趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
JR東日本 新幹線小荷物切符
JR東日本では、東北新幹線東京~仙台・盛岡間と上越新幹線東京~新潟間で、新幹線で小荷物を託送する「新幹線レールゴー・サービス」を取り扱っています。
取り扱い駅は東京駅・上野駅(一部列車のみ)・仙台駅・盛岡駅・新潟駅の各駅です。
レールゴー・サービスで使用される、新幹線小荷物切符です。
(仙台ゆき切符)
(盛岡ゆき切符)
(新潟ゆき切符)
東京駅で発行されている、各行先別の小荷物切符です。
様式は各行先共同じものですが、予め着駅欄に、仙台ゆきは緑色・盛岡駅は赤色・新潟駅は黒色のゴム印で表示されています。
「切符」と言っても宅配便の送り状のような様式で、一般的な鉄道のきっぷとはだいぶイメージが違います。
また、宅配便の送り状と同じくノンカーボンの複写式伝票になっています。
では、それぞれの片をまくって、各片を研究してみましょう。
1枚目は「新幹線小荷物切符(お客様控)領収証(甲)」となっていて、荷送人の控えと運賃領収証になっています。
荷物を受託した際、必要事項が記入され、荷送人に渡されます。
基本的に宅配便のものと同じような様式ですが、列車名を記載する欄があり、いかにも「鉄道らしさ」があります。
2枚目は「新幹線小荷物切符(発駅用)(丁)」となっていて、発駅の荷物発送控えです。
「荷物託送の証書ですから大切に保存してください。」をはじめとする注意書きが無い点が甲片と異なりますが、記載事項はほぼ同一です。
(発駅用、丁片)
3枚目は「新幹線小荷物切符(審査用)(丙)」となっていて、審査課送付用の片です。
こちらも記載事項は丁片と同一です。
恐らく、運賃を入金する入金伝票を兼ねているものと思われます。
(審査用、丙片)
4枚目は「新幹線小荷物切符(着駅用)(乙)」となっていて、着駅への発送通知用として使用されます。
着駅では、荷受人は所定の欄に受取りサインをした上で到着した荷物を受け取ります。
そのため、受取りサインをする欄が設けられている点が他の片と異なります。
(着駅用、乙片)
新幹線レールゴー・サービスはかつてJR東海の東海道・山陽新幹線でも取り扱っていましたが、こちらは平成18年のダイヤ改正を以って廃止されているようです。
宅配便網が発達し、ビジネスデータのやり取りもオンラインで送受信できるようになった現在、これらのサービスは時代に取り残されたような感じがします。
(新幹線レールゴー・サービスのマーク)
0系新幹線をモデルにしたようなマークも、なんとなく時代から取り残されたような侘しさが感じられます。