JR直営の印刷場名は国鉄時代の印刷場名を使用します。
10年以上前に御紹介した券も再度御紹介しようかと思います。
古紙蒐集雑記帖
JR北海道 新十津川駅発行 普通入場券
2017(平成29)年4月に、JR北海道札沼線の終着駅である新十津川駅で発行された普通入場券です。
白色無地紋のB型簡易委託駅用大人専用券です。
同駅は1日に一往復しか列車が来ないことで有名な無人駅ですが、札沼線が線名の通りに札幌(桑園)駅から石狩沼田駅まで営業されていた頃は有人駅で、1972(昭和47)年6月に同駅から石狩沼田駅間が部分廃止された後も有人駅として営業していました。国鉄末期の1986(昭和61)年3月に無人化され、その後も乗車券の発売は行われていましたが、同年11月には発売も中止されてしまっています。
この券は、札沼線の北海道医療大学駅~同駅間が本年5月6日の運転を以って廃止されることに伴い、1,000枚限定で駅にある観光協会の運営するお土産店で発売されたものです。そのため簡易委託駅である「〇簡」を付した発行駅名になっていますが、同駅は実際には簡易委託駅ではなく、実際にこの商店は駅の管理委託を受託していたわけではなかったようです。
1,000枚の普通入場券の発売に当たり、「便宜的」にJR北海道が簡易委託契約を結んだような形態であったと聞いています。(違っていたらスミマセン。)
今回廃止される区間は、JR北海道が「将来にわたり持続可能な形で安全最優先の鉄道事業を運営する社会的な使命を果たすため」に「単独では維持することが困難な線区」として、北海道医療大学駅~同駅間が「鉄道よりもほかの交通手段が適しており、バス等への転換について地域の皆様と相談を開始する」と表明し、沿線自治体との廃止の合意に至ったものと言われていますが、浦臼駅~同駅間の運行が1日1往復のみとなったことによって列車を用いての日帰り往復を作為的に不可能にさせたことにより、「民間」会社であるJR北海道が、「お客様のご利用が見込めなかったから廃止する」という事実を沿線自治体に突き付け、半ば強引に廃止に追い込んだ感じでした。
そのような札沼線の北海道医療大学前駅~同駅間の区間ですが、JR北海道は、全国的に新型コロナウイルスの緊急事態宣言が発出された昨日の4月16日、急遽本日4月17日10時00分新十津川駅発の臨時列車の発車を以って、営業を終了(運休)すると報道発表しました。
従いまして、本日10時00分新十津川駅発の列車を以って同区間は終日運休となり、事実上廃止同然のまま、来るべき5月6日の廃止日を迎えることになります。