毎年十二月後半、冬を迎えるためにバタバタと畑を駆け回る。冬野菜を厳しい寒さから守り収穫するために、昔から行われて来た作業を施している。それも霜が降りるまでに済まさないと意味がない。時間との競争である。
白菜は一番外側の葉っぱでくるむと稲わらをしごいたもので頭の部分を縛る。防寒結束である。こうすると雪が降ろうと収穫が出来る。キャベツやダイコンなどが植わる畝は稲わらを工夫した屋根とか不織布や寒冷紗でトンネルを作り冬の低温から守る。
かなりの種類と数ある野菜への対策をひとつひとつ手仕事でこなすからもう大変だ。凍える手をこすって温めながら進める作業は、まるでわが子を慈しむに等しい。
降り積もった雪を被り野菜たちがポッコリと頭をもたげている。雪をはらい掘り起こすと、野菜は健在だ。厳しい寒さに立ち向かい糖分を蓄えて、より美味しくなっている。冬場に味わう野菜は冬支度しだいである。