指宿駅発行 指宿から50kmまでの急行券

昭和53年10月に指宿枕崎線指宿駅で発行された、指宿から50kmまでの急行券です。


   


桃色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、門司印刷場で調製されたものです。


   


裏面です。発行駅名が印刷されています。


現在の指宿枕崎線には特急「指宿のたまて箱」という観光特急が運転されていますが、この券が発行されたころの同線には1日4往復の気動車急行が運転されていました。

この列車は急行「錦江(きんこう)」という列車で、日豊本線の宮崎駅から西鹿児島(現・鹿児島中央)を経由して山川までの運転でした。
編成は5両編成の短い編成でしたが、うち2両がグリーン車という希少な列車で、いかに指宿方面が人気の観光地であったかということを物語っています。

この券が発行された1年後の昭和54年10月には、日豊本線の南宮崎駅~鹿児島駅間の電化完成によるダイヤ改正により、急行「錦江」は4往復のうちの1往復が特急「にちりん」に格上げされ、2往復が475系電車化のうえで宮崎駅~西鹿児島駅間に区間が縮小され、残る1往復のみが指宿枕崎線への乗り入れするようになっています。
そして、翌55年には急行「錦江」は指宿枕崎線への乗り入れを廃止し、宮崎駅~西鹿児島駅間の快速列車に格下げられてしまい、特急「指宿のたまて箱」が運転されるまでの間、指宿枕崎線には優等列車の運転はありませんでした。

コメント ( 0 ) | Trackback ( 0 )