はなこのアンテナ@無知の知

たびたび映画、ときどき美術館、たまに旅行の私的記録

When in Rome, do as the Romans do.(1)

2005年12月22日 | 文化・芸術(展覧会&講演会)


美大では第二外国語としてイタリア語を選択した。
本来なら、研究対象に関連する言語を選択すべき
だろうが、その時点ではまだ研究対象を決めかねて
いたし、美術史の分野でも今や英語が幅を利かせて
いると聞いていたので、英語は英語で頑張るとして、
第二外国語は、好みを優先することにした。
ドイツ語・フランス語・イタリア語の中から、
発音の優しそうなこと、語感の柔らかさから
イタリア語を選んだ。以前、スペイン語をかじった
こともあり(本当にかじっただけ)、その意味でも
比較的とっつき易いのではないかとも思った。 
講師は、かつてNHK教育テレビ(ラジオも?)で
イタリア語講座の講師を務めたこともある
中堅の語学教師。東京外大を出て、イタリア
留学の経験もある。伺ってみたら、なんと
私と同い年だった。少し照れくさかった。

一年目は、まずイタリア語に慣れ親しんで欲しい
ということで、最初に基本的な発音と文法を
学んだ後は、会話中心の教科書を使って学んだ。
教科書は写真の『Allegro Vivace』(白水社)
直訳すると、「陽気で活発な」といったところ。
内容は挨拶に始まって、自己紹介、時間・時刻
表現、レストランでの注文、目的地までの移動、
買い物、体調や感情の表現、銀行利用等、
すぐに使えそうな表現ばかりだ。
講義は肩の凝らない楽しさながら、先生の
指導は的確だった。イタリア語の、まるで
音楽を奏でるようなリズム感も手伝って、
私はイタリア語に夢中になった。

大学2年の夏、夫が勤続20年で会社から
リフレッシュ休暇を貰えることになり、
思い切って海外旅行に行くことにした。
行き先については私に一任された。
芸術の宝庫であり、私がイタリア語を学んでいる
こともあって、ほどなくイタリア行きを決めた。
早速目を皿のようにして、旅行社のパンフレットや
ネットで調べたが、結局たまたま新聞の広告で
見つけた格安ツアーを申し込むことにした。
夏休み期間中のツアーにしては20万以下という
格安。何か裏があると思ったが、マレーシア航空
利用の南回りで20時間の空の旅、宿泊地はどこも
街外れの不便な場所である、ということで納得。
とにかくイタリアに行ければ良い(旅行社も一応
大手だったので、その意味でも安心ではあった)。

せっかくのイタリア旅行。イタリア入国から出国
までを、それまで学んだイタリア語で通そうと
決心した。ツアー代金を旅行社に振り込んだ後、
早速1年次に使用した教科書を引っ張り出して来て、
教科書を丸ごと頭に入れることにした。一度は学んだ
内容なので、覚えるというより忘れた部分を補完する
といった感覚だ。通学の行き帰りに録音テープを
繰り返し聴きながら教科書の内容を目で追った。

When in Rome,do as the Romans do.
郷に入っては郷に従え。この成句は、その土地の
風俗・習慣に従うのが賢明な処世術であると説く。
土地に馴染むには土地の言葉を話すのが一番の
近道である。イタリアではイタリア語を話せ、
とも言い換えられるだろう。
実際、私のイタリア語は、今回のでこぼこ・イタリア・
ツアーの強力な武器となった。

3度目のイタリアだったが、前2回の英語での旅より、
(思わぬハプニングはやはり多かったものの)
格段に楽しく思い出深い旅になったと思う。
何より、東洋人で子連れの私が、イタリア語で
話しかけると地元の人は皆面白がってくれた。
互いの距離が一気に縮まったような気がした。
「これぞ!イタリア」的な体験もできたように思う。

(2)に続く。
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