然が相手だから。

 そもそも人類は自然と言う総体の一部に過ぎない。しかも数多ある種のひとつに過ぎない人類が、たまたま進化の過程で言語を獲得し、他の種より比較的高度で複雑な社会を形成して、地球全土にまたがる文明を築いたからと言って、自然の全体を把握しようとか、ましてや自然を自分達でコントロールしようとか、本来なら不遜以外の何ものでもないと思う。

 懲りもせず「バベルの塔」を築こうとしては失敗を繰り返して来たのが、人類の歴史なんだろう。

 言うまでもなく、人類は完全無欠ではない。

 その不完全な人類が創り出したシステムもまた完全ではありえず、常に何らかの欠点を抱えているものだろう。

 例えば政治の世界では錦の御旗のように「民主主義」を連呼するけれど、不完全な人類が考え出したのだから民主主義も完璧ではない。そもそも「民主主義」が生まれた古代ギリシャの民主主義は、それとは無縁の奴隷達の犠牲のもとに成立していた。

 本を読んだところでは、民主主義の概念や在り方や、さらにはその評価までも、時代によって変わって来たようだが、例えば民主主義国家の牙城を標榜する米国も、結局、豊かさと自由を求めてなだれ込む不法移民の犠牲のもとに、その繁栄は支えられている(もちろん、米国に集った世界中の才能が技術革新を産みだし、米国に富をもたらしている側面もある。だから、トランプ氏の閉鎖的な移民政策は、米国を弱体化させるだろう)

 その「民主主義」の概念すら存在しない国家に対して、日米韓が苦慮している。"一般的な"正論が通じないのだから、暖簾に腕押し、糠に釘状態である。さらに周辺の国々も様々な利害関係が絡んで一枚岩とは言い難い。中露に対しては、トランプ氏の皮肉も恫喝も通じない。

 ひとつの事象も立ち位置が違えば各々見え方も違って来る。利害が一致しなければ一枚岩にはなれない。それらを踏まえて柔軟な思考に基づく対応が求められる局面だけれど、果たしてトランプ氏にそれが出来るのだろうか?

 ホント、人類は自分を買いかぶり過ぎなんだよな。

 長所は短所にもなり得るし、正義より不正義が罷り通ることもある。
 損して得をすることがあるかと思えば、努力が必ず報われるとは限らない。
 価値観は出身地、居住地、人種、信仰、階級、学歴、職業等の属性に左右される。

 だからと言って、何もせずにただ手をこまねいてもいられないんだよな。
 自分の器量に照らして、前に進むか、後ろに退くか、その場に留まるか、常に判断しなければならない。

 どんな立場の者であれ、それは同じだと思う。

 そして、いつかは誰もが死んで行く。
 どんなに偉かろうが、どんなに愚かであろうが、どんなに富んでいようが、どんなに貧しかろうが、どんなに美しかろうが、どんなに醜かろうが、死んで行く。

 その理は明快だ。人類は自然の一部であり、すべての命には限りがあるから。
 
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