(花かつみ)
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(奥の細道【十】安積山)
郡山市によれば、
(浅積山を松尾芭蕉と曽良は、
元禄二年五月一日(新暦1689年六月十七日)、
「奥の細道」紀行でここを訪れ、
「安積山」では「万葉集」に詠われている
「花かつみ」を尋ね歩いている。
「奥の細道」には次のように記されている。
「等躬が宅を出て五里斗(ばかり)、桧皮(ひわだ)の宿を離れてあさか山有(あり)、
路より近し。此のあたり沼多し。
かつみ刈る比(ころ)もやや近こうなれば、いづれの草を花かつみとは云ぞと、
人々に尋(たづね)侍(はべ)れども更(さらに)知人(しるひと)なし。
沼を尋ね、人に問い、「かつみかつみ」と尋ねありきて・・・」)とある。
東北本線日和田(ひわだ)駅を出て、旧道に出る。北に向かって十分ほどで、
左側に農協の広い駐車場に出る。
右側に小山があるが、それが安積山で、
「安積山公園」の大きな石碑が建っているので分かり易い。
(安積山公園入口)
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駐車場は公園を通り過ぎて、
最初の信号を右に少し行った所に大きなものが二か所ある。
そこに駐車して、公園に入ろうとしたところ、
どこも縄張りがしてあって、公園に入れない。
よくよく見ると、にわか作りの看板があって、
「地上50センチのところで放射線が確認されたので、
除染が終わるまで立ち入り禁止です。」とある。
考えてみれば駐車場に車が一台もないのに、
「オヤッと思った」どんなに辺鄙なところでも、
公園となれば、普段であれ、休祭日ならなおのこと、
車が十数台は停まっているはずが一台もない。
よくよく見渡すと、この山裾の全体に縄張りがしてある。
しかし、福島原発が地震で倒壊して、もう三年経つ。
しかも原発の場所から少なめに見ても50キロメートルはある場所だ。
そこにまだ除染が必要な場所があるとは予想もしなかった。
福島の復興は原発からの復興であり、
まだまだ先の事であることがよーく分かった。
中に入れないなら仕方がない。
外から安積山公園の大きな石の案内をみて帰ろうとすると、
石碑の手前に、芭蕉が探したという「花かつみ」草が花開いている。
「芭蕉が花かつみ、花かつみと云って探し求めた草は何だとお思いですか?」
後の芭蕉の研究者によると、花かつみは学名「ヒメシャガ」のことのようです。
(花かつみのヒメシャガ)
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・安積山 若草は知る シーベルト hide-san