老い生いの詩

老いを生きて往く。老いの行く先は哀しみであり、それは生きる物の運命である。蜉蝣の如く静に死を受け容れて行く。

107;皿を投げる婆さん

2017-05-17 18:44:41 | 老いの光影
朝焼け
ご訪問いただき、ありがとうございます 

寝たきりになっても 
どういうわけか 
爺に比べ婆のほうが元気である

大正14年生まれ91歳になる大熊ステは 
正岡子規と同じく
24時間臥床の生活にあっても
気に入ったおかずは食べるが 
気にいらないおかずは握りつぶす
ときには皿を投げてしまったりするので
長男嫁は 
発砲スチロールの「皿」に変えてみた
付かず離れずの距離で介護かな
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106;嫉妬

2017-05-17 16:22:17 | 老いびとの聲
ご訪問いただき、ありがとうございます 

男性の嫉妬は醜い
女性の嫉妬は可愛いが
時には怖い時もある

他の女性が優しくされると
嫉妬する女性がいた

他者から優しくされたことがない女性
他者の痛み・悼みや悲しみを
気にすることなく生きてきた女性

この先 老い往き
誰かの手が必要となったときに
人の優しさに気づくのであろうか
それとも気がつかず
不幸な女性と嘆いてしまうのか

老いたとき
喜怒哀楽をわかちあう友がいないほど
寂しいものはない

優しさは無償の行為であり
感謝の気持ちから優しさが施される
嫉妬は優しさを奪ってしまう








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105;人間って可哀想なもんだ

2017-05-17 03:22:23 | 老いの光影
田植えが終わり 水田は大きな鏡
水田に映る風景は素敵 お気に入りの1枚

ご訪問いただき、ありがとうございます 

私は団塊世代の端くれの年齢なのか と思っている
仕事一筋に生きてこられた団塊の世代
男性の平均寿命は81歳位
平均寿命であって個々の寿命は違うので
あと20年から30年は生きられる と。
ただ 人生、一寸先は闇
この先何が起こるかわからない
しかし
人間誰しも この先何が起こるとは考えてはいない
それはそれでかまわないと思うのだが
男は女に比べ 口ほど以上に弱い動物である 
痛みにも男は弱い

元気なとき男は「えばる」けど
妻に先立たれ 男が一人になったとき
特に体が不自由になり 
誰かの手助けを必要になったとき
そんな自分に歯痒く 
どうしていいかわからなくなってしまう

82歳の角谷三郎さんは
東日本大震災で持ち家が倒壊し
いまは独りで貸家住まい
妻は40年前に病死された
2女1男の子どもがおられるが疎遠

三郎さんは
糖尿病の他に
4年前に左腎細胞癌がみつかり
末期腎不全となり週3回血液透析
食事管理があるだけに男一人暮らしの生活は厄介である
その彼が今年の冬2月19日 居間で転倒
左大腿骨転子部骨折で入院 
手術をされ杖を頼りにどうにか歩けるまでになった

退院に向け
これからどう独り暮らしを再開していくのか
昨日 三回目の相談を行った
40年余り男独りで生活をしてきただけに
頑固一徹なところがある
最近物忘れも出始め 
置忘れや日付曜日が混乱してきている

彼は話す
「いろいろ考えていると
夜も眠れない
人間って可哀想なもんだ。
不味い美味いは別にして
今まで料理は自分でやってきた。
いま こうして世話になり
申しわけない」
と涙ぐむ。
「長いつきあいになるが、
(自分の命は)あと2年かもしれない」
気落ちした言葉を吐く彼。

今月の27日退院に向け
手すりを付けるなど住宅改修の段取り
週2回のデイサービス
朝夕のヘルパーによる家事援助
週3回の透析時の通院乗降介助
サービスは増え 一月に5万円余りの出費が見込まれるだけに
彼としても
「夜も眠れなくなってしまう」

独り暮らしの高齢男性が
病を抱え生きて往くこと
本当に不安だらけ
不自由な自分の身の上を思うと
「人間って可哀想なもんだ」
と 呟いた彼の言葉が耳朶に残っている





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