秋も中盤にさしかかってくると、飛鳥に彼岸花と棚田を見に行かないと落ち着かない気分になる。今年は、コロナウィルス感染症により、飛鳥光の回廊2020や彼岸花祭り2020が中止となり、非常に残念な心持であった。
その代わりと言っては何だが、美しい棚田で知られる稲渕地区では、今年も案山子コンテストが行われているとのことなので、石舞台古墳のある国営飛鳥公園から、稲渕の方をめざしてぶらぶらと、彼岸花や棚田などのいかにも日本的な風景を眺めながら歩いていくことにした。
途中、マラ石や飛鳥稲渕宮跡などを横目に緩やかに傾斜している道を歩いていく。今年は、路上駐車対策として、道路に沿って赤いコーンが置かれていた。これだけのコーンを並べていくのも結構大変であろうなあと思いつつ、景観としてはあまりよろしくことではある。
棚田も日本の原風景のような様子なのだが、耕作する人がいないのか、部分的に耕作が放棄されたような感じで荒れ地になっている所がある。農業の担い手の高齢化と後継ぎ問題の現れなのだろう。何とかならないものなのだろうかと思う。
公園から30分ほど歩くと稲渕地区に到着する。広い谷が、稲渕が近づくにつれて狭くなっている。
稲渕からこの奥の栢森、入谷などにかけては、近年、奥飛鳥とも呼ばれ、国の重要文化的景観に指定されている。少し整備がなされていて、反対側にはトイレや休憩所が設置されている。
この場所で、案山子コンテストの投票が行われていた。コンテストに出展している案山子が写真パネルになっていて、それを見て投票をする。投票するとポストカードが1枚もらえた。ちなみに案山子コンテストは、1996年からNPO法人明日香の未来を創る会によって開催されていて、息の長いイベントではある。
今年は30点が出展されている。
一番、目についたのは今年の春、コロナウィルス感染症により亡くなった志村けんさんのバカ殿の案山子。コロナ禍により、経済的に大打撃を受けているが、すべての不安、心配事などを「大丈夫だあ」と笑って流そうということなのだろうか?
まさか、志村けんさんが、芸能人でコロナで亡くなった人第一号になるなんてなあ。驚き以外何物でもないなあ。
稲渕の所から、朝風峠の方まで、何体もの案山子が置かれている。ここでいくつかを紹介してみよう。
一緒に行った奥方のお気に入りはこれ↓
私は↓に投票。
案山子を眺めながら朝風峠に行くと、白や黄色の彼岸花が咲いている。
こういった色の花はあんまり見たことがない気がする。
そして、稲渕からさらに歩いて栢森まで行ってバスで引き返そうと考えていたのだが、これがこの日最大の失策で、この石舞台~栢森の路線バスが、いつの間にか廃線になっていた。
えらいこっちゃで、最終的に竹野王の石塔や伝南淵請安墓まで行って急いで引き返すことにした。
危ない、危ない。栢森まで言ってたら帰れんとこだった。
ちなみに案山子コンテストの結果は以下の通り。
入選作は、「パン君の思い出」、僕が投票した「棚田に響くトリオの調べ」は優秀作、奥様が投票した「免疫戦隊アマビーナス」は佳作でした。
皆様、お疲れ様でした。また、来年もよろしくお願いします。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます