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少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

カーボン竿のやすりがけについて

2022-05-20 17:46:17 | アマチュア無線

カーボンロッドの段間の抵抗について、最初は静電容量でつながっているから直流的な抵抗は大きくてもかまわないんだろうと思っていた。でも、いろいろ調べてみると:

●カーボン抵抗→放射抵抗との比率で効率がきまる。(低い周波数ではエレメントが対波長で短くなる分放射抵抗が小さくなり性能劣化)したがって、できるだけ小さい方がよい。

●コンデンサ→短縮効果で竿の実効長が短くなる。(プラスの短縮率の原因)できればこれもあまりない方がよい。

ということであることが分かってきた。

正直今まで竿のつなぎ目をやすりがけなんか全然やってなかったんだけど、上記の理由でやっぱりちゃんとやすりしてみることにした。ダイポールを作ろうと以前同じ竿を二本買ってきていたので、そのうちの一本だけ各段のつなぎ目を紙やすりで磨いてみた。例によって近所のRBN局の信号で比較した結果がこれ。

どうもやすりをかけた方が数dB程度強く受信されているよう。バンドを変えても同じ傾向なので、まあ間違いない。

ということで竿の段間のやすり掛けは結構効果があることが分かった。

実は他の局が結構7MHzでもカーボンでしっかり交信されているのを見て、少し不思議に思っていた。

当局は21以上ではカーボンよく動くけど、14以下では??な感じだったのだが、もしかするとこの辺の問題があるのかもしれないと思えてきた。

追記

よく見たらヤスリがけありなしのデータが逆でした。よくわからないね。

翌日再度実験したので結果をあげておく。RBNは伝搬状態によって数値が変わるのであてにならないという意見をうかがうので、自宅で常設しているエンドフェッドとの受信強度との相対値でグラフを描いてみた。受信するたびに1-2dBは動くこともあるので断定的なことは言えないが、やはりやすりかけてないと少し強度が落ちる感じがある。どうかな。


カウンターポイズの意味

2022-05-08 17:51:52 | アマチュア無線

カーボンアンテナは普通垂直型の構成になるので、もう一方の端子をグランドしなければならない。実際にいわゆるアースをするわけにはいかないので、電線をその辺に転がしてカウンタポイズという構成をとるのが普通である。参考文献によれば、ラジアルは電波の放射を行うエレメントなので地面から離して長さも1/4λに合わせることになっている。これに対してカウンターポイズは地面に這わせて設置し長さも適当でよく、何本も設置して仮想グランドとして動作するということになっている。しかしながら、結局どちらの構成でもアンテナエレメントの反対につないだ電線であるわけで完全に別物というわけにもいかないだろう。カーボンアンテナの場合もカウンターポイズとして電線をつなげたが、その長さは性能に影響を与える可能性もある。そこで今回はカウンタポイズの長さの影響を調べた。SOTAの時にメインで出ている14と21MHzの性能を比較した。

実験条件:カーボンロッド:8.6mに銅線を接続(長さW)

CP=5.5m

W (m)        7.6        6.2         5         4.2

14MHz      -2          -5         -2        -4

21MHz      -2          -5        -1          -1

数値は常時設置してあるEFHWの受信レベルを基準にした時のカーボンのRBN相対レベル。(自宅から3.5km離れた局のデータを使用)銅線の長さによって多少の変動はあるが、すべてマイナスでEFHWアンテナに比べてあまり電波は飛んでない印象となった。次にカウンターポイズを0として実験を行った。

CP0

W (m)        8         7.5        6.5        4.4

14MHz    +1        +1            -1        +1

21MHz    +5     +4          +4         0

カウンターポイズ無しで測定したところ、いずれもEFHWを上回るレベルで予想に反してよい性能となった。

カウンターポイズをなくしたらなぜ性能がよくなったのか。それは、そこから電波が無駄に放射されていたということではないだろうか。そもそもカーボンロッドに銅線をつける方式は、

①アンテナを長くしての放射抵抗を大きくして

②カーボンロッドに流れる電流を小さくし、

③カーボン抵抗による熱損失を小さくする。

ことを狙ったものである。カーボンロッドを流れる電流が減るが、銅線のエレメントにも電流を流れるので、そこからも電波を放射される。効率よく電波を輻射するために、できれば銅線も地上から離す方が良い。地面に接しているカウンターポイズも短くした方が結果が良かったのは、カウンターポイズからも電波が輻射されていたことの証左ではないだろうか。

共振周波数の測定

アナライザーで調べてみると、8.6mポールのみの場合の並列共振周波数(1λ)は32.1MHz、1/2λで16MHz程度となる。14MHzは半波長以下、21MHzは半波長以上。

また4.4mの銅線をつなげたとき(全長13m)の並列共振周波数は25MHz、1/2λで12.5MHzとなる。14,21MHzともに半波長以上の長さとなる。

チューナーでのマッチングを行うので、エレメント長さを1/2λにぴったり合わせる必要はない。実際エレメントの長さに対する性能の変化はブロードだった。ただ、あまり長くなると放射パターンが崩れるので大体このあたりに収めておくのが望ましいのではないだろうか。インピーダンスが高くなってチューニングが困難な場合はエレメント長さを多少調整する。

まとめ

今回の実験の結果より、14,21MHzでの特性を考えると、8.6mのカーボンロッドに、6から8mの銅線エレメントを追加、マッチングが取れればカウンターポイズ無しの構成にしてEFHWと同様あるいはそれ以上の結果が得られた。できるだけ銅線エレメントも地上から高い場所に設置する。

 


7m延長したカーボンアンテナの実験結果

2022-05-05 17:41:54 | アマチュア無線

自宅に帰って早速実験に取り掛かった。10m(実際には9mほど)のカーボン竿の下に、7mの銅線をつないでRBNの数値を比較した。カウンターポイズは2mほど。前の解析ではこのくらいの線をつなげると14MHzにおける性能の改善が期待できるはずだった。

14MHzは予想通り大きく性能が改善

結果はグラフに示す通り、ここまで理論通りにいくかというくらい想定通りの結果となった。グラフの縦軸はカーボンアンテナのSNRからEFHWのSNRを引いた値なので、0より上になればEFHWよりも性能が上ということになる。C10が10mカーボンポールに直接給電、C10+7はそれに7mの銅線をつなげたアンテナの特性である。顕著な改善が見られたのはやはり14MHZで、10mの竿単体では、EFHWよりも若干信号が弱かったが、7mの銅線をつなげたことによりプラスに転じ、EFHWを若干上回る結果となった。

21MHzはほとんど変化しないが28MHzは大きく性能低下

14MHz以外のバンドでは、銅線をつなぐことによっていずれも性能が低下した。21MHzではほとんど差はなく、EFHWを上回る性能を発揮しているが、28MHzでは極端に性能が劣化した。これはエレメント長が波長に比べてかなり長くなっているため、様々な方向に電波が輻射されるようになっていることがSNRの低下につながったと考えられる。以前議論した通り、28MHzでは7m程度の長さのカーボン竿のみで良い結果が出るだろう。

7MHzはさらに性能低下

7MHzでは静電容量による短縮効果が効くために、効率よくアンテナを動作させるためにはかなり長い銅線が必要になる。したがって7m程度の延長では不十分である。さらに延長した銅線部分に大きな電流が流れるが、今回の実験ではその部分が自宅の軒下になっており、あまり効率的に電波が輻射されていない傾向があると思われる。SOTAのような場合にはこのくらいの延長銅線でも効果が期待できるかもしれない。あまり長い銅線は結局地面に這わせることなるのでアンテナ性能的には多分よろしくない。

 

今回の実験では2階のベランダにポールを設置し、延長銅線がほぼ垂直になるように配置して実験を行ったが、実際の運用ではなかなかそうはいかないかもしれないので断定的なことは言えないが、14~21MHzで運用する場合は、10mのカーボンポールに5m以上の延長銅線を接続、2m程度のカウンターポイズでの運用すればかなり良い結果が期待できるのではないだろうか。

あまり長い銅線をつなげると何のためにカーボンロッドを使っているのかわからなくなる。やはり、カーボンの軽量と強靭な機械的性能を活用して地上高を高くとることができることが最大のメリットであるはずであり、対波長で考えると比較的高い周波数帯の方がその効果は大きいことはうなずける。HF各バンドにおける使い方についてもだいぶチューニングできてきた感じがする。

 


対立概念の生成と消滅

2022-05-03 19:33:46 | 哲学

レーザーを使ったガス漏れ検知器の製造販売を長くやっている。この機械は、メタンガスに強く吸収される波長の光を使うことによってガスを検知する。そのことはずっと昔から知られていることで特段我々のオリジナルということではない。実はガス検知をするためには、ガスに吸収される光だけではだめで、光に吸収されない光とセットで放射することによってはじめて定量的なガス検知が可能になる。詳しい説明はしないが、ガス検知器として機能するためには、ガスに吸収/非吸収される2種類の光の存在が不可欠なのである。レーザーメタンは、いわば光吸収のコントラストによってメタンガスを検知するのだ。

趣味でやっている無線、最近はカーボン製の釣り竿をアンテナに使うプロジェクトに取り組んでいる。以前は、やってもうまくいかないと誰もが思っていたのだけれど、使ってみるとこれが案外そうでもないことがわかってきた。少し理論的に分析をしてみるとこれがなかなか面白い。こういう新しいプロジェクトに取り組んでいる時には、新しいアンテナでよく電波が飛ぶということをいくら言ってもあまり説得力がない。

「それは、あなたの思い込みじゃないの?」

という声が必ず聞こえてくる。そういう時には、アンテナの条件を変えてうまく電波が飛ばない状態とのコントラストを作るのが一番だ。他のパラメータを全て同じにして、キーになる性能を比較する。ここでもコントラストが大事であり、そういうコントラストがうまく作れるようになると、面白いことに今起こっている現象の背景にある物理的意味が見えてくる。アンテナの話に限らず、技術・科学の探求においては必ずコントラストを作ることが必ず課題になる。逆に言うと、そういうコントラストが今やっているプロジェクトでは明確に意識されているかという問いが大切だ。

こんな風な考えをさらに延長すると、コントラストというのは科学にこだわったことではない事に気が付く。以前から言っているけど、モノクロ写真において写真に意味をもたらすのは白と黒のコントラストだし、文学においては愛と憎しみという2つの軸が中心課題としてとらえられることが多い。それは宗教においても言えることかもしれない。ちょっと興味があって、親鸞の教えについて少し本を読んでいるが、親鸞の思想の中には善と悪という二つの概念があり、その上で人は何が善で何が悪かなどわからないから、とにかく念仏しなさいと説く。

分野に限らず、意味というのはどういうプロセスで生まれてくるのかがだんだん見えてきた気がする。つまり、まずは二つの対立する軸を探す事から始めるのだ。技術的な課題だったり、社会の問題とかなんでもよいのだけれど、その問題を解決する方法や考え方を考える。まあ、ここまでは誰でもやることだ。そこにある程度はっきりしたポジショニングが出来たら、今度はそのコンセプトをま反対に振るのである。そしてその対立軸の中でアイデアを評価することが大事だ。そこに生まれるコントラストが明確になればなるほど、そこに明快な意味が生まれてくるのだ。そして、その意味がはっきりしてきたとき、最初にあった二つの対立は消えていくのだと思う。より高次の概念の前では、二つの対立軸は絶対的な意味を失うのである。

なぜ親鸞が念仏を唱えればよいといったのか、まだ確かにはわからないのだけど、ここで議論した「対立する概念の生成と解消のプロセス」が念仏という行為の中に凝縮されているのではないかと思っている。それは、素粒子の生成と消滅のプロセスにも似ているのかもしれない。


具体的なカーボンロッドアンテナデザイン

2022-05-03 11:19:52 | アマチュア無線

これまで10mの竿を使って21MHzで最も良い結果が得られ、28MHzでは少し性能が落ちた。さらに14MHz以下のバンドでは性能は低下している。そこで21MHzでの長さを最良と仮定して他のバンドでのアンテナをデザインしてみる。

21MHzでの状況確認

以前の実験結果から短縮率から、ほぼ1であることがわかっている。したがって、

波長=300/21=14.28m

10mのエレメントの長さは21MHzでは、

10/14.28=0.7

となり、3/4波長程度の長さになっている。1/2波長より長めにして性能が出ていることになる。

これは放射抵抗が1/2波長よりさらに大きくなっていることと、電流の腹が上に移動するのでより効率的に電波が放出されているのではないかと思われる。あるいはカウンターポイズの長さが約3mであるので、ほぼ1/2波長のアンテナとして動作したと考えた方がいいのかもしれない。いずれにしても、他のバンドにおいても同様の対波長長さのエレメントを構成してみることにする。

28MHzでの状況確認と最適エレメント長

以前の実験結果から28MHzでの短縮率は0.95程度。したがって、

波長=300/28=10.7m  短縮率を考慮して1波長相当のエレメント長は10.16mとなる。

10mのエレメントの長さは28MHzでは、

10/10.16=0.98

となり、ほぼ1波長のエレメント長となり、ここまで長くすると放射抵抗は大きくなるものの、放射パターンが崩れて(?)性能が劣化した。あるいはカウンターポイズもありさらに実行エレメント長は長くなっているのかもしれない。21MHzの時のように0.7波長程度に長さを抑えておくのが望ましいのではないかと思われる。0.7波長程度にするとすれば、エレメント長は7.1mに縮めるのが望ましく、実際7mのロッドを使ったとき10mのロッドより良い結果が得られている。

14MHzでの状況確認と最適エレメント長

以前の実験結果から短縮率から、ほぼ1.1であることがわかっている。したがって、

波長=300/14=21.43m 縮率を考慮して1波長相当のエレメント長は23.6mとなる。

10mのエレメントの長さは14MHzでは、

10/23.6=0.42

となり、1/2波長より短い長さしかない。カーボン竿の段間の静電容量による短縮効果も効いてきており、見た目以上にエレメント長さは短い。21MHzの時のように0.7波長程度に伸ばすためには、

23.6×0.7=16.52m

16.52-10=6.52m

となり、6.5mの線をカーボン竿の下につなげてエレメント長さを延長する。実際には6mは無理にしても数メートル以上のエレメント長延長しないと性能のアップは望めないかもしれない。またクリップ接合部には大きな電流が流れるポイントになるので、接触抵抗もできるだけ小さくするよう配慮が必要になる。

7MHzでの状況確認と最適エレメント長

以前の実験結果から短縮率から、ほぼ1.3(程度)であることがわかっている。したがって、

波長=300/7=42.86m 縮率を考慮して1波長相当のエレメント長は55.72mとなる。(!)

10mのエレメントの長さは7MHzでは、

10/55.72=0.19

となり、7MHzでは10mのカーボン竿は0.2波長程度の長さしかない事になる。

カーボン竿の段間の静電容量による短縮効果がさらに効いてきており、見た目以上にエレメント長さは短い。21MHzの時のように0.7波長程度に伸ばすためには、

55.7×0.7=38.99m

38.99-10=28.99m

となり、半波長ダイポールの長さ以上の導線をつなげないと最高の感度は得られないことになった。

1/2波長まで伸ばすにしても17.85mの延長導線が必要となり、現実的には7MHzでは十分な感度を得るのはかなり厳しい状況になった。

以上の結果をまとめると

0.7波長のアンテナを構成するためのエレメント長

周波数    最適エレメント長    10mロッドへの追加銅線長

 

28      7.1           -2.9

21      10            0

14      16.52          6.52

7      38.99          28.99

(カウンターポイズ長:約3m

 

以上の計算からは、カーボンロッドの抵抗値の影響を軽減するために対波長エレメント長さを長くする際に、竿の段間容量の影響で実効エレメント長さが短くなることが大きく影響し(静電容量をワイヤーのインダクタンスで相殺するといってもよい)、特にHFローバンドにおいては厳しい結果となった。

 


今考える高性能カーボンアンテナ構想

2022-05-01 22:37:05 | スケッチ

方針

とにかく放射抵抗を大きくしてカーボン抵抗による熱損失の割合を低減する。段間の接続は、静電容量結合にした方が損失が少なくてベター。下手に抵抗接続すると損失が増加する。クリップ接続したところの接触抵抗値はできるだけ小さくなるように工夫する。

2821MHz帯

カーボンロッドの長さが1/2波長+アルファある場合は、そのままクリップ接続で使う。給電点でのインピーダンスが高くなるように調整すれば、クリップ部分に殆ど電流が流れないので損失を小さくできる。1/2波長より少し長くするとさらに放射抵抗が上がるが、クリップ部の電流が大きくなる。エレメントが長くなりすぎると放射パターンが崩れる可能性もある。短いカウンターポイズ。実験で10m竿と7m竿で信号強さが逆転したのは、放射パターンの影響ではないかと思われる。設置位置が高くできるならできるだけ高くする。

14MHz

10mのロッドでも少し長さが足りなくなってくるので、エレメントを少し足して1/2波長程度以上になるように伸ばす。クリップ部分は電流がゼロではないので、できるだけ抵抗が小さくなるように工夫する。短いカウンターポイズ。

7MHz

どうやっても1/2波長までは長くできないが、できるだけ電線をつなげて長さを長くする。クリップ部分の電流値はさらに大きくなるので、抵抗値が小さくなるよう気を付ける。カウンターポイズは、合わせて1/2波長になる程度に伸ばす。カウンターポイズからの電波の輻射もあるので地面に接触させずに浮かす。

外に行けないので妄想が膨らみます。()