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20070121開設/中学高校国語授業指導案/中学校学級経営案/発達症対応/生活指導/行事委員会指導

黒板掲示物なしは常識・宿題は戦争

2010-09-08 04:12:26 | 宿題はいらない
2010/9/10up全ページ目次
黒板掲示物なしは常識・宿題は戦争

自分の勉強のための本からの書き抜き・講演メモなどです。
なお、当時「発達障害」はまだ「軽度発達障害」と呼称されていました。

■■『教室ツーウェイ』06年7月書き抜き/西岡美香氏■■
 前面黒板上の級訓などの掲示物が
  「特別支援」を要する子にとってどれだけ障害になっているか、わかっていない。


 授業中に、前を見ると教師の顔より、教師が言っていることより、
  黒板上の掲示物に目がいって、授業どころではなくなるのだ。
  注意があちこちにとびやすいので、
  授業に集中させるためには、前には黒板だけが望ましいのである。


 これは、特別支援教育ではすでに常識である。

■『軽度発達障害の臨床』横山浩之著・書抜き■
 ・「反抗挑戦性障害」(ODD)とは、周囲に対して反抗することが当然の行動となり
  自分の利益になることであっても、反対することが当たり前になっている状況をいう。
<DSM‐IVによるODD「反抗挑戦性障害」の定義>
 ◆以下が6か月、4つ存在する。
 ① かんしゃく
 ② 大人と口論
 ③ 大人の要求、規則に、積極的に反抗
 ④ 故意に他人をいらだたせる
 ⑤ 失敗を他人のせいにする
 ⑥ 容易にいらだつ
 ⑦ 腹を立てる
 ⑧ 意地悪で執念深い

<DSM‐IV行為障害の定義>
 ◆3つが過去12か月に存在1つは過去6か月に存在。
 ① 他人をいじめ威嚇する
 ② 取っ組み合いの喧嘩
 ③ 武器を使用(バット、ナイフなど)
 ④ 人に身体的暴力を加えた
 ⑤ 動物に身体的暴力を加えた
 ⑥ 被害者の面前での、盗みをしたことがある
 ⑦ 性行為を強いたことがある
 ⑧ 放火
 ⑨ 他人の所有物を破壊
 ⑩ 他人の住居への侵入
 ⑪ 嘘をつく。だます。
 ⑫ 被害者の面前ではなく、盗みをした
 ⑬ 夜遅くの外出が13歳以前から始まる
 ⑭ 一晩中家を空けたことが2回あった
 ⑮ 学校を怠ける行為が13歳以前から始まる

■AD/HDと遺伝(02バークレー講演) ■
 AD/HD患児との関係で以下の割合で遺伝。
 ① 兄弟が25~35パーセント
 ② 双生児が75~92パーセント
 ③ 母親が15~20パーセント
 ④ 父親が20~30パーセント
   ◆また、親がAD/HDの場合子どもの27~54%がAD/HDである。

■『教育トークライン10月』/甲本卓司氏・書き抜き■
 ◆AD/HDの子が、教室にいる。
  その子をどやしつけて指導する40代教師のビデオを見たことがある。

  これは何を意味するのか。
  この40代教師は、新採用研修をクリアーし、
  5年研修を受け、10年研修を受けた教師だということだ。
  まったくの無知。
  その無知で、子どもを痛めつけている。


■■『特別支援教育教え方教え方教室13号』06年9月書き抜き■■
 ◆7年前、まだ「特別支援教育」などという言葉もなく、
  教師のほとんどの人が、ADHDの言葉を知らなかった時のことである。
  アメリカのメアリー・ファウラーは
  『手のつけられない子それはADHDのせいだった』
  の中で宿題について書いた。
  向山氏によるその要約。

◆要約ここから◆
『ADHDを持つ親には、宿題は頭の痛い問題だ。
宿題は学校で丸一日
「ルールを守る」「集中する」「自分をコントロールする」
ということを、がんばり続けて帰宅したその後に、
家でしなくてはならない。
ADHDを持つ子の父親は
「ほとんど戦争でした」
と、宿題について語っていた。
「毎晩、毎晩、三時間も四時間も、私は顔を真っ赤にして怒鳴り続けた」
という。
本当なら
「15分で終わるはずの宿題を、そこまでしなければいけなかった」
という。
こういう思いは、一つや二つではない。
他の人も、
「宿題をさせるのが、どれだけ大変だったか」
を語ってくれた。
親が手を貸して何とか宿題をさせようとしても、
息子は回転イスをくるくる回しているだけ。
「鉛筆を持ちなさい」
といっても、イスを回しているだけ。
親が下手に出て
「お願いだから、鉛筆を持って」
といい、
「答えは、さっき言ったでしょう。あれで合ってるのよ」
と催促し
「あとは、ノートに書くだけでしょう」
と言っても、はかばかしくない。
そのうち、やりとりはエスカレートして、怒鳴りはじめることになる。
こんなことが毎日続き、息子は宿題をやらずに登校するようになった。』

◆要約ここまで◆

親は
「宿題はほとんど戦争でした」
という。
日本でも、事情は同じである。
宿題を出すと、上位の子は、やってくる。
中位の子は時々忘れて叱られる。
下位の子は、親子で必死にやるが、やがて忘れるようになる。

その裏に「戦争状態」があったのである。

■ADHDを抑える授業■
 ◆運動のある授業 
  ・追い読み・書く・教師の所へ持って行く
  ・体を動かすと、脳は神経伝達物質のドーパミンを出す。
   ドーパミンは前頭前野を活性化する。
   活性化すると、ADHD児の症状を抑える。

 ・聞きっぱなしの問題解決学習は、拷問。

 ◆緊張のある授業
  ・「全員起立。言える人は座りなさい」
  ・適度な緊張状態で前頭前野が活性化される。

■『軽度発達障害の臨床』横山浩之著・書き抜き■   
 ◆最初に行なうべきは、親や子どもが診察室に入ってくる時の行動観察である。
 ① 親がどのようなあいさつをするか。
 ② 子どもが、自分からあいさつをするか。
 ③ 親が子どもにどんな働きかけをするか。
 ④ 子どもが脱いだ靴を、そろえてこられるか。
 ⑤ 子どもが靴をそろえなかったときに、親がどう働きかけをするか。
 ⑥ 親が、脱いだ自分の靴をそろえるか。
 ⑦ 診察室に入った後に、子どもが何をするか。
   おもちゃに突進するか、それともイスに座るか?
 ⑧ 子どもがおもちゃに突進したときに、親がどう働きかけをするのか


 ◆子どもが靴をそろえてこられなければ、
  整理整頓の基本が不十分である可能性が高いこともわかる。
  親が靴をそろえていないようであれば、親自身もしつけられていない。
  ということは、子どもはなおさら、と言った具合である。

 ◆「反抗挑戦性障害」を持つ子は、
  しっかりアイコンタクトがとれた後に、あえて目を伏せる
ことが多い。

 ◆(初診のとき)私は内容を聞くより、保護者の話し方に気をつけている。
  たとえば、「敬語の使い方」をチェックする。
  「敬語の使い方」が正しい保護者は、
  少なくとも、小学6年生の国語を子どもに教えることができる。
  それができる保護者は、全体の、10パーセントに満たない。


 ◆もちろん、チェックするわれわれのほうが、
  正しい敬語の使い方ができなければどうにもならないのは、いうまでもない。

■症状をさらに悪化するケース■ 
 強く非難したり叱責したりすると言った指導により、
 次々と引き起こされる
 「失敗する→叱責される→落ち込む→失敗する→叱責される→落ち込む」
 の負の連鎖は、ADHD児の症状をさらに悪化させてしまうからである
 追いつめることが、深刻な、
 反抗挑戦性障害、行為障害といった、二次的問題
を呼び起こしてしまう

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