王様の耳はロバの耳

横浜在住の偏屈爺が世の出来事、時折の事件、日々の話、読書や映画等に感想をもらし心の憂さを晴らす場所です

取手駅前で無差別傷人

2010-12-17 18:58:09 | 社会
響く悲鳴、床には血 通学の朝襲った刃物 取手駅前襲撃(朝日新聞) - goo ニュース

今朝17日朝通勤通学時間に取手駅のバスターミナルからばすに乗り込み車中の乗員を大勢無差別に切り付けた男が取り押さえられました。
殺人未遂容疑で捕らえられたのは無償斎藤勇太(27)で「自分の人生を終わりにしたかった」と話しているそうです。
死にたければ首でも吊れよとはこの話を聞いた人の意見です。浜爺もそう思いました。

なんともぞっとする様な嫌な事件ですね。
夕方7時のNHKニュースが冒頭に取り上げていました。
負傷者は14名に及んだ様ですが死亡者は無かったようです。不幸中の幸いでした。
心身ともに早い回復をお祈りいたします。

それにしても偶然ですが浜爺は今朝「凶悪犯は増えていない」との学者さんの意見に「そうかなー?」と疑問を呈してばかりでした。

この男、14名と多数ですが殺していないので割合軽い刑で終わるのではないかと不安です。
いづれにしても犯行の背景や心理状態については明日以降の報道に待つしか有りません。
本当に「何となく不安を感じて嫌ですね。嫌な世の中な気がします」


朝日新聞:
学校に向かう中高生で混み合うバスの中で、男は突然、包丁で生徒らに次々と襲いかかった。17日朝、茨城県取手市のJR取手駅前で起きた切り付け事件。生徒たちは悲鳴をあげて逃げまどい、通勤・通学の風景はいつもの朝と一変した。調べに対し、男は「自分の人生を終わりにしたかった」と話しているという。

 17日朝。茨城県南部のターミナル駅であるJR取手駅西口は、多くの通勤・通学客で混み合っていた。

 午前7時45分発の江戸川学園取手中学・高校行きのバスには生徒約50人が乗っていた。突然、悲鳴が響いた。

 「きゃー」「助けて」

 バスの運転手の男性(42)が「生徒同士のケンカか」とバックミラーを見ると、後ろの乗降口から乗り込んだ男が刃物を持って暴れていた。

 黒いジャンパーに黒いズボン。男は無言だった。男子生徒の一人が抵抗していた。

 運転手の男性はあわててクラクションを思いきりならして警告し、「早く逃げろ」と声を掛け、前の扉も開けて生徒たちを逃がした。

 江戸川学園の女子高校生(16)は、乗降口から男がバッグを持って乗り込んでくるのを見た。次の瞬間、突然あごを切り付けられた。

 「知らないうちに切られていた。どうやって切られたのか分からない」。マフラーには血がついた。

 男子高校生(16)は、男に突然左足を殴られた。生徒たちはバスの出口に殺到し、折り重なるように倒れた。

 駅前にいたタクシー運転手の松本岩夫さん(67)は、突然の凶行に驚き、バスに向かった。倒れた生徒を助け、バス内に入ると、床などに血が広がる中、生徒たちが男を取り押さえていた。

 だが、男はバスの外に逃げ出し、後ろに止まっていた2台目のバスに入ったという。

 2台目のバスの男性運転手(44)は、男と2~3秒ぐらい、にらみあいになった。男は手に刃渡り15~20センチぐらいの包丁を持っていた。
男がバスの後部に向かうと車内はパニックになった。20代の男性会社員2人が、男を床に押さえつけた。

 男は押さえつけられながらも、ずっと包丁を握りしめていた。刃の部分以外には粘着テープが巻かれていたという。

 駅周辺は大混乱に陥った。

 1階のコンビニエンスストアには、生徒たちが悲鳴を上げながら逃げ込んだ。

 女性店員が驚いて店を飛び出すと、路上に血が飛び散った痕がいくつもついていた。

 駅前にはサイレンが鳴り響き、制服姿の生徒たちは路上に座り込んで、消防隊員から応急処置を受けた。

 取手駅から江戸川学園までは約2キロ。バスで10分ほどだ。中高あわせて1960人が学ぶ同学園へは、通学時間帯にはバスが5分に1本の間隔で出ている。

 江戸川学園には、駅前でバスの乗車指導にあたっている教員から連絡が入った。

 「バスの中で男が暴れている。手に負えないので応援を頼む」

 同学園は教員10人ほどを現場に送った。ホームルームを開いた後、中学・高校別に集会を開いて、副校長が生徒に事件について説明した。授業は午前で打ち切った。

 中山貴博・中等部副校長(53)は「突然のことだったのでまだ混乱している。無差別にこうした事件を起こしたことには、憤りを感じている。けがをした子どもたちをはじめ、生徒たちに最大限のケアをしていきたい」と話した。 (引用終わり)



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「終身刑の死角」を読む

2010-12-17 07:03:41 | 本を読む
つい先日も「裁判員裁判」で鹿児島の老夫婦殺しで「死刑か無期か」と想定された被疑者に「推定無罪」が出ましたね。
日本の刑法が「死刑」を規定している事には国際人権組織が非難を浴びせたり09年5月から裁判員裁判制度が始まる事もあり「死刑に替えて仮釈放のない無期懲役」を制定したらどうか?との動きも有ります。
さて浜爺も「そんなに死刑が悪ければ仮釈放なしの無期懲役刑を設ける事には賛成でした」
過日ブログの知人「りゅうちゃんミストラル」の管理人りゅうちゃんが11月22日に「終身刑の死角」について言及していたので図書館から手に入れて読んでみました。
本は洋泉社発行、著者は河合幹雄氏で現在桐蔭横浜大学教授の方です。
さて後書きによれば著者は上述の世相を反映し08年5月から超党派の議員連盟が「仮釈放の無い終身刑」の導入をすべしとの方向に動き出した事を捉え「無謀な法案阻止」を目的として執筆したそうです。

冒頭部分で「犯罪白書」等に言及、犯罪件数は必ずしも激増していないとか「凶悪犯罪」も同様との氏の見解が述べられますが果たしてそうなのでしょうか?
浜爺の生活実感と一致しません。

それはさて置きに知識として日本には交通事故犯罪を除き毎年3万人が刑務所に入り前から入っている受刑者とあわせ7万人が刑務所にいる。

この3万人の多くは再犯者で「知能指数が低い(概ね70前後)、最終学歴が中卒以下、そしてその他のハンデ」が加わっている人だそうです。

又刑務所に入る人の年齢も高齢化して「介護や看護そして治療」を要する人の数が増えているそうですよ。その為「刑務所のバリアフリー化」を真剣に考慮しなければならない現状とか。

さて議連のメンバーは「死刑反対派」と「仮釈放なしの終身刑派」と入り乱れているそうです。これは「死刑廃止」に至る過渡期としても大切なのは「仮釈放なしの終身刑」は問題が多いとの指摘でしょう。

「死刑」に較べて「仮釈放なしの無期懲役」は軽い?或いは優しい様に見えますがそうでもないとの指摘で以下は河合氏の見解です。
日本の少なくとも刑務所の運用は「なるべく入れずに入った者は早く出す」の精神で成り立っています。 
そして「お勤め(刑期)を尽くすか更生を認められて仮釈放される事を収監者に対する餌と言うか希望の光にして刑務所内の治安維持が図られている」が故に刑務の一線は拳銃で武装しなくて済んでいます。
それが「刑務所に入ったら死ぬまで出られないと決まった収監者と刑務員がどう関係を維持するか?」刑務システムを再構築するほどの難事のようです。

その他多くの囚人を収監する刑務所の不足と社会復帰の難しい高齢で無技能の人達の老後を広い意味で「社会保障の最低線と捉えセフティーネットを構成する考え方が必要かも知れません」
安全な社会を維持する為に必要なコストを生活保護と別な形で考える機会を得ました。
1億2千7百万人に対し年3万人の犯罪者はざっと0.0023%で銀行金利並みの低率です。「死刑に替えて仮釈放の無い無期懲役」を考える良い資料です。
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