先日、友人に誘われて銀座へ行きました。
何でも知人のご主人が画家で、現在画廊で個展を開催中とのことで、その訪問に付き合って欲しい由。
私は現代の日本人画家には不案内で、失礼ながらその方を存じ上げませんでしたが、その作品は端正な筆致が印象的でした。
主題は錦鯉や芸妓、蓮等和風ながら、ジャンルとしては洋画。羽子板に芸妓の半身像など、個人も気軽に所蔵できそうな作品もありました。
とは言え、十万円はゆうに超えるお値段なので、私のような庶民が夫の承諾なしに気軽に買うことなど出来ません。
その後、せっかくなので近くの「銀座シックス」まで足を延ばしました。銀座シックスもオープンして数年経ちますが、オープン当初の報道でとにかくハイソな雰囲気を醸していたので、私のような庶民が立ち入れる場所ではないなと、今の今まで行ったことがありませんでした。
そもそも買える商品なんてないだろうと。買う気もないのに見るのも冷やかしのようで、ちょっと気後れする。
ところが、6階に「蔦谷書店」があり、これがアート好きには堪らない空間でした!
まず、国内外の美術館で開催された展覧会のカタログが販売されていました。手に取って中身を見ることも出来ます。
もう楽しくて楽しくてついつい長居して、そこでたまたま目にした巨大な本を前に「これは何だろう?」と友人とふたりで訝っていたら、フランス語訛りの日本語で白人の男性店員が話しかけて来ました。
本にはリボンが掛けられていて、「中を見たい人は店員に声をかけてください」旨のメモが添えられていましたが、買う気もない(買えない)人間は恐れ多くてちょっと声をかけづらい。
でも、店員の方から声をかけて来て、あれよあれよと言う間にリボンを解いて本を開いてくれたので、内心ドキドキしながらそのまま見せて貰うことになりました。
もちろん店員さんは売り込む為ですから、淀みなくセールストークを繰り広げます。
「これは全世界で9000部の限定刊行で、既に在庫は1000部程度(数字はうろ覚えです)。」
「本を載せるラック(これも有名作家の作品らしい)と小型サイズの本のセットで税抜き送料込み33万円(!)」
「素晴らしいので、せめて小型サイズの本だけでも欲しいと言う要望があるが、セットでしか販売しない」
「完売したら確実に価値が上がるので、投資にも最適。」
「日本ではここでしか販売していない。」
「週に1~2冊売れている。」
「都内なら明日には届けられる。」
「日めくりで違う作品を楽しめる。」
「この画家は存命中の画家で、その作品が最高の落札額102億円を記録した偉大な画家。」
私も作品を見るのは大好きだから、ついついいろいろ感想や質問を挟んでしまったからか、店員も熱心にページをめくってくれて、結局最後のページまで見せて貰いました(ちなみに友人は保育士で、美術に関する知識は皆無ですが、傍でニコニコしながら一緒に見ていました)。
途中から私が少し英語を理解すると分かると、英語でいろいろと解説して来ました。
でも値段からして買えるわけないし、そもそもこんな巨大な本を飾るスペースなんて我が家にはない。
何となく流れで英語で正直にそう話したら、彼も英語で「もし気持ちが変わりましたら、是非ご購入下さいね」と応じてくれました。
とにかく「このような素晴らしい本を見せていただきありがとうございました」と丁寧にお礼を述べると、「It's my pleasure.」と、内心はどう思っているか分かりませんが、笑顔で応えてくれました。
申し遅れましたが、この巨大画集の画家は、米LAを拠点に活躍する英国人画家ディビッド・ホックニーです。とにかく色彩が素晴らしい!
それにしても、何をどう見誤って私達が買いそうな客に見えたのだろうと不思議です。或は、たまたま暇を持て余していたので、ダメ元で営業を仕掛けたのかもしれませんね。
何にしても、貴重な本を見る事が出来てラッキーでした。
ネット上に本の記事もありました。
「スタンド付きの巨大画集です」(BRUTUS CASA)
何でも知人のご主人が画家で、現在画廊で個展を開催中とのことで、その訪問に付き合って欲しい由。
私は現代の日本人画家には不案内で、失礼ながらその方を存じ上げませんでしたが、その作品は端正な筆致が印象的でした。
主題は錦鯉や芸妓、蓮等和風ながら、ジャンルとしては洋画。羽子板に芸妓の半身像など、個人も気軽に所蔵できそうな作品もありました。
とは言え、十万円はゆうに超えるお値段なので、私のような庶民が夫の承諾なしに気軽に買うことなど出来ません。
その後、せっかくなので近くの「銀座シックス」まで足を延ばしました。銀座シックスもオープンして数年経ちますが、オープン当初の報道でとにかくハイソな雰囲気を醸していたので、私のような庶民が立ち入れる場所ではないなと、今の今まで行ったことがありませんでした。
そもそも買える商品なんてないだろうと。買う気もないのに見るのも冷やかしのようで、ちょっと気後れする。
ところが、6階に「蔦谷書店」があり、これがアート好きには堪らない空間でした!
まず、国内外の美術館で開催された展覧会のカタログが販売されていました。手に取って中身を見ることも出来ます。
もう楽しくて楽しくてついつい長居して、そこでたまたま目にした巨大な本を前に「これは何だろう?」と友人とふたりで訝っていたら、フランス語訛りの日本語で白人の男性店員が話しかけて来ました。
本にはリボンが掛けられていて、「中を見たい人は店員に声をかけてください」旨のメモが添えられていましたが、買う気もない(買えない)人間は恐れ多くてちょっと声をかけづらい。
でも、店員の方から声をかけて来て、あれよあれよと言う間にリボンを解いて本を開いてくれたので、内心ドキドキしながらそのまま見せて貰うことになりました。
もちろん店員さんは売り込む為ですから、淀みなくセールストークを繰り広げます。
「これは全世界で9000部の限定刊行で、既に在庫は1000部程度(数字はうろ覚えです)。」
「本を載せるラック(これも有名作家の作品らしい)と小型サイズの本のセットで税抜き送料込み33万円(!)」
「素晴らしいので、せめて小型サイズの本だけでも欲しいと言う要望があるが、セットでしか販売しない」
「完売したら確実に価値が上がるので、投資にも最適。」
「日本ではここでしか販売していない。」
「週に1~2冊売れている。」
「都内なら明日には届けられる。」
「日めくりで違う作品を楽しめる。」
「この画家は存命中の画家で、その作品が最高の落札額102億円を記録した偉大な画家。」
私も作品を見るのは大好きだから、ついついいろいろ感想や質問を挟んでしまったからか、店員も熱心にページをめくってくれて、結局最後のページまで見せて貰いました(ちなみに友人は保育士で、美術に関する知識は皆無ですが、傍でニコニコしながら一緒に見ていました)。
途中から私が少し英語を理解すると分かると、英語でいろいろと解説して来ました。
でも値段からして買えるわけないし、そもそもこんな巨大な本を飾るスペースなんて我が家にはない。
何となく流れで英語で正直にそう話したら、彼も英語で「もし気持ちが変わりましたら、是非ご購入下さいね」と応じてくれました。
とにかく「このような素晴らしい本を見せていただきありがとうございました」と丁寧にお礼を述べると、「It's my pleasure.」と、内心はどう思っているか分かりませんが、笑顔で応えてくれました。
申し遅れましたが、この巨大画集の画家は、米LAを拠点に活躍する英国人画家ディビッド・ホックニーです。とにかく色彩が素晴らしい!
それにしても、何をどう見誤って私達が買いそうな客に見えたのだろうと不思議です。或は、たまたま暇を持て余していたので、ダメ元で営業を仕掛けたのかもしれませんね。
何にしても、貴重な本を見る事が出来てラッキーでした。
ネット上に本の記事もありました。
「スタンド付きの巨大画集です」(BRUTUS CASA)