
ひょんな事でチケットをもらったので、ロームシアター京都の香西かおりコンサートへ行ってきた。
香西かおりと言えば大阪在住、1993年「無言坂」でレコード大賞を獲った事ぐらいしか印象のない人も少なくないかもしれないが、とにかくその上手さに驚いた。
まず前半は「流恋草」「雨酒場」など、おなじみの曲が並ぶ。ここでまず感じるのは♪あぁぁあぁぁ〜の上手さと、意外にも低音の説得力である。低音がしっかり出ている人は、やはり上手い。さすがに紅白出場17回を誇るだけの事はある。
「宇治川哀歌」までやってくれて、宇治市民としては涙チョチョ切れる思いである。
中盤は民謡タイム。
生の三味線をバックに「津軽じょんから節」、生の尺八をバックに「秋田長持唄」。
どうしても「無言坂」などのイメージでポップス寄りの演歌歌手、というイメージを持たれがちなのだが、彼女のバックグラウンドは民謡なのだ。
三味線や尺八に、声と節回しが全く負けていない。
もちろん、「無言坂」は一番いいところで聴けた。私は高校の時、1984年に安全地帯にハマったのだがこの曲で玉置浩二は天才だと改めて思い知った。玉置メロディと彼女の歌唱力が、最高の形のコラボとなって大ヒットに結びついたのだろう。
観終わった後に思うのは、音楽をジャンルで語る事の無意味さ。
上手い人は、何をやっても上手い。
そして、こうやってホンモノを観る事が大切なのだと…