東京急行電鉄 渋谷より10円区間ゆき片道乗車券

前回エントリーで
> 1954(昭和29)年に私鉄で初めて阪急電鉄梅田駅に手動式券売機が登場し、これは後に電動化されていきますが、
> 予め印刷された軟券をカットして発売する券売機が登場し、
> 関東私鉄においても東急電鉄・京王電鉄・営団地下鉄で導入されていきました。
と御紹介いたしましたが、当時発券された軟券式の券がございましたので御紹介致しましょう。


   

日付が鮮明でないので発行日が不明ですが、当該券売機で発券された渋谷より10円区間ゆきの片道乗車券です。「2等」とありますので、1960(昭和35)年6月以降に発行されたものと推測されます。緑色PJRてつどう地紋の金額式軟券となっています。
なぜだか分かりませんが、「渋谷から」ではなく「渋谷より」という表記になっており、昭和20年代前半にタイムスリップしてしまったみたいです。

発行前の券はロール状に繋がっており、券の四隅に開けられた穴に歯車を噛ませて券紙を引き出し、1枚づつ裁断して発行される方式であったようです。


   

裏面です。裏面には券番があり、恐らく、前2桁はロール番号で後4桁が券番と思われます。


   

他駅で発行されたものもございますが、こちらも日付は不鮮明で、まだ日付の印字機能は完成されたものではなかったようです。もともと発行年までの印字機能は無かったのかも知れませんが、「12 -7」という印字から12月7日の発行であることは判ります。

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