趣味で蒐集した「きっぷ」を見て考えたこと、とか…
JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
古紙蒐集雑記帖
大月駅発行 100kmまでの遅れ承知急行券
1980(昭和55)年5月に、中央本線(東線)の大月駅で発行された、100kmまでの遅れ承知急行券です。
貴褐色こくてつ地紋のA型大人・小児用券で、東京印刷場で調製されたものです。
御紹介の券は2008(平成20)年2月に御紹介させていただきたことがあるのですが、日時が経過したため、再度御紹介させていただくことにしました。
国鉄には、急行券を発売する際に、急行列車が約2時間以上遅延している場合又は約2時間以上遅延することが確実な場合は、当該列車が遅延したときであっても急行料金の払いもどしの請求をしないことを条件として遅延特約の急行券を発売し、この場合には、割引の急行料金によって遅延特約の急行券を特別な条件を付して発売することがあるという規程があり、急行列車が2時間以上遅延した場合には急行料金の全額が払い戻されることになっていますが、乗車駅で急行券の発売時において2時間以上の遅延が予想されていても、この特約により、割引急行券としての「遅れ承知急行券」を発売していました。この場合の急行料金は通常料額の5割引の設定になります。
このような「遅延特約」の制度はJRになってからでも存在するようではありますが、実際に窓口でそのような急行券類を発売することはしていないようです。
当時、大月駅から100km以内の急行料金は500円でしたので、その5割引にあたる250円が発売額になります。
通常の急行券との違いは料金の他に有効期間についても異なっており、当時の急行券類は「発売日共2日間有効」になっていました(現行は当日限り)が、遅れ承知急行券の場合はあくまでも「遅れた時の特約による」という性格上、発売当日限り有効となっています。
裏面です。券番の他、発売当日1回限り有効の旨と自由席車への乗車案内が記載されています。
当時、中央本線には「アルプス」号をはじめとして、「こまがね」「かいじ」「かわぐち」「みのぶ」などの数多くの急行列車が運転されていましたが、多少の遅れはあるものの、のっけから2時間以上の遅れが発生するという遅延特約での発売はそう多くはなかったと記憶しています。
そのためか、「大月から100km以内」という比較的需要のある区間であるにも拘らず、料金改定から8ヶ月弱経っているものの、券番は0018と比較的若い番号でした。
もともと大量に発行されるものでもないですし、発行されるかどうかも疑わしい「特別な時用」の急行券であり、駅によっては「遅延特約」もゴム印を捺印して発売することもあったため、常備券で残されているものはあまり多くはなかったものと思われます。
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混んでいるのと、テツでない同級生2人と一緒だったので手近なみどりの窓口でN型マルス券を購入したのですが、「オクレショウチ」と印字されていた記憶です。
営業指令が出るまでに通常料金で購入し、たまたまやって来た列車が2時間以上遅れていた場合も払い戻し対象たったのですが、その規則を知らずに恩恵?を受けず下車した乗客も多かったのではないでしょうか。