楽しんでこそ人生!ー「たった一度の人生 ほんとうに生かさなかったら人間生まれてきた甲斐がないじゃないか」山本有三

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     ・おくのほそ道を歩く

みさぶらひみかさ(芭蕉の道を歩く 66)

2017年07月15日 04時42分38秒 | 芭蕉の旅
芭蕉は、仙台に入って榴岡天満宮をお詣りした後、

おくのほそ道で、
「名取川を渡て、仙台に入る。あやめふく日也。
――中略――
日影ももらぬ松の林に入て、茲(ここ)を木の下と云うとぞ。
昔もかく露ふかければこそ、「みさぶらひみかさ」とはよみたれ。
 薬師堂・天神の御社(みやしろ)など拝みて、その日は暮れぬ。」
とある。

これを例によってボクの勝手な現代語訳では、
(陸奥国分寺跡は、仙台市若葉区木の下と言う所にあって、
陽の光も通らぬほど松の木が茂って、
露が多く垂れて、雨のように濡れるから、
これを昔の人は「みさぶらひみかさ」と詠んだのだ。
薬師堂・天神の社殿などを拝んで、その日は終わった。)となる。

「みさぶらひみかさ」の出典は、古今和歌集の和歌にある、

・みさぶらひ 御笠(みかさ)と申せ 宮城野の
               木の下露は 雨にまされり
から採ったものだ。

「みさぶらひみかさ」とは何だろうと疑問を持った。
解説を見ると、漢字で書くと理解しやすい、
つまり「御侍(みさぶらひ) 御笠(みかさ)」と書く、
「お侍、笠を」と言うことなのだ。

この当時の貴人のお共はお侍であったようで、
ボクの勝手な現代語訳では、
(宮城野の木の下の露は雨のように垂れるから、
お供のお侍さんよ、主人にお笠をお召くださいと言ってください。)となる。

さて木の下であるが、仙台市の地名であると同時に、
深い松林であったようで、現在も松林ではないものの、
ケヤキなどの鬱蒼とした木の下を歩いて行くと言う意味にもとれる。

その林の入り口に「史跡 陸奥国分寺跡」の石碑が見えた。

(陸奥国分寺跡の碑)
(木が重なり合って深い林)
(深い林の向こうに見える薬師堂)
(木の下にあやめも咲く)

陸奥国分寺は、
(正式には金光明四天王護国寺といい、天平13年(741)、
聖武天皇の発願により全国に建立された国分寺の一つで、
最北に位置しています。
その後、藤原秀衡によって堂宇僧坊の修復が行われましたが、
文治5年(1189)源頼朝の奥州侵攻の際に兵火で焼失しました。
これを伊達家が薬師堂などを建てて再興しました。
国分寺跡は、発掘調査で礎石のありさまから金堂を中心に福廊式回廊が巡らされ、
中門・南大門・講堂・鐘楼・経蔵・食堂などがあったと判っており、
その規模は奈良の東大寺と同規模であったと推定されています。)とある。

薬師堂は、国分寺金堂跡に慶長11年(1606)、
伊達政宗によって再建された。
厨子内には薬師如来像が安置されているようだ。

また薬師堂鐘楼の周りには、礎石が数多く観られ、
国分寺が大伽藍であったことが窺がえます。

その礎石を辿って行くと、薬師堂仁王門があり、
茅葺で江戸時代の建築様式が見られ、中の仁王様がにらみを利かせていた。

(薬師堂1)
(薬師堂2)
(薬師堂鐘楼)
(礎石が沢山観られる1)
(礎石が沢山観られる2)
(礎石が沢山観られる3)
(仁王門)
(仁王門の扁額)
(仁王門の阿形の仁王様)
(吽形の仁王様)
(仁王門前の国分薬師如来の石柱)
(仁王門から見た薬師堂)

さて、芭蕉の足跡は、この薬師堂の西側にある準胝(じゅんてい)観音堂の参道にある。
仁王門から左へ目をやると、準胝観音堂は林の中に朱塗りの姿を見せている。


(準胝観音堂は林の中に朱塗りの姿)
(準胝観音堂)
(準胝観音堂の参道脇に見える芭蕉句碑)
(芭蕉句碑)
(「あやめ草~」の句碑)

参道にある芭蕉句碑には、

・あや免草足尓  芭蕉翁
     結ばん艸 鞋能緒

(あやめ草 足に結ばん 草鞋の緒)と刻まれている。

おくのほそ道に、「あやめふく日也」と書きこんでいるが、
この俳句のの伏線であったと考えるのは考えすぎであろうか・・・・。
薬師堂西にあやめ草の一群が咲いていた。

碑陰には句碑建立の由来が書かれているらしいが、
ボクには読むことが出来なかった。

ただ、最後の一行に

・暮れかねて 鴉啼くなり 冬木立

とかろうじて読める程度であった。

(芭蕉句碑の裏面)

準胝観音堂の裏側に回ると、各種石造が立って居り、
中に延命地蔵さんがあった。

(延命地蔵尊など石造物1)
(延命地蔵尊など石造物2)

これら石造物も芭蕉が訪ねた頃より、何百年と風雨の中にある。






コメント (9)
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