はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

些細なことに(些細なことだけれど)一喜一憂

2014年09月21日 | 海外旅行(旅の記録と話題)
 ハンガリーでのこと。ホテルに程近い場所にちょっとしたお菓子や飲物が買えるガソリンスタンドがあるのを旅行前にネットで調べてあったので、朝食後、散歩がてら行ってみました。

 ハンガリーは2004年にEUに加盟していますが、通貨は現地のフォリントをそのまま使用しています。観光客が利用する店ではユーロも使えますが、釣り銭は現地通貨のフォリントで戻って来ることが多いようです。私達夫婦は午前は旅程通りの市内観光、午後はオプショナルツアーで近郊のドナウベント観光を申し込んだので自由行動の予定はなく、観光も最終日だし、今さら両替して中途半端に現地通貨が残ってしまっても面倒だからと、敢えて両替はしませんでした。

 店内に入ってみると、レジ・カウンターに大きく当日の為替レートが表示されていました。それによれば1ユーロ=299フォリント。観光客に不利な店独自のレートではなく、公式のレートのようです。私達は1ユーロ、300フォリント見当で、おつりが極力出ないよう、5ユーロ相当の1,500フォリント分のお菓子と飲物を持ってレジに向かいました。レジ担当は無愛想な30歳前後の男性でしたが、きちんとレート通りにおつりをくれました。

 問題は翌日です。やはり朝食後に、午後のOPでバス移動の間に食べる為のお菓子を買いに同じ店に行き、前日と同じ要領で商品を選び、レジに持って行くと、レジ係の若い女性は6ユーロだと言います。こちらは1,500フォリント分と計算して商品を選び、レートも前日と変わらないので、支払い額は5ユーロのはず。たまたま電卓を持っていたので、目の前で計算して見せると、女性は少し気まずい表情で計算をし直すフリをして、私から5ユーロを受け取りました。おそらく、「今回は誤魔化しが効かなかった」程度にしか思っていないのでしょう。予想を裏切らず、謝るそぶりは一切ありません。前日のお兄さんの方が無愛想ながら正直者だった、ということでしょうか。

 高速道路で移動中、トイレ利用で立ち寄るドライブインのレートが多少悪くても、店頭の商品価格が少々高めでも、そこは観光地価格と相場が決まっているので納得できますが、きちんとレートを提示しているにも関わらず、いざ支払いの段階で計算を誤魔化そうとするのは、自分の懐に差額を入れようしている魂胆が透けて見えて、そのせせこましさが許せません。観光客だから、どうせ気付かないだろうと高をくくられているのも、正直気に入らない。

 これぐらいのちょろまかしは世界を見渡せば日常茶飯事なのかもしれませんが、どこからか、そんな小額で目くじら立てるなとの声も聞こえて来そうですが、金額の多寡ではないのです。些細なことだけれど、こちらとしては馬鹿にされたようで気分が悪い(実際、トルコの観光地で、値札のない清涼飲料水を、私には3ドルで売っておきながら、若い女の子には1ドルで売ったおじさんがいましたoniこの場合、腹が立つけれど、値札がないから、そういうこともあるのだろうと諦めもつきます。特に先進国以外では、人を見て値段を決める傾向があり、その根底には、富む者が貧しい者に施すのは当然である(=喜捨)、との考えがあります。尤も、飲物代をボラれた?件は意外に、若い子が可愛いから値段をまけてあげた、と言う可能性がなくはないですが…)

 一方で、昼食に利用したレストランで、団体ツアー客38人分の料理を孤軍奮闘に近い形で、息を切らせながら給仕していた、パンクな若いドイツ人女性の懸命な働きぶりには清々しさを覚えました。こんな女性にはチップを弾んであげたいくらい。残念ながら、店を発つ時はそんな余裕もない慌ただしさだったので、帰り際に思いっきり「ダンケシェーン」と御礼を言ったら、一仕事終えてカウンター側で立ったまま休憩中といった体の彼女は、屈託のない笑顔を返してくれました。

 また、ハンガリーのホテルで給仕をしていた20代前後の若い男性スタッフも、「『ありがとう』って、こちらでは何と言うの?」と言う英語での質問に、忙しく給仕する中、笑顔で即答してくれました。早速帰り際に、習いたての現地語で、当のスタッフに「ありがとう」と言うと、満面の笑顔で見送ってくれました。

 何処の国も、善良な人がいるかと思えば、そうでない人もいる。そんなことを改めて実感させてくれる、周遊ツアーでした。

 ところで、今回はツアーでお世話になった現地の人に、ささやかなお土産を用意しました。旅行前に、東京国立博物館に行った際に、売店で日本の代表的浮世絵の絵はがきとボールペンのセット(価格は300円弱)を3つ買っておいたのです。結局、観光の最終日に7日間スルーで運転を担当して下さったチェコ人の運転手さんに2つ、長距離を安全運転に努めて下さった御礼の気持ちを込めて差し上げました。これで日本とチェコの友好に、少しは役立ったかな?niko

        写真はチェコの世界遺産の街チェスキークロムロフの街並み

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