今日は午後から、国立西洋美術館で行われた『グエルチーノ展』開会式レセプションと内覧会に出席して来ました。
『グエルチーノ展』は、イタリアが誇る17世紀バロックの画家グエルチーノの日本における初めての展覧会で、明日3月3日(火)から開催されます。グエルチーノはバロック絵画を発展させ、後のアカデミズム絵画の基礎を築き、スペインのベラスケスらにも影響を与えたと言われています。
今日はイタリア大使はもとより、本国イタリアからもチェント市長やボローニャ文化長官も駆けつけ、日本からは文部科学省政務次官も出席して、いつになく盛大なセレモニーが行われました。
イタリア語のスピーチがまるで音楽を奏でるかのようにメロディアスで、自然に身体が揺れました(笑)。
本展覧会はチェント市立絵画館所蔵作品を中心に、他の美術館や個人蔵の作品、そして、国立西洋美術館所蔵の作品が一堂に会して、ボローニャ派を代表する画家、グエルチーノの画業を展観するものです。オール油彩画と言うのが重厚感たっぷりで、何となく贅沢な気分にさせてくれます。
独の作家であり詩人のゲーテや仏の作家スタンダールも目にし、賛辞を残している宗教画、近代の裸婦像に比べ抑制された裸体表現の女性像、同時代の画家、グイド・レーニとの比較など、興味深い構成となっています。
今回の展覧会は2012年に震災に見舞われ、未だ再開できないほど甚大な被害を受けた絵画館の復興支援も兼ねており、収益金の一部は復興費用に充てられることになっているそうです。イタリアからの賓客もスピーチで、「互いに地震に見舞われる国同士、連帯しましょう」と述べていたのが印象的でした。
日本では滅多に見ることのできないグエルチーノ作品の数々、是非この機会に、上野の国立西洋美術館でご覧下さい。
『グエルチーノ展』