はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

非婚化、少子化は政治の問題でもある

2017年06月05日 | 家族のことつれづれ
 北関東に住んでいる息子が、東京の都心で行われる会社の同期(入社した同僚)の結婚式の為、一時帰宅していました。

 折しも大学卒業後、単身オーストラリアに渡り、現地の日本料理店でシェフをしている中高時代の友人が一時帰国しており、息子は式の前日に、その友人と上野で落ち合って酒を酌み交わしたようです。

 この友人、早稲田大学の教育学部を出て、なぜか異国でシェフになったらしいのです。人によって進路もさまざまですね。しがらみや常識に囚われない生き方を敢えて選択する潔さが凄いなと思う。イマドキ珍しい6人兄弟の、年の離れた末っ子と言う気楽さもあるのかもしれないけれど。

 さて、話は息子の同期の結婚に戻りますが、息子と同期と言えば26歳前後です。息子の話では、既に半分近くが既婚者らしい。昨今の平均値よりは大分早婚だと思うのですが、どうでしょう?

 今の世の中、大企業と言えども未来永劫安泰とは言えないですが、それでも現時点で正規雇用で安定した収入を得ることができているのは、結婚への大きなインセンティブになっていると思います。

 多くの若者から未来への希望を奪ったのは、やはり小泉竹中時代に始まった非正規雇用の増加ではないでしょうか?経済のグローバル化による産業構造の変化でやむを得ない部分があったとしても、現状の非正規雇用の割合は大き過ぎます。社会正義にもとると言える。

 従来なら正規雇用で守られていたはずの従業員の生活が不安定化したことにより、結婚を躊躇う若者、結婚しても教育費用負担の心配から子どもの数を絞らざるを得ない若者も多いと思う。

 その一方で史上最高益を更新している企業もあります。

 さらに、工業生産品のコモディティ化により、従来のような収益を上げるには、より高度な技術が必要とされる分野が増えたのに、会社は社員教育にかつてほど注力しません。大企業に慮った政策ばかり施行する政府にも、その責任の一端はあると思う。

 さらに政府は高齢化社会の進展による社会保障費の増大への対応に精一杯で、教育に必要十分な予算を割く余裕を失っています。尤も、公教育の抜本的な立て直しは、政府のやる気の問題のような気もしますが…

 今の日本の年金システムは、現役世代がリタイヤ世代を支える方式になっているのに、支える側の人口は減る一方です。そして社会保障費を応分に負担する正規雇用従業員はさらに少ない。このままでは早晩、日本の社会保障制度は破たんするでしょう。

 若者の婚姻率を正規雇用と非正規雇用で比較してみれば、一目瞭然です。少子化対策には、第一に若者が結婚できる環境を整える事。その改善策として企業は正規雇用を増やし、社員教育に力を入れること。そして、ひとりひとりの人生が生まれた環境に極力左右されることのないよう、政府は公教育を充実させ、できるだけ数多くの有用な人材の育成を図ること。


 子ども(と若者)は未来そのものなのです。その存在を蔑ろにする国に未来はありません。

 若者も今、自分たちが置かれている状況には、政府に対して怒ってしかるべき。どうして、他国の若者のように積極的にアクションを起こさないのでしょう?もっと自己主張すべきです。
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