社民党の福島瑞穂氏が参院予算委員会で、政府が進めている安全保障法制を「戦争法案」とよび、これに対して自民党が発言の修正を求めている。
日本国首相・安倍晋三首相は「レッテルを貼って議論を矮小化するのは断じて甘受できない」と福島氏に反論していた。
レッテルということになれば、「国際平和支援法案」も「戦争法案」と同程度のレッテルにすぎない。憲法9条は武力による威嚇又は武力の行使を国際紛争解決のための手段として用いないとしている。他国軍を支援するために自衛隊を海外に送ることは「平和支援」なのか。それとも「武力による国際紛争解決」なのか。憲法解釈の違いによって異なるレッテルが張られる。「鉄面皮」な自民党政権(福島氏の形容による)は、同氏に「あんたの憲法解釈はウチの解釈と異なるので修正しろ」と迫っているわけである。
自民党は自党の好みに合わないテレビの言葉遣いに放送法を持ちだして言いがかりをつけた。このたびは議会内での討論のさいの議員の信条に対するいちゃもんである。
日米開戦がきな臭く匂うようになってきたころのことだ。1938年の衆議院で「ヒットラーの如く、ムッソリーニの如く、あるいはスターリンの如く大胆に」と近衛文麿首相にエールを送った西尾末広議員が議員除名処分を受けた。「スターリンの如く」という発言は共産主義の奨励である、というのが理由だった。
1940年には帝国議会(という名前に変えられていた)で、斎藤隆夫議員が、有名な「反軍演説」を理由に除名された。
自民党をはじめとする国会議員の多くに見られる無知蒙昧さにはうんざりさせられる。2010年には自衛隊を、政治学の学術用語を使って「暴力装置」と語った当時の民主党政権の仙石由人官房長官がいちゃもんを付けられた。このことは当時のPodiumに書いているので、ついでにお読みいただきたい。
(2015.4.22 花崎泰雄)
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