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アメフト観戦記や読書日記を綴っていましたが、最近は古墳(コフ)ニストとして覚醒中!横穴式石室をもつ古墳にハマっています。

飛鳥の石造物⑥ ~亀形石造物~

2020-03-09 00:17:56 | 史跡を歩く

 飛鳥にある奈良県立万葉文化館へ行く道に入らず、少し下るようなところを入っていくと亀形石造物と言われる遺跡を見学することができる。

 

 最近は、この遺跡の南側の丘の上にある酒船石などの遺跡などと併せて酒船石遺跡と呼ばれることもある。ただ、酒船石と一体の遺跡であったかどうかは議論が分かれるところでもあるらしい。

 という訳で、入り口の小屋で文化財保存協力金300円を支払い、遺跡を見に行く。遺跡は、一面に石敷になっており、湧水施設、小判形石造物、亀形石造物からなる導水施設を露出展示されている。この遺跡は、平成14年の発掘調査のおりに検出されたもので、世に知られるようになったのは、わりと最近のことである。発見されたときは、かなりテレビや新聞などのマスコミの話題になったことを覚えている。

 

 亀形石造物は、全長2.28m、幅1.92mを図り、頭を小判形石造物と接しており、小判形石造物から流れ出た水を受けて、胴体でたまった水が尻尾から流れ出るようになっている。亀形にはちゃんと足が4本あり、指もきちんと造形されていた。

 

 小判形石造物は、全長1.69m、幅0.98mを図る。この小判形石造物は、湧水施設から流れ出た水をいったん受けるのだか、ここから亀形石造物に流れるのだが、その排水部となる穴が、上部に造られていることから、小判形石造物の水槽部分に溜まった水の上澄み水が、亀形石造物に流れるようになっており、一種のろ過装置の役割を果たしているらしい。

 

 そして、その小判形石造物に水を灌ぐ湧水施設がある。石を何段か積み上げたところから水をひいている。この水は、この丘から湧いている水だそうだ。

 そしてこれらの施設の周りには石が敷かれており、また亀形石造物から流れ出た水は、石敷きの中に溝が掘られており、底から流れ出るようになっている。

 

 この遺跡の性格については、水を使った祭祀施設と言われているが、詳しいことはわかっていない。ただ、面白いことに、7世紀の中頃に造られたこの施設は、平安時代の9世紀の前半まで使われていたらしい。確か数年前、飛鳥寺西方遺跡の発掘調査でも平安時代の祭祀跡が検出されていたと思う。この施設とも何らかの関係があっても不思議ではなさそう。

 この遺跡については、日本書紀に記載のある斉明天皇の両槻宮(ふたつきのみや)と関連する施設という説もある。とにもかくにも斉明天皇と大きく関係のありそうな施設である。

 僕が、この遺跡を訪れた時は、東側の石段のあった場所が、シートに覆われていた。聞くところによると、昨年の台風の影響で石垣が、崩れたために保護のため覆っているのだと思う。シートで覆われた姿が何とも痛ましい。工事は3月末でいったん終了ということで、修復された後の姿が楽しみである。

 写真は今から10年程前に行った時の写真。よく見ると、敷石が現在の様に赤くなっていない。

 しかし、一体どういった祭祀が行われていたのだろう。不思議だ。



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