少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

途中も大切

2016-06-21 15:01:35 | その他

厳しいビジネスの世界を生き残っていくために、企業はいろいろなチャレンジをしている。成功する企業もあれば、失敗に終わる企業もある。いや、ほとんどのトライアルは失敗するのだろうけど、どこかに成功を勝ち取る企業もあるといった方がいいだろう。そんなプロセスが生物の世界の進化の過程に重ねて見られることがある。弱肉強食の動物の世界は、まさに厳しいビジネスの世界のパラレルだといってもおかしくないだろう。

 それでは、その生存競争の中でどうやったら生き残れるか。時に新たなマーケットを求め、新たなビジネスモデルを求め、さらには新技術に活路を見出して、企業は生き残りを図っていく。企業のリーダーは、進む道を分かりやすくかつしっかりと見極めて事業を展開していかなければならない。そのゴールへの道のりは、決してやさしいものではなく、とにかく我慢に我慢を重ねて、強い決意を持って立ち向かっていかねばならない・・・ということになっている。

 他方、生物の世界で進化のプロセスについて初めて指摘したのは、言うまでもなくダーウィンである。ダーウィンはその著書「種の起源」の中で、多くの例を挙げて生物の進化について議論をした。

 鳥が空を自由に飛べるのはなぜか?魚が水の中を泳げるのはなぜか?

 もちろん、その答えが突然変異と適者生存というメカニズムであることは、今や常識となっている。しかし、この進化メカニズムで注意しなければいけないことがあることに気が付いた。(というか本に書いてあった。)例えば最終的にキリンの首が長くなることによって高い木から餌をとれるようになるために、最初は首の短い馬みたいな動物だったキリンの祖先が、突然変異でちょっとだけ首が長くなったとする。そのわずかな変化が、当のキリンの祖先にとって、以前より生存に有利に働いたはずであることに注意しよう。なぜなら、少しだけ首が長くなったことが、まったく生存で有利に働かないか、逆に生存に不利な要素だったとしたら、そういう動物は生き残ることができないことになるはずである。もしそうだとすると、首をすごく長くするという形質は、一足飛びには起こりようがないので、結局キリンという動物は存在しないことになってしまう。

 ちょっとごちゃごちゃしてしまったが、要するに進化のそれぞれのステップで、突然変異によって生じた形質のわずかな変化は、その時点においても生存に有利でなくてはならないということが言いたいのである。首のすごく長いキリンという最終的な形質だけが生存に有利な訳ではない。もし、途中一回でも生存に不利な進化を遂げたならば、自然は容赦なく襲い掛かって、その種は絶滅への道を突き進むことになるのである。

 ビジネスにおいても同じことが言えないだろうか。ビジネスを最終的に成功させ、繁栄を享受するために、ビジョンを描いて邁進する。しかし、その途中のプロセスを無視してはいけない。最終的なビジネスモデルに到達するまでの、それぞれのステップにおいても生物同様淘汰圧が社会からかかっていることを忘れてはいけないと思う。進化のためのわずかな変化が、企業の存在価値を少しでも高める方向に働かないと、結局最終形には到達できない。とすると、ビジネス構築の途中であっても安易な判断は命取りになるかもしれない。途中も最終形同様に大切なのである。

 チャールズ・ダーウィン著、夏目大訳、「超訳 種の起源」、2012年、技術評論社


宇宙天気ユーザーズフォーラム

2016-06-14 20:45:36 | 太陽観測

NICTの一般向けのフォーラムが開催されるというので、会社を休んで参加してきた。前半はNICT研究者による太陽に関する講座、午後は国内研究者の関連講演。

太陽活動と電波伝搬に関しては、

地磁気嵐と電離圏嵐

1コロナホールによる太陽風やCMEによって南向きの磁場が地球に到達すると、地磁気嵐と呼ばれる現象が起き、地磁気のレベルが下がる。この現象の指標としてK値がある。

2地磁気嵐によって電離層が持ちあげられ、F2電子密度が高くなる正相電離圏嵐という現象が起こる。電子密度が高くなるからと言ってEスポのように遠くまで伝搬するようになるわけではないとのこと。

3そのあと逆の負相電離圏嵐が起こる。この時F2電子密度が低くなってHF通信ができなくなることがある。

ということで、K値が高くなったその時にHFの通信が影響を受けるというより少しずれて通信障害が起きるという話だった。ただ、地磁気嵐も電離圏嵐もそうれ程単純な現象ではないので、一概に上記のような経過をたどるとは限らないらしい。

デリンジャー現象

こっちはフレアによるX線などの放射が地球い到達したとき(つまり昼間)にD層の電子密度が高くなって、HFの伝搬ができなくなる現象。時間は30分程度。

K値が高まった時にのfoF2電離圏臨海周波数の変化やイオノグラムをチェックしてみたいと思う。さらにそれらの現象とHFの伝搬の様子も確認できると面白いかもしれない。HFの通信という視点からいろんな現象を説明してくれるといいのだけど、どちらかというと太陽に絡んだ現象としていろんな話をされるので、それらのお話が頭の中で組み上がっていかない感じがする。まあ、そういうことって難しいかなとは思うけど、いろいろ情報提供してくれる姿勢は評価したいと思う。ありがとうございました。

 


ノウハウの相対性について

2016-06-13 11:54:58 | その他

エンジニアリングを生業にしている会社において、良く言われることにノウハウやユーザーエンジニアリングの伝承というのがある。これまで長い時間をかけて培ってきた現場のノウハウや工場の建設の際に積み上げてきたエンジニアリング力というのは、我々が持っているリソースの中でも最も価値のあると良く言われる。

 でも、具体的にノウハウやユーザーエンジニアリングって何だろうと考えると途端に良くわからなくなってしまう。時々、そういうノウハウを伝承するためのデータベースを作ったりするのだけれど、これまでの経験を文字にしたとたんに、手の隙間から砂が落ちるように、ノウハウとは程遠い無味乾燥な資料の山になってしまうこともしばしばである。

 話は変わるが、最近工業デザインにおける製品の色についての講演を聞く機会があった。色なんて、それこそ機械的にRGBの指標か何かで決めれば一意的に決まると思ったのだが、実際はとんでもないのだという。製品の素材の質感やサイズ、その他いろいろなファクターによって、色の見え方というのは微妙に変わってしまうため、厳密にコードによって色を伝えることはできないのだという。色というのは、まさにノウハウというか感覚の世界なのだ。ただ、そういう色の世界で唯一言えることは色の相対的な違いだという話に興味を持った。例えば「この色よりもう少し青みを強くした色」とか「もう少し暖かみがある色」みたいな表現を数値化することはできるのだという。

 もしかすると、エンジニアリングにおいても色の相対性と同じようなことが言えるのではないかと思った。つまり、普通は「どこそこにネジを締める」というような絶対的な情報が技術であると思われるのだが、むしろ普通の状態からの偏差に、より注目をすることがノウハウを理解するためには重要ではないかと思うのだ。通常の手順から何かの理由で異なった手順を踏んでしまったために発生した事故というのは、貴重なノウハウになるに違いない。そこには、通常の手順とそうでない手順の間に偏差と言える何かが存在する。手順の偏差、それは言い換えれば「経験」と呼んでもいいかもしれない。

 今や皆がスマホを持って、朝から晩までインターネットにアクセスする。どんな事柄でも、ちょっとググれば、関連する情報が0.5秒で何万件も得られる。でも、そういう知識って多分大した役には立たない。わかったような気にはなるんだけど、それはある事柄を別の文字に置き換えただけで理解とは程遠い。なぜ理解したことにならないかと言えば、そういう知識には相対的な関係が含まれていないからとは言えないだろうか。知識と知識の相対的な関係が見えてきて初めてその知識は意味を持ってくるんじゃないかと思う。


専門家について

2016-06-05 17:36:05 | その他

大きな地震が発生すれば地震の専門家がテレビで解説をし、経済が低迷すると経済学の専門家が今後の株価の見通しについて解説をする。そりゃあ、我々シロウトには何が起こっているのかさっぱりわからないので、その道のプロにご意見を伺うのはもっとなことなのだろう。これが病気のことになると尚更だ。ある特定の疾患に関する専門医が登場して、可能性のある病気について詳しく説明したりする。極めて多岐にわたる疾病について一人の医者が全てを診断できるはずもなく、その道を究めた専門医が様々なデータをもとに診断を下していくのだ。こういう傾向は会社においても同じことである。ありとあらゆる業務は細分化され高度化されてきている。そして、プロの世界にいい加減は許されないのだから、その道の専門家と言われる人が極めて狭い分野について専門的業務を遂行する。社内に専門家がいなければ外部に委託をする。世の中専門家だらけと言ってもいいかもしれない。

すでにどこかで書いた気もするのだが、そういう専門家の発言に「きちんと対応することが肝心ですね。」とか「しっかりと全てを精査すべきです。」といったフレーズが多いことが気になって仕方がなかった。もちろん、全てをきちんと精査してきちんと対応することができれば良いに決まっているのだが、そんなことは専門家でなくてもわかったことではないかと思えたのだ。

 そういう専門性に関して、前回のコラムでも紹介した参考文献の中に、次のような記述を見つけた。

 「プロフェッショナルがその専門性を十分に活かすためには、専門領域の知識だけではどうにもならないということだ。なぜなら、一つの専門性は他の専門性とうまく編まれることがないと、現実の世界でみずからの専門性を全うすることができないからである。」

 また、こうとも言っている。

 「専門知というのは、それが適用される現場で、いつでも棚上げできる用意がなければ、プロの知とはいえないものである。専門知は、現時点で何が確実に言えて、何が言えないか、その限界を正確に掴んでいなければならない。」

 そうだよなあと思う。残念ながら「きちんと対応することが肝心ですね。」という発言には、自らの専門性の限界は見えない。つまり、目の前に起こっている事柄は自分の専門性の傘の中に納まっているという立場とは言えないだろうか。

 じゃあ、どうすればいいんだろうという話になる。それに対しては、次のような記述を見つけた。

 「みずからの専門領域の内輪の符丁で相手を抑え込もうとするひとは、そもそもプロフェッショナルとして失格なのである。」

 「「どんな専門家がいい専門家ですか?」返ってきた答えはごくシンプルで、高度な知識をもっているひとでも、責任をとってくれるひとでもなく、「いっしょに考えてくれるひと」というものだった。」

 何だか引用だらけになってしまったが、こういうことってすごく大事なことではないかと思う。そういえば最近NHKのテレビに「総合診療医ドクターG」という番組がある。総合診療医というのは、特定の疾患に対する専門医の対極にあって、患者の訴えに耳を傾けて疾患の本質を見抜く医師だ。正しく診断を下した後は、専門医にバトンタッチして治療を行うわけだが、そうした専門医の隙間をうめる総合診療医のような立ち位置こそが、これからの時代に求められる専門家の一つの姿ではないかと思う。

 参考文献:鷲田精一、しんがりの思想(反リーダーシップ論)2015年、角川文庫

 


Straight key

2016-06-05 17:36:05 | アマチュア無線

いつもは短点と長点が自動で打てるパドルを使ってCWをやっている。ふと思ってオーソドックスなストレートキーを使ってみたくなった。このキーは子供のころに買ったのか貰ったのかはっきりしないけど、ずっと持っていたもの。ハイモンドのHK-710という製品、今はもう売ってないみたい。今日も2局ほど交信したけど、スピードは遅いは、符号は汚いはで、お粗末な交信となった。でも、ちょっと緊張感があって楽しいね。


カウンターポイズ

2016-06-05 17:28:04 | アマチュア無線

EFHWアンテナにカウンターポイズを付けてみた。長さは適当(たぶん10mくらい)。つけ外しで大きく感度が変化することはなかったけど、18MHzでカウンターポイズを付けないとPCのスピーカーからブーンという嫌なハム音がしていたのが、カウンターポイズを付けるときれいになくなった。詳しいことはよくわからにけど、やはり同軸ケーブルに信号が乗っていたということかしらん。あとアンテナ線をアルミのポールに近づけると動作が不安定になることも判明。まあそういうこともあるかもしれない。もうちょっと検討を進めたいところ。


JA/KN-022

2016-06-04 18:53:39 | アマチュア無線

明日は天気が悪くなるということで、あまり準備もせず津久井湖城山に出かけた。高さが375mのお気軽アクティベーション。ICIスポーツの特価品(7500円)のストックも初投入。結構ストックあると楽に登れて良かった。

アンテナは、先週末に作ったループアンテナを展開しようとするのだけれど、どうもうまくいかない。釣り竿の先にひっかけて三角形にすると、大部分のエレメントが地面を這ってしまって、いかにもダメそうな感じ。チューナーでマッチングをとろうとするんだけど、これもばっちりとはいかない。信号もあんまり聞こえず、少しCQを出したけど、こりゃだめだなあということで、HFは早々におしまいにした。あぶさんの助言通り、やっぱりエレメントの地上高を高くしないとだめというのを実感した。

その後、6mに上がってSSBでCQをだしたら、多くの局に呼んでいただき、ちょっとストレス解消。まわりのホトトギスなどの鳴き声がマイクを通して相手の局にも聞こえたらしく、とても好評だった。そういえば、なんでも今日は神奈川コンテストがあるらしい。

技術的にはいまいちのアクティベーションになったけど、今回はSOTA運用用の旗を作成した。布に転写できるプリンタ用紙を使ったけど、なかなかそれっぽいのができて満足。

やっぱりHFのアンテナはEFHWに逆戻りか、無難にINV-Vになるかなあ。性能もそうだけど、アンテナのフットプリントが小さいというのも移動運用では結構重要。あとは、ポールの高さをもっと高くするしかないかな。

今日の移動のGPSデータはこちらに。