小田急電鉄 モノレール向ヶ丘遊園駅発行向ヶ丘遊園正門ゆき往復乗車券

昭和60年2月に小田急電鉄モノレール向ヶ丘遊園駅で発行された、向ヶ丘遊園正門ゆきの往復乗車券です。


   


桃色PJRてつどう地紋の千切り券で、当時関東で良く見かけた半硬券となっています。


モノレール向ヶ丘遊園駅は小田急電鉄がかつて運行していた向ヶ丘遊園モノレール線の向ヶ丘遊園駅でした。小田原線の向ヶ丘遊園駅とは若干離れたところにあったため「モノレール向ヶ丘遊園駅」と記載されていましたが、小田原線の駅と同一駅として扱われていたようです。
しかし、モノレール線の出札窓口は小田原線とは別にありましたため、乗車券の発行箇所名にはモノレール線を指すものと思われる「〇モ」の符号が付けられており、収入管理は別々に行われていたものと思われます。


向ヶ丘遊園のモノレールは「ロッキード式」という方式で、コンクリート軌道の上にある鉄のレールが1本あり、電車はゴムタイヤではなく鉄車輪で走行していました。ロッキード式モノレールは小田急のほかに姫路市企業局交通事業部でしか実用化されず、姫路市営モノレールも昭和54年に廃止されています。

使用された車両は500系と呼ばれ、ロッキード式の試作車として川崎航空機工業岐阜製作所で昭和37年に製作されたものを譲り受けたものでした。
向ヶ丘遊園のモノレールは小田急線の1路線ではあったものの車両が1編成しかなかったため、遊園地の閑散期に定期点検による運休が設定されており、通勤通学客の利用もありましたが、遊園地の乗り物的な要素の強い路線でした。

姫路市営モノレールの廃止後も「唯一のロッキード式モノレール」として運転されていましたが、平成12年12月の定期点検中に台車部分の亀裂が発見され、希少性から修繕に4億円という莫大な費用がかかることが判明し、そのまま廃止されてしまっています。

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