難聴者の生活

難聴者の日々の生活から、人工内耳など難聴者のコミュニケーション、聴覚障害者の制度改革について語る。

福祉、教育等との連携による障害者の就労支援へのアプローチ   

2006年08月16日 06時04分12秒 | 生活
060812_1829~001.jpg視覚障害者施設の方から、重要な情報を頂いた。

ラビット 記
……………
7月31日、厚生労働省において、第1回福祉、教育等との連携による
障害者の就労支援の推進推進に関する研究会が開催されたとのこと。
この日の資料が厚生労働省のホームページにアップされました。
たくさんのPDFファイルで、チェックするのもつらいですが、下記サイトにありま
す。
http://wwwhaisin.mhlw.go.jp/mhlw/C/?c=109963

(中略)
就労支援と情報のアクセシビリティの問題も含めて考えていただくよう
働きかけていただいてはいかがでしょうか?

先日ご紹介したESCAP「アジア太平洋障害者の十年(1993-2002)」
最終年ハイレベル政府間会合採択の「びわこミレニアム・フレームワーク」
「F.情報、通信および支援技術を含む情報通信へのアクセス」の
重要課題にあげられている第42項を下記に紹介します。

情報社会において、情報と通信へのアクセスは、基本的人権の一つである。
版権所有者は、その内容が障害者を含むすべての人にアクセス可能となるよう
責任を持つべきである。いかなる対海賊版行為管理技術も
またはデジタル権管理技術も、障害者による情報・通信へのアクセスを
妨げるべきでない(注2)。情報通信技術は、テレコミュニケーション(電気通信)と
放送システムのバリアを打ち破らなければならない。
途上国はICTの分野で、より強力な支援を必要としている。(注2.情報と
通信への権利は、例えば以下のようなものに対するアクセスを含む:)
・国の機関により購入・使用され、または公共の利用のために民間企業により
購入・所有されるコンピューターのハードウェア・ソフトウェアおよび付属機器;
・公共の通信設備;
・地元ラジオ、ビデオの内容およびデジタルTVを含む放送システム;
・電話サービスを含む電子通信システム;
・ウェブ、マルチメディアコンテンツ、インターネット電話を含むインターネット
およびウェッブコンテンツを作成するソフトウェア;
・携帯通信機器を含むその他の消費者利用電子通信機器;
・自動販売機を含む双方向取引機器;
・電子情報システムを通じて得られるサービス;
・教科書、教師用の教材、電子学習環境を含む学習機材;
・手話を通した話し言葉と、話し言葉からの手話;
・文字を持たない土着の言語を含む母国語による情報とコミュニケーション;
・コンピューター・スクリーン・リーダーや点字、その他あらゆる方法によって
得られるすべての文字情報;
・公共利用のための今後のICT
以上の事項へ障害者が直接利用することが何らかの理由で直ちに確保されて
いない場合は、ICT開発者は、その製品と障害者の利用する支援技術サービスとの
効果的な相互運用性を確保しなければならない。
((財)日本障害者リハビリテーション協会(JSRPD)訳より)
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/intl/bf/index.html



福祉、教育等との連携による障害者の就労支援の推進に関する研究会メンバー
(五十音順、敬称略)
石井紀夫 横浜市精神障害者家族会連合会会長
小川浩 大妻女子大学人間関係学部人間福祉学科教授
佐藤宏 独立行政法人雇用・能力開発機構職業能力開発総合大学校非常勤講師
志賀利一 社会福祉法人電機神奈川福祉センター常務理事
末永太 日本労働組合総連合会総合労働局雇用法制対策局部長
高井敏子 社会福祉法人加古川はぐるま福祉会加古川障害者就業・生活支援センター

武田牧子 社会福祉法人桑友理事
時任基清 社会福祉法人日本盲人会連合副会長
中井志郎 株式会社かんでんエルハート代表取締役
原智彦 東京都立あきる野学園養護学校主幹
原田雅也 社会福祉法人全日本手をつなぐ育成会理事
東馬場良文 全国社会就労センター協議会調査・研究・研修委員会筆頭副委員長
松為信雄 東京福祉大学社会福祉学部教授
松井亮輔 法政大学現代福祉学部教授
松矢勝宏 目白大学人間社会学部人間福祉学科教授
宮崎哲治 独立行政法人高齢・障害者雇用支援機構東京障害者職業センター次長
森祐司 社会福祉法人日本身体障害者団体連合会常務理事
山岡修 日本発達障害ネットワーク代表、全国LD親の会会長
輪島忍 社団法人日本経済団体連合会労政第一本部雇用管理グループ長
計19名







愛知銀行の窓口に、耳マーク表示板が設置される。

2006年08月14日 05時51分30秒 | 生活
特定非営利活動法人名古屋難聴者・中途失聴者支援協会が耳マーク設置依頼運動の一環として、地元の愛知銀行に耳マーク設置の要望をしたことにより、実現したものだ。

今では、名古屋市の地下鉄・名鉄・近鉄・JR・栄地下街の商店街等、耳マーク設置の普及が急速に広まった事、さらに、インターネット上も全国銀行協会より「銀行におけるバリアフリーハンドブック」と言う冊子が発刊された事などが要望の背景にあるとのことだ。

愛知銀行
http://www.aichibank.co.jp/menu/news_pdf/news20060809.pdf
全国銀行協会
http://www.zenginkyo.or.jp/news/18/news180332.html
(見本がpdfでダウンロードできる)

ラビット 記


店舗のちょっとしたバリアフリー

2006年08月13日 06時43分53秒 | 生活
060813_0629~001.jpgF市のとある養峰園の店舗は入り口の数段の階段にスロープをつけ、手すりもつけてある。個人店舗に、スロープの上、手すりも付けてあるのはあまり聞かない。

きっと、このお店の中には、聞こえない人には、「栄養たっぷりなの蜂蜜、地方宅配します」って書いてあるような気がする。

ラビット 記



聴覚障害者労働フォーラムの開催

2006年08月12日 11時47分11秒 | 福祉サービス

060812_1828~001.jpg東京都の聴覚障害者関係団体は、9月24日に「労働フォーラム」の開催を準備している。

これまでの労働フォーラムでは、企業や就労支援機関が聴覚障害者に対し挨拶の励行すべきだというレベルの認識であり、もはや企業に対する「ちょっとした配慮」では、今の聴覚障害者の就労問題は解決しないことが明らかになった。

中小企業にせよ、大企業にせよ、障害者の雇用が
負担になる経営環境なので、給与を払っても、同じ労働が期待出来ない、「お荷物」を慈善的に雇用しているという認識だ。
障害者自立支援法は、施設の重度障害者、知的障害者などをイメージしているようだが、もっと私たちも聴覚障害者に対しても働く権利と就労支援の内容ををきちんと整理して、企業の受け止め方に対置することが重要だと思われる。やむなく雇用するのではなく、障害者の自立の場を与えるという社会的責任を果たす観点が必要ではないか。

聴覚障害者が会議や就労の場において、きちんと権利としてのコミュニケーション支援が行われるならば、聴覚障害者は今まで想像もしなかった力を発揮するだろう。
これまで、聴覚障害者の就労問題は、「ちょっとした配慮」で解決するかのような提案があった。それはきちんとしたコミュニケーションの保障が積み重ねられた時、普段の言葉のやり取り、指図、連絡にその
配慮が生きる。日頃からきちんとした情報提供、発言の保障があってこそ、聴覚障害者は就労から多くのことを学ぶ。

就労問題は、聴覚障害者が生き生きと働く喜びと責任を感じる体制を社会が築く中でしか解決されない。コミュニケーションを保障する制度と企業の社会的責任を自覚すること、権利擁護のための相談、支援機関が必要だ。
コミュニケーション保障を担う手話通訳、要約筆記者もその観点を持つ、高い倫理、権利擁護の意識が不可欠になる。通訳派遣事業体は、労働機関と
ともに、聴覚障害者の就労環境の改善に努める必要がある。

今回のシンポジウムでは、こうした問題提起に基づいた様々な立場の人を招いて、ディスカッションを期待したい。


デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する意見交換会

2006年08月12日 10時49分38秒 | 福祉サービス
総務省は、8月21日に、視聴覚障害者団体の代表を集めて、デジタル放送時代の視聴覚障害者向け放送に関する意見交換会を実施する。

(1)字幕放送等を巡る背景・取組等についての報告
(2)今年始めに行われた視聴覚障害者向け放送に関する調査の報告
(3)地上デジタル放送における視聴覚障害者向け放送の可能性の報告
がある。
2時間の会議で3つも報告があって、実質的な審議は出来ない。出席者が視聴覚障害者団体だけなのか、放送事業者、テレビメーカー、電波産業会なども参加するのか分からないが、この種のテーマは通常は検討委員会が設けられるが「意見交換会」になったのは何故だろう。

障害者向け放送問題の解決には、行政や放送事業者、メーカーなどの協議会、検討会に、当事者を加えた恒常的な組織が必要である。欧州ECでは、TV for Allのスローガンの下、そうした組織が運営されていると聞いている。
視聴覚障害者向け放送の実施状況の調査や放送番組のモニター、字幕・手話等の評価などは当事者が加わって進められることが必要だ。

障害者放送協議会 放送・通信バリアフリーセミナー
http://www.dinf.ne.jp/doc/japanese/conf/co20060228/index.html

視聴覚障害者は、毎年放送のアクセスの拡大のために多大な資金と労力を費やしてシンポジウムを開催しているが、これは本来は放送事業者側が開催すべきものではないか。

ラビット 記


東京都と聴覚障害者団体の動き

2006年08月12日 07時57分02秒 | 福祉サービス
8月3日、社団法人東京都聴覚障害者連盟、聴覚障害者自立支援法対策東京本部、東京手話通訳等派遣センター運営委員会、自立支援センターコミュニケーション事業委員会が合同で、コミュニケーション支援事業に対する文書を関係者に発信した。
その中で、東京都の姿勢と聴覚障害者団体側の対応について、記述がある。

<今までの経過と今後の予定>
・7月4日、(社)東京都聴覚障害者連盟と福祉保健局との懇談会、7月5日の東京手話通訳派遣センターの在宅福祉課との話し合い、いずれにも都から「都レベルの派遣事業は残せない、区市からの契約を受ける方法でやって欲しい」との回答。
・7月7日の都手話通訳派遣センター運営委員会、7月11日の自立支援センターコミュニケーション事業委員会等で委託契約方式への移行はやむなし、具体的な準備を進めることを確認。
・7月19日のNPO東京都中途失聴・難聴者協会と福祉保健局との懇談会でも同様の回答。
・7月20日、第4回自立支援法地域担当者会議で委託契約方式への移行を発表、説明。
・8月1日、都手話通訳派遣センター運営委員と自立支援センターコミュニケーション支援事業運営委員の合同会議で要綱や単価を審議、確認。
同日、東京都聴覚障害者福祉対策会議(自立支援法対策東京本部)臨時幹事会で方針、要綱案等を審議確認。相談事業の方針も確認。
・8月2日、在宅福祉課と話し合い、区市に文書を出すことの了解を得ると共にそれに対する都の支援(要綱等に添ったガイドラインを作る等)を確認。
・8月3日、文書と資料を区市自治体、地域聴覚障害者組織(自立支援法地域担当組織か地域聴障協会)に送付。
・8月7日(月)の第21回福祉対策会議で、幹事会の報告が相談事業等も含め説明された。

今後の予定は以下のとおり。
・8月7日より事業体事務局レベルでの地域とコンタクトを開始予定。実際に会うときは地域の聴覚障害者組織と事前に協議すると共に、事務レベルの折衝と実現に向けた交渉があるが、後者の交渉にはなるべく同行する。
・8月19日(土)第5回地域担当者会議。要綱等についての説明及び地域の状況を確認する。
・8月末頃、都在宅福祉課より地域自治体へコミュニケーション支援事業ガイドラインを提示すると言っている。
予定。



国連障害者の権利条約第8回特別委員会へ

2006年08月11日 17時12分19秒 | ニューヨークで
全難聴は、8月16日から18日まで、代表を3名を二本障害フォーラムJDFの代表団として派遣し、ニューヨークで国連の第8回特別委員会で、サイドイベントやロビー活動を積極的に行う予定だ。
特別委員会のマッケイ議長の昨秋発表された条約案のテキストに対して、各国とも各障害者団体とも活発な意見を寄せ、1月の委員会では、
難聴者に関わる条項について、文字表記が明記されるなど、大きな前進があった。しかし、文字通訳については文字表記に入ると政府のほうでも理解しているが、例示に入っていないので、明確な文字通訳を条文に入れることが最大の活動目的となっている。

16日は旧盆で入出国で込み合うことが予想されているが、英国のテロ未遂事件の影響で、搭乗チェックが厳しくなった。搭乗チェックというと補聴器や人工内耳がいつもチェックに引っかかる。
早めに空港に行くことにしよう。

ラビット 記



聴覚障害者早瀬久美さんから

2006年08月10日 15時12分03秒 | PHSから
060728_0845~001.jpg聴覚者薬剤師の早瀬久美さんからのメール↓↓
お世話になっております。ご存じのかたもいらっしゃると思いますが、8月10日(木)夜19:57~フジテレビ系列で「奇跡体験!アンビリバボー」に光栄にも早瀬やわたし、スマイルフリースクールのみなさんなどがとりあげられる予定です☆
ぜひ周りの皆さんにもお知らせしてあげて下さいね♪早瀬久美より








インターネットTVのアクセシビリティは?

2006年08月03日 22時18分44秒 | 機器について
060803_1523~001.jpgインターネットテレビが販売される気運だ。
地上波デジタルテレビがインターネットとの親和性を持つのは映像と音声、データをデジタル処理する仕組みが似ていることからうなづけるが、家庭にブロードバンドが普及したことが大きい。
インターネットテレビは何をもたらすのか。
視聴者はテレビを見ているのかインターネットを見ているのか気にせず、「番組」を見るようになる。
テレビには字幕放送があるがインターネットテレビには字幕「放送」ない。私たちのアクセスは大丈夫だろうか?

インターネットのデータを受ける仕組みが出来るなら、「放送側」がコンテンツをテレビ信号に変換して電波で送る代わりにインターネットプロトコルによりデータを送れば大容量のデータが送れるだろう。

これは、インターネットの父と言われるヴィントン・サーフ博士が10年前のアメリカ難聴者大会で「星間インターネット」構想を紹介していたのを思い出した。サーフ博士は難聴者だ。

ラビット 記




すべての区市で手話通訳と要約筆記事業を事業協会に委託を!

2006年08月03日 19時58分40秒 | 福祉サービス
昨日、東京都に、区市に対して手話通訳と要約筆記派遣事業を東京聴覚障害者協会に委託を要望することを説明した。東京都の担当者は説明を聞き、了解された。
これを受けて、東京の聴覚障害者関係団体は以下の文書を発信した。

ラビット 記
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2006年8月3日
区市聴覚障害者協会会長 様
地域自立支援法担当者 様

             社団法人東京都聴覚障害者連盟
             聴覚障害者自立支援法対策東京本部
             東京手話通訳等派遣センター運営委員会
             自立支援センターコミュニケーション事業委員会
                       (各代表名・公印省略)

 東京のコミュニケーション支援事業の具体施策について

 謹啓 各地域の代表、担当の皆様におかれましては、猛暑にも負けずに
ご活躍のことと存じます。
 さて、自立支援法の制定に伴い、昨年より1年以上にわたり東京都福祉
保健局に対して、地域(区市)と都レベルの二本立ての派遣事業(手話及
び要約筆記)の継続を要求して参りましたが、東京都は法的根拠がなくな
ることから、都の派遣事業の廃止を撤回せず、来年度予算案に都レベル
の派遣事業は計上されないことになりました。(養成、その他の事業は
継続)
 これにより、今まで通りの都レベルと地域レベル両方の派遣を受ける
ためには、地域事業の一部又は全部を都の事業体へ委託する形が必要
になってまいりました。
 委託には社会福祉法人が必要であり、それは私たちの運動の中で設
立された、「社会福祉法人東京聴覚障害者福祉事業協会」をおいて他に
ありません。
 地域事業の社会福祉法人委託を推進するために、それらの具体的
方策(要綱、契約内容等)や今後の進め方を、東京都とも相談しながら東
京都レベルの団体で話し合いを重ね、同封のような文書及び資料をまと
めました。
 ポイントは以下の通りです。
1.都レベルの派遣(手話、要約筆記)を受けるために、社会福祉法人
東京聴覚障害者福祉事業協会と契約していただきたい。(文書①及び資
料1~2)
2.契約の形は以下の3通りの中から地域の状況に応じて選択。
・コミュニケーション支援事業の前面委託(資料②及び③)
・コーディネーター部分だけの委託(資料④)
・単価契約(資料⑤及び⑥)
 この文書及び資料を、区市の自治体(区市役所の障害者福祉管轄部署)
へ送付いたしましたので、地域の聴覚障害者団体及び関係者の皆様にお
かれましては、主旨をご理解下さり、都内全地域が何らかの形で都と契
約するようにご協力をお願いいたします。
                               以上



コミ支援事業の合同委員会開催 

2006年08月02日 22時13分28秒 | 福祉サービス
060729_1424~001.jpg060730_1620~001.jpg8月1日、東京聴覚障害者福祉事業協会手話通訳派遣等センターと東京聴覚障害者自立支援センターの二つの聴覚障害者コミュニケーション支援の事業体の運営委員会が合同で開かれた。

①コミ支援事業をひとつの事業体に契約すること
②実施モデル要項を手話通訳と要約筆記者を派遣する内容にしたこと
③それぞれの事業体のコミュニケーション支援事業を事業協会のコミュニケーション支援事業に統合すること
を確認した。

これは、障害者自立支援法により東京都が手話通訳・要約筆記者派遣事業を区市に任せることから、東京都の高いレベルの手話通訳や要約筆記を誰もが利用出来るようにするためだ。
区市の予算策定は全ての区市で事業協会と契約出来るようコミュニケーション支援事業のモデル実施要項をまとめた。
契約を全面委託か単価契約、コーディネート委託の三つの方式で採用を迫ることになる。

コミュニケーション支援の担い手の養成や国会から企業、大学、各種社会資源、放送事業者など様々な有料派遣を含むコミ支援事業全体を統合的に実施することになる。

この確認が出来たのは運動体にとって大きな成果だ。
これで、区市が国のコミ支援事業実施要項の内容に本来の意味で制度にそった事業を選択しやすくなり、要約筆記事業が社会福祉法人の法定事業としても実施できるようになる。
また聴覚障害者総合センター構想の実現に近付いた。

しかし、課題は多い。

ラビット 記



手話通訳と要約筆記者派遣事業のコミュニケーション支援事業 

2006年08月01日 08時08分37秒 | 要約筆記事業
地域生活支援事業のコミュニケーション支援事業は要約筆記者派遣事業と手話通訳派遣を実施するものだが、ほとんどの市町村では要約筆記者派遣事業は実施されていない上、難聴者組織から実施を働きかけが行われていない場合は手話通訳派遣事業のみが実施されるかも知れない。

なぜなら、「聴覚障害者=手話」というのが社会通念となっており、東京都の区市の障害福祉課担当者ですら、つい半年前には要約筆記を見たことも聞いたこともなかったのだ。
実際に東久留米市ではコミュニケーション支援事業に要約筆記は入っていなかった。
さらに障害者自立支援法の第77条2項には、手話通訳等聴覚障害者の意思疎通の仲介をするものの派遣をするとあって、要約筆記は厚生労働省規則には手話通訳等にあたるとされているが普通は分かりにくい。

障害者自立支援法で派遣されるのは「要約筆記者」であることがなかなか理解されていない。
要約筆記者は現在のところまだ養成されていないので、コミュニケーション支援事業実施要項には要約筆記奉仕員を含むとされているが、これはそのまま派遣されることにはならない。

要約筆記者や難聴者組織の中にも、「そういうことは実施要項に書いていない」と言う人もいるが、要約筆記奉仕員派遣事業がなくなって、要約筆記者派遣事業になったのはなぜか考えて欲しい。
奉仕員しかいなくて、要約筆記者が誕生するのが後なら、その時に変えれば良いのにそうならなかったのはなぜか。
要約筆記「者」にならねばならない背景と必然性があったのだ。

三位一体改革の巨額の補助金削減による「サービスの効率化」、施設から地域福祉重点への施策転換、障害者の権利意識の高まりによる支援サービスの制度化、やはり権利を求める難聴者の書ける要約筆記者の需要がある。

これまで私たちは難聴者の権利を守るために活動してきたと良く聞く。
難聴者の権利を守る要約筆記を要約筆記奉仕員が提供出来ているのか?
自分たちの活動の評価を求めるなら、毎日聞えの不自由な生活、差別を受けている私たち難聴者の状況はどうするか。

奉仕員では、難聴者が「権利を行使する」ために利用できない。「評価してあげなければ(感謝しなければ)せっかく一所懸命やってきたのに」と言われるのでは、気兼ねしながら依頼するのでは、依頼するのもためらってしまう。行政のサービスは奉仕員では提供されない。立場が違う。060729_1137~001.jpg060729_1137~002.jpg

ラビット 記
写真は、自動車免許で運転するスーパーバイク。220万円。