少年カメラ・クラブ

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DPアンテナの特性とケーブルの影響

2022-07-27 20:28:48 | アマチュア無線

ちゃんとアンテナの特性が測れるれるようになりたいと少しづつ実験を継続。今日は1.2m×2のダイポールアンテナ。エレメントはロッドアンテナで給電部にはミズホのものを使った。中にバランが入っているかどうかは不明。半波長の共振周波数は約62.5MHzとなる。1.5mで50MHzのDPになるから、まあそんなものかな。

早速アンテナの特性を測ってみる。アンテナに約2mとの同軸ケーブルを接続してからアンテナアナライザーに接続。結果がこれ。

60MHz付近にもかすかな共振ポイところもあるが、42MHzと90MHZ付近に大きな共振が現れた。なんじゃこりゃ?

そこで今度は同軸の長さを約半分の1mにして図った結果がこちら。

40MHzの共振はきれいに消えて、85MHzあたりの共振は残っている。どうもこれは同軸ケーブルの影響のようである。ケーブルの電気的長さにより0.25波長と0.5波長の共振が二つの大きなピークと思われる。

短縮率を0.67とすると、最初の共振点は約43MHzくらいだから

300/43=6.97m 短縮率をかけて6.97X0.67=4.67m が一波長。ケーブル長さが約2mなので、この共振は0.5波長となる。(ちとずれが大きいな。)

 

ということで、アンテナの特性を測るにはケーブルの長さもよくよく考える必要があることを実感した。実際にアンテナの特性によるカーブは1mの同軸で測った55MHz当たりの小さなピークだと思われる。HFでは短いケーブルならそれほどでもないかもしれないけど、アンテナの計測ではケーブル長さも大きなパラメータであることを実感した。

(続く)

 

 


アンテナの基本特性

2022-07-17 13:45:55 | アマチュア無線

なんかイマイチカーボンアンテナの性能に納得がいかないので、まずは電線のアンテナをアンテナアナライザーで計測してみた。

 

(1)水平電流給電ダイポール

エレメント長2.3mの電線を2本、真ん中で給電するダイポールを作成。高さ1.5mほどのところに固定して測定。

 

40MHz付近と55MHz付近に並列共振のような変化がみられる。

30MHzでリアクタンスが0になり直列共振していおり、その時の抵抗値が70Ω程度。

これは4.6mを半波長と考えるときの周波数32.6MHzに短縮係数0.95を掛けた値にぴったり一致する。ま、あたりまえだけど。

ただ、一波長以上の共振点は必ずしも計算と一致しない。まだ何か変な共振が紛れ込んでいる?

(2)1/4波長GP+1/4波長CP

 

上のダイポールのエレメントの一つを地面に這わせてみた。  

地面に電線を這わせると周波数特性が急に複雑になった。この辺がGPの調整のしにくさと関連している?

かろうじて28MHzくらいで並列共振、その時の抵抗値は280Ω位。

(3)1/2波長垂直構成

ENFHWアンテナと同じ構成。上記のエレメントをそのまま使って、給電点を真ん中ら下の端に変更。

カウンターポイズは接続せず、アース側はオープンのままで計測した。

ずっとリアクタンスはマイナスのままで全然共振していない。それっぽく抵抗値が大きくなっているのが、30MHz付近、60MHz付近、90MHz付近に見られる。

(4)カウンターポイズをつけてみる

なんかよくわからないので、カウンターポイズをつけてみた。25cm。一番下の共振点での抵抗値がすごく大きくなった。わずか25cmのカウンターポイズをつなげるだけで大きく特性が変化した。リアクタンスは相変わらずずっとマイナスで直列共振は起こっていない。

(5)さらにカウンターポイズ

さらに長いカウンターポイズ(272cm)をつなげてみた。2点でリアクタンスがゼロになり並列共振していることがわかる。18と35MHzくらいだろうか。

 

うーん、ただの電線なんだからもっとはっきりとした共振特性がみられると思ったのだけど、なんかよくわからない。

計測器の使い方とか間違ってなければいいけど。これじゃあカーボンの影響とかちゃんと評価できるレベルではないなあ。

 


7m竿での特性

2022-07-10 11:43:21 | アマチュア無線

7m竿でも同様にクランプの仕方による特性の違いを観察した。正確には8m竿で、給電点から先までの長さが7m。

(1)クリップだけの場合

クリップだけの時の特性。周波数が隠れてしまっているけど、今回も60MHz弱のところにピークが見られた。共振時の抵抗値は240Ω程度。

(2)クリップをクランプ2個で締めた場合

抵抗ピーク値は300Ωを少し超えたくらいになった。

(3)クランプだけ

大きく変化はないが、共振後の抵抗値が、ペーパクリップの時と比べると大きい。このことがアンテナ性能にどのような影響を与えるかは不明。

 

まとめ

・高い周波数に出る強力な共振はアンテナの特性とは関係ない。アンテナの接続線を短くしないとアンテナ特性にも影響。

・クランプだけで接続するとクリップ+クランプに比べ非共振時の抵抗値が大きくなる。

・竿の長さがだいぶ短くなったにもかかわらずアンテナの共振周波数がほとんど変化しなかった。これはちょっと不思議。


VHF帯の共振について

2022-07-10 10:56:55 | アマチュア無線

カーボンロッドの共振特性を見ると、120から150MHzあたりに強烈な共振が見られる。これもカーボンロッドの特性なのかとも思ったが、こんなに高い周波数でなんで共振するのかよくわからなかった。結果だけ言うと、100MHz付近以上の周波数でみられる強烈な共振は、アナライザーの電線とカップリング部の静電容量によるものであり、アンテナそのものの共振ではないということである。今回の実験は7mの中華性の竿を用いた。

(1)何もしないときの共振特性

50MHz帯の共振のほかに130MHz付近に強烈な共振がある。

(2)カップリング部の静電容量を小さくする。

ちょっと気になって、カップリングのクランプの結合を疎にして静電容量をできるだけ小さくしてみた。

すると、共振周波数が一気に高くなって200MHzあたりに移動した。どうやらカップリングのところの静電容量がこの共振には関係しているらしい。

(3)アナライザとの接続線を長くする。

さらに、アナライザーとアンテナを接続している線の長さを約2倍に伸ばしてみると、

今度は共振周波数が100MHzを切るところまで下がった。この結果からわかることは、100MHz付近以上の周波数でみられる強烈な共振は、アナライザーの電線とカップリング部の静電容量による。

 

カーボンアンテナとチューナーの接続線をあまり長くすると、カップリングのコンデンサとの容量によって共振する周波数がどんどん低くなり、アンテナそのものから電波の輻射が効率よく行われないことが示唆された。アンテナとチューナーの接続はできるだけ短くするのが望ましいのではないだろうか。

 


カーボンアンテナの給電点における接触の問題

2022-07-09 16:52:51 | アマチュア無線

カーボンアンテナにおいて、電力を給電するポイントの処理について検討したところ、多くの人がやっているクリップで単純に竿を挟むやり方では十分でないことが分かった。実際にクリップをねじ式の金属クランプで上下を締めたところアンテナの性能が大きく変化、今まであまりうまく動作しなかったHFローバンド(14,7MHz)におていも実用的なレベルで動作することをSOTAアクティベーションで確認した。

https://youtu.be/e0igwwcbk50

 

 

何とかその変化をアンテナの物理的な挙動から確認したいと思い、アンテナアナライザーで測定を行ったので報告する。

使用した竿は中華製の10mもので、下から二本目の竿に給電、給電点から先までの長さは8.58mであった。

(1)カーボン竿にクリップをつけただけ

120MHz付近に大きな共振があり、55MHz付近にもうちょっと小さい共振が見られる。

ちょっと周波数が高い気がするけど、今回は55MHz付近の共振に注目すると、共振点での抵抗値はおよそ90Ω程度で、共振を超えて一定値を示しているところでの抵抗値がおおよそ20Ω程度だった。

(2)クランプでクリップを締めたとき

クリップをクランプで上下を締めでも共振周波数が変化することはない。120MHzでの共振点のそばにいくつかの副次的な共振っぽいものが見えるけどこれはよくわからない。低い方の共振点は、54.8MHzで抵抗値は198.8Ωに増大した。共振点より高い部分での抵抗値は15Ω位で、こちらも5Ω位低下した。明らかに共振がシャープになっているのがわかる。

(3)クランプのみの場合

クランプを締める効果が何となく見えてきたので、もしかしたら目玉クリップ使わなくてクランプだけでも行けるのではないかと思い、写真のようにクランプ一個だけを取り付けて、適当に締め付けてみた。

結果は共振点が54.8MHzで、抵抗値が206.75Ωとなり、予想通りクリップをつけたときとほとんど変わらない結果となった。共振を外れたところの抵抗値も15Ω程度であった。

 

(4)紙を挟んだ場合

まったくオーミックな接続がない場合はどうだろうと思い、コピー紙を挟んでみた結果がこちら。120MHzあたりの共振点は周波数が高い方にシフトして150MHzあたりまで移動した。容量成分が効いているんだろうと思う。これに対して低い方の共振点はそれほど大きく周波数変化はないが、共振時の抵抗値は100Ω程度になった。

考察

ちょっと共振周波数が50MHz台というのが高すぎる気はする。1波長で共振しているとして約6m程度の長さということになるが、竿は8m以上ある。竿がすっぽ抜けたりして接合部に接着材をつけたりしているので、段間の結合が悪くなっている可能性があるのではないかと思う。この辺は結構微妙な感じ。

見かけの抵抗成分が、共振点では大きくなり、そこに給電部の抵抗値が下駄をはくような形になるのではと予想したが、実際にはそうはならず、接触抵抗も含めたアンテナ系の共振におけるQが変化していることが分かった。共振時の見かけの抵抗値は、接続の仕方によって100⇒200Ω程度と2倍も変化した。

共振点から外れた部分ので見かけの抵抗値は、締め上げの程度によって5Ω程度の変化が確認された。この値と共振時の抵抗のピーク値の変化との関係は今のところよくわからない。

ということで、確かに給電点の接続をしっかりやるとアンテナの特性に変化がみられることは確認できたけど、まだすっきりみんな分かったわけではない。接続をちゃんとするというのは単に接触抵抗を変えることなのか、もう少し何か意味があるのか、もうちょっと考えてみたい。あと、共振周波数が高いのも気になる。段間の接続ももう少し丁寧にやってみよう。あとフィールド的にはクランプ一個持っていけばいいんじゃないかと思っている。少しでも持っていくものが減らせればありがたい。