少年カメラ・クラブ

子供心を失わない大人であり続けたいと思います。

FT-817のリモートコントローラー

2011-01-30 16:01:56 | アマチュア無線
可変抵抗を使った周波数ノブの感触が非常に悪く、イマイチ使い物にならなかったFT-817用リモートコントーラ。秋月から200円で買ってきたロータリーエンコーダーにつなぎ換えたらいい感じで動くようになった。ソフトウエアには割り込み処理を入れてエンコーダーが回転すると処理ルーチンに飛ぶようにしてある。カリカリした感じのクリック音がこぎみよい。ただ、マイコンのノイズが受信機に回り込むのが気になる。フォトカプラのようなもので縁切りするしかないのだろうか。

知覚について

2011-01-26 17:54:15 | その他
私たちは「目で物を見て」「鼻でにおいをかぎ」「耳で音を聞き」、「触ってものの感触を得て」いる。当たり前すぎて、だからどうしたと言われそうな話だ。時々テレビなどで目の錯覚に関する番組を見たりすることはあるかもしれない。実際には同じ長さの線が、両端についた矢じりのような形によって長く見えたり短く見えたりするという例は、よく知られた目の錯覚だが、それはまあ普通の話ではない。

話は変わるが、プロ野球の選手の中でも一流中の一流と言えば王選手だが、彼が現役時代、ホームランを量産しているときには、

「ボールが止まって縫い目まで見える。」

と、スイングの瞬間の集中力を述べていたことがあったように記憶している。でも果たして時速140km/s以上の剛速球がホームベースを通過するときに、回転するボールの表面にある縫い目が人間の目で本当に見えるのだろうか。もちろん普通の人には見えなくても、超一流の王選手には超人的な技術が備わっていたに違いないから、そんなことだって易々とできたのかもしれない。

ところが最近読んだ本 にとても面白い数字がでていた。プロの投手の手からボールが離れてからホームベースを通過するまでに約0.4秒ほどかかるのだという。一方、投手の手から離れた瞬間の映像が網膜に映ってからスイングを開始するまでの最短時間が0.2秒であり、実際にスイングをする時間がさらに約0.2秒かかるのだという。要するに脳は受けた信号を処理するのに結構な時間を必要とするのだ。このことは、つまり、投手からボールが投げ出された瞬間にバットを制御してスイングを始めない限り、ホームベースの上を通過するボールにミートすることはできないことを意味する。王選手が縫い目が見えたと言っていても、それは物理的に不可能な話なのである。ホームベース上のボールの縫い目が見えて、それを脳が認識したときには、ボールは大分前にミットの中に納まっているのである。バッティングにおける脳の処理スピードは絶望的に遅いのだ。

とすると、王選手はうそをついていたのだろうか?いや、そんなことがあるはずが無い。第一彼は800本以上のホームランを実際に量産しているのだ。では、この矛盾はどうやったら解決されるのだろうか。どうも人間の脳というのは、ボールの速さを考えに入れてボールの位置の変化を推定して「この辺に見えるかなあ」というイメージをあたかも今見えているかのように頭の中に映し出しているということらしいのだ。我々が感じている「今」と言うのは、実は意識の下にある複雑なメカニズムの複雑な計算の結果によってつくり出されたバーチャルリアリティなのだというのである。数字から見るとそういうことにしないとつじつまが合わないのだ。そうだとすれば、ボールの縫い目が見えようが、ボールがとまって見えようが、何でもありになる。だって、バーチャルリアリティなんだからソフトを変えればどうにでもできる。

以上の議論によれば、実は我々は世界の実像なんか見えていないのだということが明らかになった。でも科学者であるためには自然の在り様に目を凝らし、耳を澄ましてみることが大事だと教わった。ビジネスマンは市場の言葉に耳を傾けて、それを具現化することが大切だとも教わった。でも、実は我々は目の前にある事柄を何にも見てはいないのだ。なんともおかしなことになってきた。

でも、自分のことはわからなくても他人の行動を見ていると、時々そうかも知れないと思うこともある。人は、物を見るとき自分が見たいところしか見ないではないかと。相手が嫌なやつだと思ったら、いくらその人が良いことをしても、それをストレートに受け取ることはまず無い。頭の中であらかじめ作られたシナリオに沿った形でしか認識されない。それって確かにバーチャルリアリティといってもいいかもしれない。自分ではわからないから、そんなことわかってもしょうがないと思うかもしれない。でも、自分が見えているリアリティがそれほど「リアル」ではないということを知ることは、あながち無駄な情報ではないような気がする。

ロバート・A・バートン (著), 岩坂 彰 (翻訳) 「確信する脳---「知っている」とはどういうことか」

アンテナ

2011-01-23 21:45:45 | アマチュア無線
先週調整したコンデンサー入りダイポールアンテナにバランを接続してみた。バランを入れる前は、ばっちり周波数があっていたのだが、バランを入れたら大きくずれしまった。
もう一度エレメントの長さをいじってSWRを下げることに成功。

ちょっと交信してみると韓国の局と難なく交信に成功。よしよし。

大腸菌の戦略

2011-01-21 10:18:02 | その他
大腸菌、英語ではエシェリキア・コリ、専門家は略してE・コリというらしい。大腸菌といえば、人間の腸にいて消化を助ける役割を持っている場合もあり、他方O-157という恐ろしい食中毒を起こす菌であったりもする。まあ、大腸菌について素人の我々が知っているのは、そのくらいかもしれない。今回は、その大腸菌に関する本 を読んだので紹介しようと思う。

大腸菌に限らず生物というのは、突然変異によって生まれた新しい形質が、偶然その時の環境にマッチすることによって生存確率が高まり、結果進化が起こるとされている。皆さんご存じのダーウィンの進化論である。大腸菌でも、もちろんこうしたことが起こるのだが、何せ大腸菌の分裂の速度は速いので人間なら何万年もかかるような世代の交代が、ごく短い時間(たとえば数時間とか数日)で起こる。この特性を利用して、科学者たちは生物の進化に関するいろんな実験を行うことが出来る。

ある実験で科学者は大腸菌にストレスのかかる状態に置いてみた。たとえば食べ物を殆ど与えないとか、抗生物質を振りかけるとか、とにかく大腸菌をいじめてやるわけである。すると、大多数の大腸菌は、それらのストレスのために死んでしまうが、一部の大腸菌はそのストレスにも耐えてコロニーを作ることもある。ストレスへの耐性を持った大腸菌がさらに分裂を繰り返せば、次第にストレス耐性菌でペトリ皿の中は一杯になることだろう。

ところで、大腸菌の中には傷ついたDNAを修復するポリメラーゼという酵素がある。この酵素、普通は痛んだDNAをきちんと元の状態に戻すのだが、大腸菌が強いストレスを受けると、いつもほどきちんとDNAを修復しないタイプの酵素が働くようになるのだという。この酵素も痛んだDNAを修復することはするのだが、なにぶん間違いをちょこちょこ起こすのでおかしなDNAが頻発するようになる。つまり、大腸菌はストレスのかかった状況になると、突然変異の起こる確率を高くして、その環境に適する形質を獲得しやすくするのだという。こういうメカニズムを「超変異」と呼ぶのだそうだ。これはすごい。

自然淘汰の中で、通常の状況では突然変異はあまり起こらない方が有利である。たいていの変異は生存に有利に働かないから当然である。しかし緊急事態においては、多くの変異が起こった方が有利になる場合が出てくる。大腸菌は、そんなことを知っているかの様に、ヤバくなってくると突然変異を起こしやすいようにするメカニズムが備わっているのだ。

このメカニズム、人間の社会においても使える戦略のような気がする。会社が順風満帆の状況にあるのであれば、かつての日本がそうだったように、きちんと仕事をするエコノミックアニマルがたくさんいた方が生産性も上がって良かった。しかし、市場からのストレスの強い現代においては、ちょっといい加減だけどあれこれやってみる人がたくさんいるような戦略をとった方が良いということになる。まあ、それぞれの取り組みは精度も低く小規模なので、新規ビジネスもなかなかうまくいかない。でもたまに偶然大当たりのくじを引き当てたなら、それを生かして事業化を拡大すれば生き残ることができるという訳だ。

さらに突然変異の確率を増やしている大腸菌において、ランダムな変化がおきるのは、其々の菌のDNAのごく一部に限られるのだという。もしDNAのどの部分でもバラバラに変異を起こすと、化け物みたいな大腸菌が生まれてしまう可能性もある。そこで、彼らは、其々の菌が異なるDNAの部分を変化させることによって、DNA全体がめちゃくちゃになることを防いでいるのだという。突然変異のリスクをコロニー全体で分散していると言えるのかもしれない。このメカニズムを会社に置き換えたらどういうことになるだろう。

ちと、我田引水かな。


カール・ジンマー著、矢野真千子訳、“大腸菌、”NHK出版

新アンテナの威力

2011-01-16 18:01:52 | アマチュア無線
新しいアンテナを使って7MHzででてみた。CWで4局程交信、取り立てて良く取ってもらえるという感じはないが、だからと言ってダメというわけでもない。交信後もSWRは良好だったので、コンデンサーが焼けたりとかそういうトラブルは発生しなかったようで一安心した。こういうときはQRPというのは助かる。100Wものせたらいろいろ気をつけないと大変なんことになるだろう。

調整のために仮設のワイヤーをクリップで止めたりしてあったので、一応撤収してはんだ付けをしたり、バランの中にコンデンサーを入れたりして形を整えた。今日は寒すぎるので屋外に再設置するのは諦めて、来週再度挑戦することとした。

当たり前のことだけど、以前は21MHzでもつかえたこのダイポール。Cを入れたので全くNGになってしまった。高いバンドのアンテナも考えなきゃ。

コンデンサ付きダイポール

2011-01-15 19:33:02 | アマチュア無線
先週末に実験したダイポールにコンデンサを付けてみた。インダクティブナなリアクタンスを打ち消すためのコンデンサは容量280pF。ちょうどぴったりの値はなかったので270pF(耐圧3kV)をグラフの図のようにエレメントにシリーズに2個入れてみた。ぴったりとは行かなかったので、少しエレメント長さを調整して、このようなインピーダンス特性になった。7MHzぴったりで同調をとりつつ放射抵抗を約50オームに持って行くことができた。