こころの文庫(つねじいさんのエッ!日記)

家族を愛してやまぬ平凡な「おじいちゃん」が味わう日々の幸せライフを綴ってみました。

晩夏

2017年08月20日 09時33分08秒 | Weblog
昨日の夜も、
少し暑くて
朝からぼやーっとしている。
こんな時は外に出るのが一番。
まだ日が高くなく、
緑の中は心地よい。
畑は、
夏の名残といった風情(?)である。
網をかぶせて
おサル君の悪さをガードしていた、
カボチャを確認。
眺めていると、
むらむらと来た。
Bのいて座、
我慢足りないのだな。
まだもうすこし収穫には早いかなって、
思いながらも、
手が出てしまった。
プッチーン!である。

ししとうも時期が過ぎると、
辛くなっている。
とはいえ、取っちゃいました。
写真は本日の成果(?)
ピーマンの肉詰めと、ピーマンのきんぴら、
カボチャは半分をスープにしてみようっと。
野菜は、ペットと同じように、
楽しみと幸せをプレゼントしてくれる。

昨日の続きです。
更生(後半部)

「中学校のS先生がな、あんたの成績やったら、この高校間違いのう受かるって太鼓判押してくれはったわ。去年出来た学校なんやし、やり直すには持って来いの条件なんやて」

 久しぶりの朗報に、母ははしゃいでいる。その様子を見ると、自然に頭は下がった。

 事件の日から審判の日、そしてきょうまで、気丈に取り乱しを見せなかった母の目に光るものがあった。事件の日、むせび泣いたのは意外にも父で、母は能面をかぶっていた。

(もうお父ちゃんやお母ちゃんの悲しむ姿は、涙は見とうない!)

痛恨の思いに囚われたあの日は忘れない。

 数日後に高校受験を控えての定期訪問日。保護司のFさんは、にこやかに迎えてくれた。

「うん。今日はいい顔をしとるなあ。お母さんやお父さんもえろう喜んどるやろ」

「…はい!」

 やっと表情が綻んだ。最近、Fさんの前に出ると緊張がほぐれる。自分が変わったのを実感させられる。

 受験は合格した。通学に電車を数回乗り継いで一時間ちょっとかかる。学校はまだ仮校舎状態で、その分気を使わないで済むらしい。そのうえ、在校生は二学年だけだから気楽といえば気楽である。

 ただ級友はみんな本来一年後輩にあたる。落第したかのような意識が学校生活の場で私を借り物の猫にした。合格の喜びはすぐに消えて、代わりに劣等感が支配し始めた。

「どないしたんや?少し元気があらへんな」

「い、いや、別に、大丈夫です」

 Fさんとの面談は、そんな問答を繰り返すようになった。

ある朝、体がだるくて寝床を出られなかった。学校に行きたくない!そんな思いに捉われた。「腹が痛いねん」と仮病で休んだ。定期訪問の日なのに、どうでもいいやと連絡せずに訪問しなかった。

「保護司のFさんが来はったよ」

 母に呼び起され、しぶしぶ自室を出た。

「やあ、元気そうやないか。安心したわ。気になってね、近くに来たもんやから、君の顔を見に寄ったんや」

 Fさんは、いつもの優しい笑顔だった。

「……腹が急に痛うなって……学校を休んだんです。それで……」

「調子が悪うなったら誰でも仕方ないわな。まあ一日寝てて元気になったようやで、よかったやないか。もう大丈夫やな」

 Fさんはドカッと座り込んだ。母が用意したお茶を美味そうに啜ると、世間話を口にするおじさんになった。

「誰かて時々息抜きせんと、やってられんよなあ。世間て、そない甘うないもんなあ」

 Fさんの笑顔に何の変化も見られなかった。

「誤解せんと聞いてくれよ。今の君は、普通の立場じゃあらへんよな」

「……はい……」

「僕は保護司やけど、君を支え切れるようなすごい力は、実のところ持ち合わせてないんや。それでも君を見守ることは出来る。いいかい、普通に戻るために頑張らなあかんのは、他の誰でものうて、君自身なんやで」

 Fさんの言葉は私の罪悪感を突き刺した。

「一度怠けたら、二度三度と平気に怠けられるようになってまう。周りの人たちも(あいつやからしようないわ)で済ますやろ。ええか、いま君がおるんは、そんな不安定なとこなんや。たった一度で、君が積み重ねた努力と覚悟はフイになってまうぞ。一度だけにしておくんや。そこを踏ん張るんやめたら、また親御さんの涙を見なあかんようになるぞ。そんなんいややろ。もう少しなんや、あとちょっと頑張ったら、意味は普通を取り戻せる」

 項垂れたまま顔が上げられない。

Fさんは「よっこらしょ」と腰を上げた。

「また来週、待っとるから。いい報告をしに来るんやで。ああ、それと、今日の面談は欠席やからね。この減点取り戻すんきついぞ」

 Fさんは何もなかったかのように、部屋を出た。トントンと階段を降りる音を聞いた。

 普通じゃない。それがいま置かれている立場で、他の人に甘えようなんて論外だった。

「一度だけだよ」Fさんの言葉を復唱した。そうだ、その一度を繰り返しては駄目だ!

「行って来ます!」

 朝一番の大声を出した。

「何やの、この子は」

 驚いた顔の母をしり目に家を飛び出す。 

 何かが違う。体が弾んでいる!この調子なら、きょうは何もかもうまく行く。笑った。

 ガラガラと洋瓦の屋根は崩れ落ちた。土埃がもうもうと舞い、建物は跡形もなくなった。

(あの日、ズル休みしなかったら…俺……?)

 Fさんが私に接する好好爺ぶりは、保護観察期間が終了する日まで変わらなかった。私の更生の日まで二人三脚のパートナーだった。

 土埃に咳込み後退った。洋館風の家も記憶も、瓦礫の山に埋もれてしまったのを悟った。(終わり)
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鬼車だぞ~!

2017年08月20日 00時35分11秒 | Weblog
テレビドラマ面白かったなあ。
桜木健一と吉沢京子の学生服姿も
さわやかだったよー。
というわけで、
原作漫画をピックアップ。
原作は巨人の星の梶原一騎で
漫画は奇才、永島慎二だった。
ちなみに、
永島慎二の絵は、
私には最高でした。
フーテン漫画家のイメージも、
当時の若者には
一種の憧れでもあったんだろうな。
手塚治虫のアシスタントも
やっていたことがあるというから、
当時の漫画界は
手塚治虫抜きでは語れないのです。
漫画の神様だったのです。
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