少年カメラ・クラブ

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カウンターポイズ研究

2022-08-16 17:18:32 | アマチュア無線

いろいろ実験しているカーボンアンテナ。今日はカウンターポイズをいろいろ変えてやってみた。

ちょっと不細工だけど、黒いのがカーボンロッド。カウンターポイズ(CP)は巻き尺を使っているところ。例によってクリップをきっちり止めて、アナライザーとの間は最短距離でつないだ。

1.金属巻き尺4.2m

カーボンポールの先端から給電点までの長さは8.55m。これは金属製の巻き尺をCPにしたときのアンテナ特性。CPの長さは4.2m(MAX) 抵抗値が最高になるのが12.8MHzくらいで、この値はCPを短くしてもあまり変化しなかった。共振のQ(とんがり具合)は、CPを長くするほど大きくなる。やはりアンテナとして考えるとQが高い方がよいと思われるので、このくらいの長いCPがよさげ。14MHzにチューナーを入れればよい感じで動作してくれそうな感じ。

2.金属巻き尺4.2m+電線7.8m

実験1の巻き尺に並行してもう一本電線をつなげてみた結果がこちら。

さらに急峻な共振特性になるかと思ったけど、実際にはほとんど変化せず。若干Qが下がったくらい。共振周波数は変化せず。巻き尺は1cmくらいの幅があるので、大地との容量が大きく、こちらの効果が支配的になっているのかもしれない。

3.金属巻き尺4.2m+電線7.8m+電線4.2m

さらに電線を加えてみた結果がこちら。明らかに共振は弱く(?)なった。リアクタンスはゼロにならずずっと容量性。

なんでもたくさんCPをつければいいというものでもなさそう。

4.金属巻き尺4.2m+電線4.2m(直列)

金属巻き尺でQが大きくなったので、さらに長くすればもっと良くなるかと思って4.2mの電線をシリーズにつないで見た結果がこちら。長くしてもあまり大きく変化することはなかった。周波数の位置関係はそのままで変化なし。

ということで、10m竿(実効長さ:8.85m)は、CPによらず12.8MHzくらいで共振しており、CPの長さは4.2mくらいが良さそうという感じになった。この前の記事もみるとCP=5.5mの時にいちばんQが大きくなっている。

このアンテナを14MHzで使うと結構いい感じで動作しているが、18,21になるともう少し改善の余地ありという感じがする。エレメントの長さをもう少し短くするなどしてアンテナを目的の周波数の付近で動作させた方がいいのだろうか。地上高を稼ぐ意味では長いままの方がよい気もするが、この辺が今度の検討課題。半波長をエレメントが越えると、不要な輻射も増えるので、やっぱりあんまり長くしない方がいいんだろうなあという気はする。電線エレメントや公称値7mの別のカーボンロッドもあるのでこっちでどうなるか比べてみたい。

 


カーボンバーチカルの特性(2)

2022-08-14 15:16:51 | アマチュア無線

長さ8.6mの長いカーボン竿でも実験してみた。

給電部の様子。同軸は使わず、できるだけ短距離で接続した。

1.CPなし

短い竿と同じように低い周波数の共振は消えて60MHz付近に共振がみえる。

2. CP=3.3m

14MHz付近に並列共振。

3. CP=5.55m

Qの高い共振が13MHzに。

長さが長い分、共振周波数は低めに出た。

なぜか、CPの長さによって共振のQが大きく変化する。やっぱりアンテナとして使うなら、Qが大きい方がいい気がする

 


カーボンバーチカルの特性

2022-08-14 11:10:53 | アマチュア無線

少し測定のカンもつかめてきたので、カーボンバーチカルの特性を調べてみた。実際に山でやっているのはこの形なので、一番大事といえば大事な話。

1. CPなし

カウンターポイズをつながないと、すごく小さな共振ポイディップが60MHzくらいのところにあるだけ。

 

2.CP=2.2m

いつも山で使っているCPをつけて測定。突然低い方の周波数で強烈ば共振が観測された。並列共振が大体35MHzくらいかな。

もしかすると、この半分のところにもう一つ共振点があったかもしれない。

2.CP=3.35m

さらにもっとCPを長くしてみると、共振点はさらに下がって16MHZくらいになった。

3.CP=5.5m

二つのCPをつなげてやると、共振点は14MHz付近まで下がってきた。

このくらいの長さのCPをつけてやると14MHzでもよく動作するのではないかと思う。今度山行の時に試してみたい。

 

CPの長さがアンテナの特性が大きく変化した。CPは地面に這わせてあるので、あまり長くしても電波は飛ばない気がする。10mの竿もあるので、どうなるか実験してみたい。


カーボンDPアンテナの特性

2022-08-06 14:43:12 | アマチュア無線

1.ロッドアンテナダイポール

アンテナエレメントをロッドアンテナにしてDPの特性を計測してみた。

エレメント長:118cm(片方)

高さ:285cm

ちょっと背景の電線と被って見にくいけど、給電点にアナライザーを直結して、Bluetoothでデータを転送。できるだけ周囲の影響を受けないようにし、体もはなして測定した。

金属エレメントのDPの周波数特性

リアクタンス分がゼロになる共振点の周波数が62.1MHZで、その時の抵抗値が86.96Ωとなった。

共振周波数61.2MHzに対応する波長は4.9m、0.25波長で1.22mとなる。

短縮率を0.96とするとエレメント長さは1.18mとなり実測値ともぴったり一致した。共振時の抵抗値は高さにより多少変化するが、80オーム程度でまあまあの感じ。大体ちゃんと測れているといってもよさそう。

さらにエレメント長を短くすると、抵抗値は75Ω(エレメント長:97cm)、70Ω(エレメント長:72cm)となった。共振周波数が高くなると相対的なアンテナの地上高が高くなるので、抵抗値がだんだん小さくなっていくのも納得。(最終的には73Ωに収れんするはず。)

やはりアンテナの特性は、ケーブルの長さをできるだけ短くして、周りの影響を受けないような配慮が大切ということか。

2.カーボンダイポール

カーボンロッドのDP

次にカーボンざおの一番下から2番目のロッドを抜いてきてダイポールにしてみた。

エレメント長:72cm

給電点高さ:285cm

エレメントの端をクリップで挟んだだけだと、直列共振は起こらず(リアクタンスがゼロにならず、ずっとキャパシティブ)そこで大きな紙クリップで給電し、さらにクランプでしっかり固定すると、共振周波数98.3MHz、抵抗値56.3Ωとなった(短縮率:5.2%)。カーボンなのに抵抗値が小さいのも不思議。同じエレメント長のロッドアンテナの場合は、92.2MHz、抵抗値70.2Ω(短縮率11%)となった。以前にも報告した通り、カーボンの場合周波数が高めにシフトする傾向がある。

現在実際に運用しているカーボンアンテナの給電部の構成。

 

エレメント長0.72mのDPの特性。カーボン(左)、金属ロッドアンテナ(右)

 

クランプで締め付けをせずエレメントは反対にして(紙やすりをかけてない。)抵抗値を大きくすると、共振周波数は102MHz、抵抗値は89Ωとなった。今回の実験では、クランプを使ってしっかり固定することはそれほど結果に影響しなかった。何度も使っているロッドなので、クリップで挟むだけで抵抗値が十分小さくなっているということかもしれない。この辺のデータの再現性の悪さが、このアンテナの解析を難しくする。

クランプをつけずクリップだけで接続。ロッド表面も未処理。共振周波数が高くなる。

さらにロッドにサランラップを巻いて完全に静電容量結合にすると、共振周波数は111.5MHz、抵抗値は82.3Ωとかなり高くなった。

サランラップを巻いて抵抗接続をなくして計測を行う。共振点が高くなった。

これらの結果からは、給電部の抵抗値がアンテナ性能に大きく影響していることが言えるのではないだろうか。接続部の抵抗が小さくなると、共振周波数もロッドアンテナの時に近づくが、より容量性の結合になると共振周波数が高くなる傾向になる。

(3)多段構成

さらにカーボンロッドをもう一段接続して測定すると、

エレメント長:123cm

給電点高さ:285cm

共振周波数は58MHz、抵抗値は104Ωとなった。短縮率は4.2%。接続はクランプを使ってしっかり接続した。2段目もしっかりアンテナエレメントして動作していることは確認された。

さらにエレメント数を増やした時の特性についても今後検討したいと思う。