JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
関西電力 トロバスラストイヤー 記念乗車券セット ~その1
明日、平成30年11月30日を以って、日本国内でも数少ない無軌条電車(トロリーバス)である関電トンネル無軌条電車が54年の歴史に幕を閉じます。
関電トンネル無軌条電車は長野県大町市の扇沢駅と富山県中新川郡立山町にある黒部ダム駅間5.4kmを結ぶ路線で、ほぼ全線トンネルという事情からトロリーバスによる運行を行っていましたが、施設の老朽化等の事情により、営業最終日翌日の本年12月1日付で鉄道事業を廃止し、今後は充電式電気バスによる運行に変更されます。
トロリーバスの運転席です。見た目は自動車のバスによく似ていますが、計器類は電流計や電圧計など、電車のものがたくさん付いています。
全線単線で途中1か所に行き違いのできる信号場があり、運行は単行もしくは続行方式で運転され、扇沢~信号場間のA閉塞および信号場~黒部ダム間のB閉塞それぞれでスタフを携行し、続行の場合は続行車両が携行して運転されます。
業務用自動車が運転される時間など途中で行き違いのない場合には全区間を一閉塞とした併合閉塞で運行され、この時にはA閉塞およびB閉塞の2種類のスタフを携行して運転されます。
先ほどの運転席写真の真ん中上の方にオレンジ色の札が見えます。
拡大してみました。これが信号場~黒部ダム間のB閉塞用のスタフです。
1枚目の写真のように先頭の車両は屋根上の緑ランプを1灯点灯させ、続行車はオレンジランプを2灯点灯させていました。この灯火により、対向列車はオレンジランプを確認して先の閉塞内に対向列車が無いことを確認します。
オレンジランプが点灯されている続行車両の後部です。2本のトロリーポールが架線に接していることが分かります。
続行車両から見た先頭車両です。お互いにタイフォンで合図しながら、間隔を空けて走行しています。
さて、同社では最後の年を「トロバスラストイヤー」と称してイベントを行っています。
トロリーバスの引退を記念して記念乗車券が発売されています。記念乗車券は券紙の写真が引退に因んだもので、券は3種類ありますが、それぞれ約2か月づつで切り替わっており、すべてを集めるには最低でも3回乗車する必要がありました。
同社では、3種類をコンプリートしたい旅客のため、記念乗車券セットを一部500円で販売しています。
記念乗車券の表紙です。
それでは次回、記念乗車券の中身を御紹介いたしましょう。