もう2日前のことになってしまったが、今年も西穂独標まで行って来た。
昨シーズンに続き、今シーズンも雪が少ない。
というのはかねてから書いていた通りで近場では満足に遊ぶことが出来ない、そしてシーズンももう終盤。
そんな中なのでこれは足を延ばすしかない、するとココに行き着く。
麓にさほど雪はなくとも、そして麓からガッツリ歩かなくともロープウェイで一気に標高を稼げて一気に違う世界へ行ける。
これに尽きる。
ただ、遠い、時間掛かる金掛かるというデメリットがあるがこの際仕方ない、ココしかないのだから。
しかしホントは連休を利用して1泊2日で行きたかった。
でも今回の連休、1日目の天気が悪くそれは諦めざるをえなかった。
しかし2日目の天気は回復し山日和の予報。
日帰りはシンドイけど行くかどうか思案した結果行かずに後悔するよりもと思って行くことを決断、日帰りパックを用意して午前3時20分自宅出発。
(左)いつものルートを利用し写真は東海北陸自動車道を降りた後、高山から見る夜明け。
乗鞍方面から見える朝焼けが素晴らしくクルマを止めて写真を撮りたいと思ったが、到着予想時間が予定よりも遅れていたため止まることなくクルマを走らせた。
(右)今回焦ったのはナビの通りに走ってたらいつもと違うルートを案内され走ったことない大阪峠という細くてかなりクネクネした道を通り上宝経由で新穂高に入ることになったこと。
実際遠回りになると思うのだが、それ以上に遠回りをしているように感じた。
カーナビは時として人の考えとは合わない道を案内する、新しい道でもできたのかとガイドに従ったのが間違いの始まり。
そしてその道中は除雪されているものの写真のような圧雪路面が出てきて一気に緊張高まる、そしてスピードが出せずますます予定が遅れると気が焦るのであった。
(左)それでも思ったよりも早く8時に新穂高着。
ルートを変えたせいで道中に乗鞍や笠ヶ岳を見れなかったのが悔やまれた。
(右)天気は快晴!来てよかった!!
駐車場へクルマを入れた時の気温は-5度、ロングドライブで硬くなった体をストレッチで伸ばしチャッチャと着替え荷物のチェックしてロープウェイ乗り場へ。
(左)ロープウェイで高度を上げる。
ホンマに天気がイイ!来てよかった!!
(右)眼下には霧氷の森広がる。
ちなみに乗車時はこのためだけに持ってきたマスク着用で。
大陸からの観光客は減ってるだろうと思っていたが、居ないということはないだろうし念を入れて。
そして西穂高口に着いたら、人混みから外れて歩く準備を。
ここでこの日一番の大失敗を犯す。
それは展望台に寄らずに歩きだしてしまったこと。
これだけスカッと晴れ渡ってスンバラシイ景色が見れていたのにその写真を展望台から撮らずに歩きだしてしまったのだ。
もう大後悔、後悔しかない、、、
(左)すぐに歩き出してしまったのもこの景色があったから。
ほぼノートレースの新雪が目の前に広がる!
(右)木々には降ったばかりの軽い雪が積もり、太陽の周りにはリングが出ている。
(左)我先にと歩き出したものの膝まで沈み込むラッセルの先頭は体力を消耗し進みが遅い。
(右)途中で2パーティ4名に抜かれ、その後ラッセル交代しながら西穂山荘まで。
夜に降ったと思われる雪はホンマに軽くフカフカで時に股下まで埋まり、斜面では下にある硬い雪に足が掛からず滑って難儀した(クランポンは未装着)。
西穂山荘に着いたらクランポン装着がてら休憩、パンかじって温かいお茶飲んでエネルギー補給して、ビーニーとグローブを高所用に替え出発。
以下デカ写真で。
ちょっと歩いて振り返り西穂山荘を下に見る。
写真中央ちょい左に見えるのが焼岳、その左奥に見えるのが乗鞍。
天気良く空気澄んでるので乗鞍近い!
行く先を見る
笠ヶ岳
ちょっと近づく
丸山着
ここでポールからアックスに持ち替える。
また振り返る。
ガスが上がってきた。
中央に富士山!(肉眼ではもっとハッキリ見えた)
これは嬉しかった~
(左)雪面はカリカリ、クランポンは刺さるが凄く硬い。
ブーツは今シーズン初めてモンブランを使用。
当初は軽く歩きやすいクラックセーフティでいいやと考えていたのだが、こういう時にモンブランを使わずしていつ使うんだという理由でモンブラン。
しかしこのブーツのおかげでラッセル時でもゲイター無しで雪が侵入してくることなく結果として正解だったと思う。
(右)TG-6で自撮り。
フロントバッグにOM-Dを入れ、パンツのポケットにTG-6を入れて歩いてた。
更にザック内にはフィッシュアイを着けたPENを入れていたが緊張が高く出し入れすんのが面倒になって一回も出すことなかった。
独標近づく
独標標柱目視!
下に人2人
また振り返る。
眼下左に梓川と大正池が見える。
上高地バスターミナルから大正池まで
カッコええな~
ここから緊張度MAX!
独標着!
この日3番手。
先の岩場からここまではそりゃもう緊張度高く、カメラ出す余裕全くなし。
アレコレ考えて足が止まると怖いので考えすぎないように足を進めた。
というのも白い雪の箇所は雪に見えてほぼ氷でクランポンの爪も掛かりが浅く、それが外れたらどうなるかと思うと気が気でない。
トップの写真の足元を見るとわかるがクランポンの爪は雪面に刺さることなく点で立っている。
また露出した岩は場所によって氷の膜が張りツルツルに滑って持てず手で支える場所がなくて困ることもあった。
なのでアックスを打って支える。
怖いじゃないか、間違いなく過去一番の怖さ。
上がってくる人を撮るとこんな感じ。
そして上がってくる人が一段落したら狭い独標が人がいっぱいになる前に下りましょう。
当初は先に進む余裕があったら進もうかな、などと考えていたがこの時はそんな考えは微塵も起こらずキッパリ下りることにした。
自分のスキルではこのコンディションこれ以上先に進むのはムリだ。
しかしその下りがまた怖い。
どうやって下りるのが安全か考えたが、前の人に倣って上る時と同じスタイル斜面にへばりつく感じで下りる。
それでも上りの時よりも怖い、断然怖い、緊張した。
その最中岩があって斜度が落ち着くところで体勢替えようと変えようとした時、クランポンの爪を反対の足に引っ掛けてしまって尻もちついた時はマジで肝を冷やした。
危ない危ない。
緊張度の高い所を過ぎたら振り返り振り返り下る。
その最中ガスが出だして一気に見えてたものが見えなくなった。
タイミングよく上がれた。
山荘横のテン場には数張りのテントが。
夜はどれくらい寒いのだろうか?
そして今回は日帰り、早く山を下りて帰らなければと山荘で飯を食うこともなくパンをかじってお茶飲んでロープウェイ乗り場まで行って下山。
西穂山荘から西穂口までは朝に比べると流石にトレースがしっかりして歩きやすくサクサクと進めた。
そしてロープウェイで麓まで下りる前に展望台からその景色を撮っておこうと展望台に行くのだが、
「まっしろで何も見えない・・・」
残念。