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東京地検特捜部長と「福島」の意外な接点

2019-12-23 21:47:51 | 原発問題/一般
現在、北海道留寿都村を舞台としたIR(カジノ)誘致問題をめぐって、東京地検特捜部が秋元司衆院議員(自民)の関係箇所を強制捜査している。捜査容疑は外国為替管理法(外為法)違反。国外から100万円を超える現金を持ち込むときは、事前に財務省(税関当局)の許可を得る必要があるが、この許可を受けていなかったためだ。

悪意がなく、単に外為法を知らなかったために摘発される例も多いが、法律の世界で通常「知らなかった」は通用しない。「想定外でした」といって通用するのは、それこそ電力会社くらいのものだろう。

政治家の絡む事件で、東京地検特捜部が立件に成功すれば、2002年の鈴木宗男衆院議員(現・参院議員)以来17年ぶりとなる。

ところで、東京地検で現在、この事件の捜査の指揮に当たっているのが森本宏という人物だ。2017年から特捜部長を務める。実はこの人、佐藤栄佐久元福島県知事による「汚職」事件の際、工事会社を経営していた知事の実弟の取り調べを東京地検で担当。「今の福島県知事はよろしくない。必ず抹殺する」と恫喝した検事である。経緯は「知事抹殺」として本にもなっている。

思えば、その後の刑事裁判で有罪判決を受けながら、認定された収賄額は「0円」という不可解な事件だった。連座制が適用され、公民権停止で福島県知事選への立候補が5年間禁止されたことで、佐藤栄佐久知事は政治的命脈を絶たれた。

佐藤栄佐久元知事といえば、東電による原発のデータ隠しに激怒し、福島第1、第2すべての原発を停止させたことで知られる。国策捜査による「知事抹殺」の背景にこの「原発停止」があると指摘する人も少なくない。佐藤栄佐久氏の復活の芽を確実に摘むため、公民権停止を必要とする勢力がいたということだろう。

その後の経過はご存じの通りだ。佐藤雄平知事時代、県は3号機のプルサーマルを受け入れた。プルサーマルの営業運転開始は2010年10月。3.11の、わずか半年前のことである。

歴史に仮定はないといわれるが、もし佐藤栄佐久知事が「抹殺」されなければ、東電は自分たちに不利なデータも隠さず公表する透明な企業に生まれ変わり、福島第1原発事故の悲劇はなかったかもしれない。事故が避けられなかったとしても、栄佐久知事がもう少し長く在職していれば、3号機のプルサーマルは3.11に間に合わず、3号機爆発による影響はもっと軽微で済んでいたのは間違いない。

その意味では、森本特捜部長も福島第1原発事故の「関係者」というべきだ。データ隠蔽に走る東電に対し、行政として当たり前の指導をしていた佐藤栄佐久県政を潰した検察。原発事故も強制捜査をしないまま不起訴で葬り去ろうとし、それも強制起訴で失敗すると今度は元検事の弁護士に3被告の弁護をさせる。

福島原発事故は明確な検察犯罪である。今抱えている仕事が落ち着いたら「検察犯罪としての福島原発事故」という本でも書きたいと思っているくらいだ。カジノ捜査も結構だが、その前に森本氏は福島県民に詫びてもらいたいというのが私の率直な気持ちである。

余談だが、外為法で現金を持ち込む際に、なぜこのような事前届出制が採られているのかという疑問を抱く人もいるかもしれない。これは、政府・金融当局のあずかり知らないところで多額の現金が持ち込まれるという行為が繰り返された場合、その分「紙幣を刷った」のと同じことになり、インフレ要因になるのを防ぐために違いない。金融当局としては、マネーサプライ(通貨供給量)に影響を与えるような多額の現金持ち込みは、事前に把握する必要があるのだ。

もっとも、アベノミクスで量的緩和政策が続き、何兆円もの過剰な資金が政策的に市場投入されている現状で、たかだか100万円の現金持ち込みを取り締まる意味があるとも思えない。この点も、今回の強制捜査が「カジノからの中国排除」を狙った国策捜査だと考える根拠のひとつである。

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