いすみ鉄道
いすみ鉄道は大原から大多喜までの26.8キロメートルの鉄道だというのに夜行列車を走らせている事は大きなニュースになりましたが、
「夜行列車に乗ってみたい。」という方々が「どこへも行かない夜行列車」をめがけてあっと言う間に満席になるそうで、毎回完売と聞きました。
私も学生時代に急行八甲田で青森まで行き、その時と同じ経験を今しようとは思いませんが、その思い出の片りんを
味わいたいとは思うものですね。
今回は、レストラン列車を視察。車内でイタリアン料理や伊勢海老、カレー、生ビールを飲める特別列車が走り、新聞テレビでよく報道されていますので、
ご存知の方も多いかと思います。
鳥塚社長は2009年に公募で選ばれ、航空会社の管理職の座を投げ打って第三セクターのローカル線社長となり早や5年。
『ここには何もないがあります』という有名なキャッチコピーや、ムーミンの人気キャラクターをデザインにあしらった「ムーミン列車」、
旧国鉄のディーゼルカーを使用した観光急行列車、訓練費用自己負担の運転士養成制度などのアイデアの根底には、
うまくいってなかった社長就任前と違ったやり方で、お金をかけない事というポリシーがありました。
鉄道で人を呼ぶために、蒸気機関車であれば初期投資は5億円、展望列車であれば3億円。
そこで社長は、昭和40年製のジーゼル列車を走らせることに・・・初期費用約3000万円(車体は軽自動車並み、金沢からの輸送費600万円、車検2000万円)
最初にはじめたムーミン列車で女性ファンを増やし、この昭和のジーゼル列車で男性陣の心をわしづかみしたのでした。
まさにこれが商品の品揃えをしていく社長の姿そのものです。
他には、地元の方が作ったいすみ鉄道応援団の皆様により、単線鉄道ならではの通標(わっか)を復活させ、ムーミン谷を作ったり、
ポップコーンを販売したりと始めのうちは遠巻きで見ていた地元の人たちが一緒にいすみ鉄道を盛り上げていることが素晴らしいです。
「遠きにありて思うのがふるさとでありローカル線」ということから、いすみ鉄道に思いを寄せるファン達に枕木はじめ駅の命名権まで
販売しています。
NHKではドラマの舞台になったり、先日は加山雄三、エリーさんが撮影でみえていたそうです。
近々には、ハリウッド進出と聞いていますから、その勢いは止まらない!!
単なる流行ではなく、鳥塚社長の緻密な戦略が隠されています。
お客様、クライアントが何を求めているか?を常に頭に描きプレゼンをしているのです。
テレビであれば、どんな映像を撮りたいのか相手のニーズを徹底的にリサーチし提供するその姿勢には、長らく鉄道映像を撮り続けてきた経験が
活かされています。
行政も同じだと思います。
今、住んでいる市民を大切にしたうえで、シティープロモーションです。佐倉市に住みたい、佐倉市で仕事がしたい!
そう思える佐倉市にするための行政サービスが重要ですね。