難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

軽中度難聴者の会

2006年03月27日 22時46分08秒 | 生活
060325_2129~001.jpg難聴という障害は聴力レベルに関係がない
しかし、身体障害者福祉法で定められた基準で、自治体から支援が決まるので、必要な支援が受けられない
こうした問題を考えるために活動している「軽中度難聴者」のグループがある。
「かものはし」だ。ややもすれば、健聴者なのか難聴者なのか、あいまいに見られがちな軽度中等度難聴者を哺乳類か鳥類か見誤られがちな動物のかものはしにたとえている。
パソコン版
http://www2.nkansai.ne.jp/users/shinkun/kamonohashi2.html
携帯版
http://www2.nkansai.ne.jp/users/shinkun/jkamo.html

「かものはし」は、京都府難聴者協会の会員が中心になって、難聴者全体の支援の必要性を訴えている。
障害者手帳の交付基準の緩和とともに、国や地域社会に対し、「軽度、中等度難聴者の存在」を認め、理解が必要だと言う。
これは、障害者自立支援法で地域生活支援事業が
市町村で各種のサービスが実施されても、それだけでは障害者は暮らしていけない。地域での理解が重要ということを指している。
町でちょっとした買い物をする際に、要約筆記者をその都度同行することは出来ない、一人で歩いている時に道を聞こうとしたら、要約筆記者の派遣を呼べない、やはりそこにいる市民に聞こえないと言うことは何か、どういうふうにコミュニケーションすればよいのかを理解してもらう必要がある。そうすれば、筆談もしてもらえるし、金額は電卓やレジの数字を示してもらうとか出来る。

「かものはし」の主張のもう一つ重要なものは、難聴者の心のケアが出来る公的な場を求めていることだ。
現在の障害者福祉制度の中では、支援を受けられるのは障害者手帳を有する障害者だけになっている。障害者が自ら福祉事務所に「障害をもつこと」を申告しなければ支援が受けられない。
難聴者は自らの障害がどの程度のものか、社会の差別の実態を十分知っているわけでもないこと、社会の偏見、無理解から障害者手帳の申請をしているものは少ない。
また、難聴は現在の聴力をもとにした基準では「障害」と認められない人が大勢いる。
厚生労働省の補装具のあり方検討委員会はこの3月に報告書を出す。これに、障害の基準も検討されていると聞く。私たちはを元に、補聴器の給付基準
や支援のあり方を要望していこう。

ラビット 記







地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業

2006年03月27日 15時31分27秒 | 福祉サービス
障害者自立支援法では、要約筆記事業などコミュニケーション支援事業は、地域生活支援事業に位置づけられ、派遣は市町村、養成は都道府県事業になる。

要約筆記者派遣事業の派遣される要約筆記者は現任の要約筆記奉仕員があたることになっているが、いくつもの問題がある。

一つは、要約筆記奉仕員を要約筆記者に転換するための事業は「要約筆記奉仕員養成・研修事業」になるのか。そうだとすると、市町村も都道府県も奉仕員養成事業はその他の社会参加促進事業のメニュー事業(義務ではない)であり、予算化されなければ要約筆記者への転換が進まない恐れはないか。手話通訳養成・研修事業と同じ位置づけであることを実施要綱に示してもらう必要がある。

二つ目は、要約筆記奉仕員は法令的には奉仕員養成カリキュラム52時間修了者のことを指しているが実際には、52時間の養成講習会を実施しているところは非常に少ない。
基礎課程のみあるいはそれ以下のカリキュラムで養成された要約筆記奉仕員の方々が認定を受けるための補習研修のカリキュラムは地域別に2種類以上用意しれなければならないだろう。
つまり、応用課程まで受講された方々とそうでない方々などだが、地域の指導内容によっても、カリキュラムのパターンがもっと多様化するかもしれない。

また、要約筆記奉仕員が一定レベルの要約筆記者に認定されても、準要約筆記者レベルなので、研修は補講として別カリキュラムを組む必要がある。

 要約筆記奉仕員
    ↓
  補習・研修 要約筆記奉仕員養成・研修事業
    ↓
   認定
    ↓
  要約筆記者
    ↓
   補講   要約筆記者養成・研修事業


このことを、今から自治体担当者に要望していかなくてはならない。

ラビット 記





「筆談器あります」

2006年03月27日 07時59分34秒 | PHSから
060326_0527~001.jpg通勤に使う私鉄の駅で、聞こえない人と話をするための「筆談器あります」の表示があった
私たちやバリアフリー関係企業の働き掛けで、交通機関にこうした聞こえない人々へのバリアフリーがすすむのはうれしい

しかし、「筆談器」はすぐに使えるように出しておいて欲しい
中途失聴・難聴者は自分からは聞こえないとか筆談して欲しいとは言えないからだ、声の出せない障害者もいる

もう少しその対応の意味を考えなければ、使われないままに終わり、聞こえない人々のニーズがないと誤解されかねない