とにかく
超のつく方向音痴。
ドライブに出ると、
大体
道に迷わずに済んだためしはない。
そのたびに助手席の妻と
口喧嘩である。
ついにナビを車に搭載。
(これで道に迷うのとはおサラバ!)と
ナビだよりの家族旅行へ。
福知山から広島に。
ナビの女声は耳にここち良い。
「次の交差点を右に曲がって下さい」
が始まりだった。
ナビの指示は絶対と信じる私。
左折、右折、また右折、左折……。
気が付くと
ドンドン山の中の狭い道を
突き進む。
急な坂道、
そして危険な下り。
くねくねと曲がった道を
恐る恐る走った。
手は震え、
胸の鼓動はどくどく。
家族の誰も
口をきかなかった。
ひきつった表情は
私の心境そのもの。
汗ダクダクでヒヤヒヤしながら、
もうひたすら前進するのみ。
記憶すら
断片的にしか残っていない。
やっと広い国道に辿り着いたとき、
もうわたしの気力は尽きかけていた。
国道脇の空き地に車を停めて
しばらく呆然として
身動きできなかった。
もちろん家族も
疲弊の極みにあった。

超のつく方向音痴。
ドライブに出ると、
大体
道に迷わずに済んだためしはない。
そのたびに助手席の妻と
口喧嘩である。
ついにナビを車に搭載。
(これで道に迷うのとはおサラバ!)と
ナビだよりの家族旅行へ。
福知山から広島に。
ナビの女声は耳にここち良い。
「次の交差点を右に曲がって下さい」
が始まりだった。
ナビの指示は絶対と信じる私。
左折、右折、また右折、左折……。
気が付くと
ドンドン山の中の狭い道を
突き進む。
急な坂道、
そして危険な下り。
くねくねと曲がった道を
恐る恐る走った。
手は震え、
胸の鼓動はどくどく。
家族の誰も
口をきかなかった。
ひきつった表情は
私の心境そのもの。
汗ダクダクでヒヤヒヤしながら、
もうひたすら前進するのみ。
記憶すら
断片的にしか残っていない。
やっと広い国道に辿り着いたとき、
もうわたしの気力は尽きかけていた。
国道脇の空き地に車を停めて
しばらく呆然として
身動きできなかった。
もちろん家族も
疲弊の極みにあった。
